2月14日早朝高値に再び迫るも届かず、27日朝の全国CPI発表からやや円高
〇ドル円、2/26午前150.28まで下げたが2/27未明150.83へ上昇、再び2/14早朝高値150.88に迫る
〇今朝発表された日本全国CPI上昇率は予想上回る、発表直後は円高反応となり150.50を一時割り込む
〇ドルストレートにおけるドル安感は継続している一方、クロス円における円安続く
〇米長期債利回りは総じて反発、ダウは4営業日ぶりの反落
〇150.88超えからは、151円台序盤への上昇を想定する
〇2/26午前安値150.28割れからは、150.00試しを想定する
【概況】
ドル円は2月21日未明安値149.68円からの上昇で23日夜に150.76円を付けて2月14日早朝高値150.88円に迫ったところで上昇一服となり、週明けの2月26日午前には150.28円まで下げたが、米長期債利回りの上昇を見て27日未明に150.83円へ上昇して再び2月14日早朝高値に迫った。
米商務省が2月26日深夜に発表した1月新築一戸建て住宅販売件数(年換算)は前月比1.5%増の66万1000戸で市場予想の68万戸を下回ったものの12月の65万1000戸を上回り、前年同月比1.8%増となったために発表後は米長期債利回り上昇とドル高反応がみられた。
【日本全国CPI上昇率は予想を上回る】
2月27日8時半に発表された1月の日本全国CPI(消費者物価指数)上昇率が予想を上回ったことで日銀によるマイナス金利解除を連想させて発表直後は円高反応となり、ドル円は150.50円を一時割り込んだ。2月14日早朝高値を超えて151円に挑戦するのは時期尚早として目先は修正安が入りやすい状況と思われるが、150.0円台序盤では買われやすいと思われる。
1月の日本全国CPI上昇率は総合で前月比0.0%、前年同月比2.2%(12月は2.6%、予想は1.9%)、生鮮食品を除くと前月比0.1%、前年同月比2.0%(12月は2.3%、予想は1.8%)、生鮮食品とエネルギーを除くと前月比0.2%、前年同月比3.5%(12月は3.7%、予想は3.3%)だった。
【クロス円の円安】
2月13日の米1月CPIが予想を上回る上昇率だったことで米国の早期利下げ期待が大幅に後退してドル全面高となりドル円は149円台前半から2月14日早朝高値150.88円へ急伸して昨年12月28日安値140.24円以降の最高値としたが、2月14日午前に神田財務官が市場介入をちらつかせる円安けん制発言を行ったことで円売り一巡となり2月15日夜には149.55円まで下げた。その後も150円を割り込むところを買われて確りし、徐々に2月14日早朝高値へ迫ってきているところだ。
米国の早期利下げ期待後退については市場も織り込み済とし、ECBや英中銀等も利下げを急がない姿勢を示していることでドル指数は2月14日から下落に転じ、ユーロやポンドも2月22日夜にいったん下げたところから戻してドルストレートにおけるドル安感は継続している。一方でユーロ円は12月7日以降の高値を更新、ポンド円と豪ドル円は2020年3月以降の高値を更新するなどクロス円における円安が続いている。日銀のマイナス金利解除への地ならし的な動きも見られるもののマイナス金利解除後も金融緩和状態は続くとの見方により昨年末にかけて見られた円の独歩高的な円高への警戒感は後退している。
当面は150円割れを買われつつ151円手前では上値の重くなる持ち合いで推移しつつ、2月29日の1月米PCE(個人消費支出)デフレーターの内容次第で持ち合い放れへ向かう流れと思われる。
【米10年債利回りは低下後に反発、ダウは4日ぶり反落】
2月26日の米長期債利回りは総じて上昇した。米新築住宅販売件数が12月から増加したことと米財務省の2年債と5年債入札が低調だったことで債券売り・利回り上昇反応がみられた。
長期金利指標の10年債利回りは先週末比0.03%上昇の4.28%となったが、2月23日の前日比0.07%低下から続落して一時4.21%まで低下したものの反発した。
30年債利回りは2月23日に前日比0.09%低下したが、26日は4.34%まで続落してから戻して先週末比0.03%上昇の4.40%とした。2年債利回りは2月23日の前日比0.03%低下からの続落で一時4.66%をつけたもののその後の反騰で先週末比0.04%上昇の4.73%とした。
米金利先物市場における3月と5月の利下げ期待はほぼ解消しているが、6月も据え置かれえるとの見方も4割程度へ上昇している。
一方、NYダウは先週末にかけての3連騰で史上最高値を更新していたが、週明けの26日は4営業日ぶりの反落で先週末比62.30ドル安となり、ナスダック総合指数も先週末比20.57ポイント安と下落した。いずれも先高期待は根強く、利益確定売りを消化しながら上昇基調を維持してゆくのではないかと思われる。
【60分足、サイクル・一目均衡表分析】
