ドル円、日米金利差を背景に150円台後半で底堅い動き。本日は本邦CPIに注目
〇ドル円、米ダラス連銀製造業活動指数の市場予想を上回る結果が支援し、米国時間に150.84まで上昇
〇ユーロドル、欧州債利回り上昇、欧州株堅調、ECB関係者のタカ派発言等に1.08台半ばを堅調推移
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強くファンダメンタルズもドル円上昇材料揃う
〇本日8:30発表の本邦1月全国消費者物価指数に注目
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.00ー151.25
海外時間のレビュー
週明け26日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値150.29まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日経平均株価の堅調推移(史上最高値更新→リスク選好の円売り圧力)や、(2)円金利低下に伴う円売り圧力、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)米2月ダラス連銀製造業活動指数(結果▲11.3、予想▲14.0)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値150.84まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/27午前6時40分現在)では、150.71前後で推移しております。尚、昨日は桜井元日銀審議委員より「春闘の集中回答日に大企業の賃上げ率が4%を超えれば、日銀が3月の金融政策決定会合でマイナス金利を解除する可能性は十分ある」「マイナス金利解除後は3・4年かけて長期金利が最大で2.0%程度上昇するような政策運営になるのではないか」との発言が見られましたが、円買いでの反応は限定的となりました。
週明け26日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0812まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)独債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力や、(2)欧州株の堅調推移、(3)ギリシャ中銀ストゥルナラス総裁による「利下げに関しては6月まで待ち、それ以降は各会合で25bp程度の小幅な利下げが望ましい」との早期利下げに慎重な発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0860まで上昇しました。その後も、(4)ラガルドECB総裁による「ECBはインフレに関してまだ目標に達していない」との発言などが支えとなり、本稿執筆時点(日本時間2/27午前6時40分現在)においても、1.0850前後での底堅い動きが続いています。
本日の見通し
ドル円は150円台後半での底堅い動きが続いています。上位足から下位足に至る全てのテナーで強い買いシグナル(主要テクニカルポイントの上方ブレイク+一目均衡表三役好転+強気のパーフェクトオーダー+ダウ理論の上昇トレンド)が成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(マイナス金利解除後も金融緩和が当面続くとの思惑)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(最初の利下げ時期が下半期にずれ込むとの思惑)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は上記1に関する部分で、日本時間08:30に発表される本邦の1月全国消費者物価指数に注目が集まります。前哨戦として注目されていた東京都区部の1月消費者物価指数は前年同月比+1.6%と、日銀が目標とする2%を割り込みました(2%の大台割れは2022年5月以来)。
この為、本日発表される全国消費者物価指数も伸び率鈍化が警戒されます。市場予想を下回る場合には、日銀によるマイナス金利の早期解除観測が後退し、「円金利低下→円売り」の経路でドル円に強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(昨年高値151.91を早期に試すシナリオ)をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は上記以外にも、米1月耐久財受注や、米12月FHFA住宅価格指数、米12月S&Pケースシラー住宅価格指数、米2月リッチモンド連銀製造業指数、米2月消費者信頼感指数、バーFRB副議長講演、米7年債入札など、重要イベントが目白押しとなります。
本日の予想レンジ:150.00ー151.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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