東京市場のドルは150円台回復、植田日銀総裁発言で小さな「往って来い」に
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田和男日銀総裁の発言や日本株上昇などが影響しドル買戻しが進み、150円40銭台まで値を戻した。
昨晩の海外時間では、米1月コアPCE価格指数が予想通りインフレ改善兆候を示したため年内の利下げ観測を織り込み、米10年債利回りは4.32%台から4.22%台まで低下。ドルは一時149円21銭まで売られる場面が見られたが、売り圧力が強まらなかったことなどから、売り一巡後は149円台後半まで値を戻した。
東京時間では、植田日銀総裁が「(物価目標の実現について)見通せる状況には至ってない」と発言したことから、前日の高田創日銀審議委員の金融政策正常化に向けた前向きな発言が出る前の水準までドルは回復。日経平均の大幅高も刺激材料となり、ドルは150円40銭台まで戻した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円99銭
高値:150円49銭
安値:149円96銭
終値:150円45銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円06銭
高値:162円75銭
安値:162円02銭
終値:162円66銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:97円44銭
高値:97円95銭
安値:97円42銭
終値:97円92銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:189円34銭
高値:190円04銭
安値:189円31銭
終値:189円96銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:39254円69銭
高値:39990円23銭
安値:39224円64銭
終値:39910円82銭(前日比+744円63銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時00分、欧、2月ユーロ圏消費者物価指数(概算値速報)(前年比)、前回:2.8%、市場予想:2.5%
19時00分、欧、2月ユーロ圏消費者物価指数(概算値速報)(コア)(前年比)、前回:3.3%、市場予想:2.8%
19時00分、欧、1月雇用統計(失業率)、前回:6.4%、市場予想:6.4%
19時00分、欧、ホルツマン・オーストリア中銀総裁が講演
22時30分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁がインタビューに応じる
23時45分、米、2月PMI(確報値)、前回:51.5、市場予想:51.5
☆24時00分、米、2月ISM製造業景気指数、前回:49.1、市場予想:49.4
24時15分、米、ウォラーFRB理事とローガン・ダラス連銀総裁が討論会に参加
26時15分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演
27時30分、米、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁とシュミッド・カンザスシティ連銀総裁が講演
29時30分、米、クーグラーFRB理事が経済政策研究所サミットに出席
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているが、転換線水準でもみ合っており上値の重さが意識されている。一方、昨日は20日移動平均線で長い下影(ヒゲ)を残していることから、短期的な下値模索は回避された格好だ。
今晩の海外時間では要人発言と24時の2月ISM製造業景気指数に関心が集まろう。先行性があるISM新規受注等が改善を示唆していることから、前回49.1を上回る市場予想49.4も上回る可能性はある。強い数字となれば、後退したインフレ再燃懸念がまた意識されるだろう。来週は、2月ISMサービス業景気指数や、雇用関連の重要経済指標が目白押しのため、経済指標に一喜一憂する地合いとなろう。3月19−20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは方向感が定まらない展開が続きそうだ。
もっとも、2月20日時点の米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、非商業部門の円売り越し幅は12万枚に到達しており、昨年11月以来の水準まで積み上がっている。このまま円売りポジションが積み上がっていく可能性もあるが、昨年11月のピークに到達したことから円キャリートレードはいったん一服という可能性もある。
判断が非常に難しい 状況のため、トレンドが明確となるまでは、150円割れのドル買い、150円70−80銭水準でのドル売り、という狭いレンジでの売買が中心となりそうだ。今晩の上値メドは150円80銭、下値メドは149円90銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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