ドル円は2月21日未明安値149.68円を起点として上昇してきたが、2月27日未明に150.83円を付けて2月14日早朝高値150.88円に迫ったところから小反落しており、目先は上値が重くなっている印象だ。中勢は149円台中盤で買われて151円手前で売られる持ち合いの範囲だが、2月26日午前安値150.28円を上回るうちは28日夜から3月1日夜にかけての間への上昇余地ありとし、2月26日午前安値を割り込む場合は29日午前から3月4日午前にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では、2月22日早朝への上昇で先行スパンを上抜いたが、その後も先行スパンからの転落を回避しているので、先行スパンを上回るうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合は2月14日早朝高値以降の持ち合い下限を試す可能性があるとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は2月23日夜高値を2月27日未明に上抜いた際に指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため、55ポイント超えからは上昇再開とするが、50ポイント以下での推移中は下向きとして30ポイント前後への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、2月26日午前安値150.28円を下値支持線、2月14日早朝高値150.88円を上値抵抗線とする。
(2)150.50円を一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、150.88円超えからは151円台序盤への上昇を想定する。151円到達では売られやすいとみるが、150.50円割れを買われて確りなら28日の日中も高値試しを続けやすいとみる。
(3)2月26日午前安値150.28円割れからは150.00円試しを想定する。150円前後は買われやすいとみるが、150円割れから続落する場合は2月21日未明安値149.68円試しへ下値目途を引き下げる。150.28円を割り込んでの推移なら28日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の予定】
2/27(火)
16:00 (独) 3月 GFK消費者信頼感 (2月 -29.7、予想 -29.0)
22:30 (米) 1月 耐久財受注 前月比 (12月 0.0%、予想 -4.5%)
22:30 (米) 1月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (12月 0.6%、予想 0.2%)
23:00 (米) 12月 連邦住宅金融局住宅価格指数 前月比 (11月 0.3%、予想 0.3%)
23:00 (米) 12月 連邦住宅金融局住宅価格指数 前年同月比 (11月 6.6%)
23:00 (米) 12月 ケース・シラー米住宅価格指数 前月比 (11月 -0.2%)
23:00 (米) 12月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (11月 5.4%、予想 6.0%))
23:05 バーFRB副議長、講演
24:00 (米) 2月 リッチモンド連銀製造業指数 (1月 -15)
24:00 (米) 2月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (1月 114.8、予想 115.0)
27:00 (米) 財務省7年債入札
2/28(水)
09:30 (豪) 1月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (12月 3.4%、予想 3.6%)
10:00 (NZ) ニュージーランド中銀 政策金利 (現行 5.50%、予想 5.50%)
14:00 (日) 12月 景気一致指数CI・改定値 (速報 116.2)
14:00 (日) 12月 景気先行指数CI・改定値 (速報 110.0)
19:00 (欧) 2月 消費者信頼感・確定値 (速報 -15.5)
19:00 (欧) 2月 経済信頼感 (1月 96.2、予想 96.6)
22:30 (米) 1月 卸売在庫 前月比 (12月 0.4%)
22:30 (米) 10-12月期 GDP・改定値 前期比年率 (速報 3.3%、予想 3.3%)
22:30 (米) 10-12月期 GDP個人消費・改定値 前期比年率 (速報 2.8%、予想 2.7%)
22:30 (米) 10-12月期コアPCE・改定値 前期比年率 (速報 2.0% )
24:30 (米) EIA間石油在庫統計
26:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、座談会
26:15 (米) コリンズ・ボストン連銀総裁、座談会
26:45 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、講演
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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