ドル円 ドルは結果行って来い、再び強保ち合いか(3/1夕)

東京市場はドルがじり高推移。非常にスピードはゆっくりだったが、「寄り付き安・大引き高」の様相だった。

ドル円 ドルは結果行って来い、再び強保ち合いか(3/1夕)

ドルは結果行って来い、再び強保ち合いか

〇本日のドル円、寄り付いた150円前後を安値に緩やかな右肩上がり、上値重く150円半ばで上げ渋り
〇昨日欧米時間に149.21を示現し150円台中心のレンジを一時的に割り込むも、後に元のレンジへ回帰
〇本日東京時間も150円台前半中心の取引、短期的にはしっかりとレンジ放れをすることは難しい様子
〇ドル円予想レンジは149.70-150.90、ドル高・円安方向は150.80レベルが目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は、150円レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルがじり高推移。非常にスピードはゆっくりだったが、「寄り付き安・大引き高」の様相だった。

ドル/円は、寄り付いた150円前後を日中安値に緩やかな右肩上がり。早朝に伝えられた植田日銀総裁の発言がキッカケとなり、クロスを含めて全体的に円売りが優勢だった。とは言え、日本当局の円安けん制の動きを警戒する向きもあり、ドル/円の上値は重い。150円半ばでは上げ渋り、16時現在でも小緩んだ150.35-40円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、先週来伝えられる日銀総裁や理事らの発言を総合すると、日銀が金融緩和へ向けいよいよ舵を切ってきた感を否めないものの、姿勢そのものは依然として慎重であるようだ。ちなみに、次回の日銀金融政策決定会合は3月18-19日に開かれる。そうしたなか、本日早朝には、参加しているG20財務相・中銀総裁会合後の会見における植田発言が報じられ、前述したようにわずかながら円売り要因となっていた。具体的な内容としては、「物価目標実現見通しはまだそこまで至ってない」、「インフレ率はかなりのペースで減速傾向」−−などで、市場では予想より弱めだったとの見方が多い。

対して後者は、プーチン大統領が今月実施される大統領選を視野に入れた年次教書演説を行い、抜本的な国内インフラの再活性化を柱とする6ヵ年の経済計画を表明。それとともに、ウクライナ侵攻について強気の発言を連発させていた。たとえば、ウクライナ侵攻は国民が支持していると主張し侵攻を正当化したうえで、「国民の主権と安全を守るため」として継続させる考えを示したほか、NATO加盟国がウクライナに軍隊を派遣すれば核戦争のリスクがあるとした核恫喝コメントも聞かれていたようだ。ただし、後者については米国務省のミラー報道官から「ロシアが核兵器の使用を準備している兆候がない」と否定するような発言も発せられている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日欧米時間に半月ぶりの安値となる149.21円を示現。短期的に推移していた150円台を中心としたレンジを一時的に割り込んだが、結局そののち元のレンジへと回帰してきた。本日東京時間も150円台前半を中心とした取引。ドルの上値が重いことは確かだが、下値トライも昨日失敗した感がある。つまり、短期的には上下ともにしっかりとレンジ放れをすることは難しいようで、基本は150円台を中心とした一進一退が続く可能性もある。
引き続き日米金融政策への関心が高い状況下、日本の金利についても日銀幹部の発言をめぐり思惑が交錯し右往左往する展開だ。ただ、いずれにしても以前ほど積極的な円売りには、動きにくい状況になりつつあるようだ。一方、米国は本日も発表される米経済指標と要人コメントに一喜一憂する状況が見込まれるなか、半ば予定調和になりつつあるが3月1日に一部政府機関が閉鎖される問題は、米下院に続き上院でもつなぎ予算案が可決し最悪の事態は免れた感がある。ドルの下支え要因に寄与も。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨日東京時間の急落で、一時はドルの下値リスクが強まった感があったものの、終わってみればトライは失敗か。結局、元のレンジへと戻ってきての推移となっている。上下ともに攻めにくく、しばらくは150円台を中心に落ち着きどころを探る展開を予想するが、昨日のドル安進行でポジションが軽くなったことなどもあり、目先は上値を試しやすくなったなどとする声も、ドル高派のなかからは聞かれていた。

本日は米経済指標として、2月のISM製造業景況指数や同ミシガン大学消費者信頼感指数確報が発表される予定となっているほか、本日も米地区連銀総裁などによる講演などの発言機会が数多く予定されている。また、名実ともに3月入りしたことでの需給要因の変化にも注目だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.70-150.90円。ドル高・円安方向は引き続き抜けそうで抜けられない150.80円レベルが目先の抵抗。超えれば151円台乗せを否定できないが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日ザラ場ベースで一時下回った150円レベルの攻防にまずは注目。下回ると、149円半ばを超えてきた移動平均の21日線がターゲットに。

ドルは結果行って来い、再び強保ち合いか

ドル円日足


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