東京市場のドルは2月12日以来の148円台、基準線148円40銭台割れを警戒(24/3/7)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀による早期の金融政策の正常化に踏み切るとの観測が強まったことで148円台半ばまで下落した。

東京市場のドルは2月12日以来の148円台、基準線148円40銭台割れを警戒(24/3/7)

東京市場のドルは2月12日以来の148円台、基準線148円40銭台割れを警戒

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀が早期の金融政策の正常化に踏み切るとの観測が強まったことで148円台半ばまで下落した。

昨晩の海外時間では、米2月ADP雇用統計が1月から伸び拡大も市場予想を下回ったほか、米1月JOLT求人件数も12月から減少したため、労働市場ひっ迫緩和で年内の利下げを織り込み米10年債利回りは4.0%台まで下落。長期金利低下に伴うドル売りが優勢となった。

その後、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がインフレに関し、「目標2%に向けてもう一段の確信が必要だ」と再表明し、利下げに慎重な姿勢を繰り返したほか、短期的に景気後退を予想する理由はないと、景気にも楽観的見方を示した。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)でも景気判断が上方修正されたためドル売りは一段落となった。

東京時間では、日本銀行が3月18-19日に開く金融政策決定会合で、一部出席者がマイナス金利政策の解除が妥当だと意見表明する見通しと報じられたことで、想定よりも早く金融政策の正常化に踏み出すとの観測が強まり、ドル売り優勢の展開に。2月12日以来となる148円台に突入した。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円33銭
高値:149円33銭
安値:148円40銭
終値:148円63銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円75銭
高値:162円77銭
安値:161円83銭
終値:162円02銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円99銭
高値:98円05銭
安値:97円61銭
終値:97円75銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:190円11銭
高値:190円15銭
安値:189円06銭
終値:189円27銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:40331円06銭
高値:40472円11銭
安値:39518円40銭
終値:39598円71銭(前日比−492円07銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

22時15分、欧、ECB政策金利、前回:4.50%、市場予想:4.50%
22時30分、米、週次新規失業保険申請件数、前回:190.5万件、市場予想:187.2万件
22時30分、米、1月貿易収支、前回:−622億ドル、市場予想:−632億ドル
22時45分、欧、ラガルドECB総裁が記者会見
23時45分、欧、ECB四半期経済予測
24時00分、米、パウエルFRB議長が上院銀行委員会で議会証言
25時30分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
27時15分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁がCNBCインタビューに応じる

バイデン米大統領の一般教書演説
※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析など】

日足ベースのドル・円は、日足の一目均衡表では、転換線が下向きとなっておりトレンドは悪化。基準線が位置する148円40銭水準で下げ止まっている。20日移動平均線も下向きとなっており、基準線を割り込むと50日移動平均線の147円80銭水準が意識されよう。

昨晩、11月の米大統領選挙の共和党候補者に前大統領のトランプ氏が指名されることが確実となったことから、市場は「もしトラ」を強く意識し始めた。そんなタイミングで、日銀会合の観測報道が伝わったことから、ドルは足元の狭いレンジ下限を一気に割り込んだ。3週間強、2円未満のレンジ推移となっていたことからエネルギーは溜まっていると推測。下向きのバイアスが強まりやすいことから、明日8日の米雇用統計発表までドル売りが継続する可能性はある。

私は、今回の日銀会合では、「数名の政策委員からマイナス金利の解除が妥当という発言があった」といった議論に留まり、過半数を獲得することは無いと考える。3月という期末のタイミングで、株価及び為替に大きな影響を与える決断を日銀は回避するだろう。いくら株式市場が強いとはいえ、慎重な日銀があえて危ない橋を渡る必要はないことから、4月の日銀会合において「期は熟した」と判断し金融政策の正常化に踏み切ると考える。

植田日銀総裁は2月29日の記者会見において、2%の物価目標の持続的達成について「今のところまだそこまでには至っていない」と言及し、「春季労使交渉はその確認作業の中で大きなポイント」との見解を示した。

今回の日銀会合直前の15日に、連合は春闘での賃上げ率について第1回回答集計結果を発表する。さすがにこのスケジュールでは3月の日銀会合の判断は出せないだろう。

なお、今晩の海外時間では、欧州中央銀行(ECB)理事会にて政策金利が発表される。サプライズには乏しいという見方が強いなか、欧州経済も「もしトラ」を警戒していることから、ユーロは対円で弱含むと考える。

今晩の海外時間は、下へのバイアスが強まっていることからドル売り継続と考える。上値メドは149円00銭、下値メドは147円90銭とする。

東京市場のドルは2月12日以来の148円台、基準線148円40銭台割れを警戒

ドル円日足

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