ドル円、約1カ月ぶり安値圏へと続落。上昇から下落へのトレンド転換リスクに要警戒(3/7朝)

6日(水)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、約1カ月ぶり安値圏へと続落。上昇から下落へのトレンド転換リスクに要警戒(3/7朝)

ドル円、約1カ月ぶり安値圏へと続落。上昇から下落へのトレンド転換リスクに要警戒

〇ドル円、米2月ADP雇用統計の不冴えやパウエル議長の議会でのハト派的発言に一時149.09まで下落
〇ユーロドル欧州指標の改善や米金利低下に1.09台を回復
〇ドル円いくつかのサポートを下抜け、テクニカルの地合いの悪化警戒される
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小期待がドル円下落を連想させる
〇短期的なドル円見通しをブル(強気)からベア(弱気)へと変更
〇本日の予想レンジ:148.50ー150.00

海外時間のレビュー

6日(水)のドル円相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値150.09まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)日経平均株価の続落(リスク回避の円買い圧力)や、(2)重要イベントを控えたポジション調整、(3)円金利上昇に伴う円買い圧力、(4)時事通信社による「3/18ー3/19に開催される日銀金融政策決定会合で一部出席者よりマイナス金利解除が妥当であるとの意見表明が出される見通し」との観測報道、(5)上記4を背景とした短期筋のロスカット、(6)米2月ADP雇用統計(結果+14.0万人、予想+15.0万人)の市場予想を下回る結果、(7)パウエルFRB議長による「年内いずれかの時点で利下げが適切になる可能性が高い」「インフレ率は2%を超えているものの大幅に緩和されている」とのハト派的な発言、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値149.09まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/7午前5時00分現在)では、149.37前後で推移しております。

6日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0842まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ドイツ1月貿易収支(結果275億ユーロ黒字、予想210億ユーロ黒字)の市場予想を上回る結果や、(2)ドイツ2月建設業PMI(結果39.1、前回36.3)の前月比改善、(3)ユーロ圏1月小売売上高(結果+0.1%、予想+0.2%、前回▲1.1%)の前月比改善、(4)米2月ADP雇用統計の市場予想を下回る結果、(5)パウエルFRB議長によるハト派的な発言、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力、(7)ドイツ債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(8)欧州株の堅調推移、(9)ECB理事会を控えたポジション調整が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0915まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/7午前5時00分現在)では、1.0900前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時149.09まで下落するなど、約1カ月ぶり安値圏(2/12以来の安値圏)へと続落しました。強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」は継続点灯しているものの、日足ローソク足が幾つかのサポートライン(21日移動平均線、一目均衡表転換線、ボリンジャーミッドバンドなど)を下抜けし始めているため、テクニカル的に見て、地合いの悪化が警戒されます(60分足や4時間足などの下位足では既に強い売りシグナルが点灯済み→次のターゲットとして日足ベースの一目均衡表基準線が位置する148.40レベルへの続落リスクに要警戒)。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀によるマイナス金利の早期解除観測の高まり(昨日は時事通信社からもタカ派的な観測報道あり)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の前倒し観測(6/12FOMCでの25bp利下げの織り込み度合は依然として50%を上回る水準)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小期待(円キャリートレードの巻き戻しリスク)など、ドル円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。

本日予定されている中川日銀審議委員講演にてマイナス金利の早期解除を滲ませる発言が出てくる場合や、米経済指標(米2月チャレンジャーレイオフ調査、22:30 米1月貿易収支、米10ー12月期単位労働コスト、米新規失業保険申請件数)の悪化が示される場合、米当局者(パウエルFRB議長、クリーブランド連銀メスター総裁)よりハト派的な見解が示される場合などには、円金利上昇→円買いの経路と、米金利低下→米ドル売りの経路が組み合わさることで、ドル円に強い下押し圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では短期的なドル円見通しをブル(強気)からベア(弱気)へと変更いたします。

本日の予想レンジ:148.50ー150.00

ドル円、約1カ月ぶり安値圏へと続落。上昇から下落へのトレンド転換リスクに要警戒

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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