ドル円 レンジ長期化でドル高見通しは一旦白紙に(2/26夕)

東京市場は小動き続く。上値は重いが下値も堅いという状況で、レンジから脱却できなかった。

ドル円 レンジ長期化でドル高見通しは一旦白紙に(2/26夕)

レンジ長期化でドル高見通しは一旦白紙に

〇本日ドル円、150円半ばで寄り付き、16時現在150.40-45で推移
〇積極的な動意は乏しく30ポイント弱のレンジ取引、基本は次の材料待ちか
〇日経平均株価は本日も高値更新、リスクヘッジの円売りに繋がったか
〇テクニカルにも膠着相場で方向性を欠く、相場観は一旦ニュートラルに
〇本日は米2月ダラス連銀製造業活動指数、1月新築住宅販売件数の発表に注目
〇ドル高・円安方向、先週末高値150.77が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、150円レベルをめぐる攻防にまずは注目
〇欧米時間の予想レンジ:149.90-150.80

<< 東京市場の動き >>

東京市場は小動き続く。上値は重いが下値も堅いという状況で、レンジから脱却できなかった。

先週末は、24日に「ロシアによるウクライナ侵攻から2年」となったことを受け、様々な国際会議が開催されたほか、各国要人から関連発言なども相次いでいた。
そうした状況下、ドル/円は150円半ばで寄り付いたものの、積極的な動意は乏しい。150.30-60円といった30ポイント弱のレンジ取引で、基本は次の材料待ちといった様相。ただ、日経平均株価は本日も高値更新となり、為替市場においてはリスクヘッジの円売りに繋がっていたとの指摘も聞かれていた。16時現在、ドル/円は150.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「ウクライナ侵攻2年」と「中国情勢」について。
前者は、前述したように24日に「ロシアによるウクライナ侵攻から2年」となったことを受け、様々な国際会議がまずは開催されている。たとえばG7首脳はテレビ会議を行い、「ロシア軍の無条件での完全撤退」を要求した声明を発表したものの、国連総会ではウクライナ侵攻をめぐる「ロシア非難決議」の採択が行われなかった。そうしたなか、ゼレンスキー氏はウクライナを訪れた米上院民主党トップ、シューマー院内総務らと会談。「米国の支援がなければ戦争に敗北する」と改めて支援を要請したという。なお、それとは別にロイターは、亡くなったロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏の遺体が、死亡から9日目となる24日に「母親のリュドミラさんに引き渡された」と報じていたが、同時に「遺族が望むような形で葬儀を行うことを当局が認めるか不透明」と指摘していた。

対して後者は、中国証監会が「株式市場の信頼回復へ不正に厳罰を科す」方針を示したうえで、インサイダー取引や相場操縦をより厳しく取り締まり、規制の抜け穴をふさぐ考えを明らかにした。また習国家主席は、主要な経済政策機関、党中央財経委員会の会合を開き、製造業への支援と物流コストの引き下げについて議論したと伝えられている。それら政策で経済や金融市場が好転するのか動静に注目だ。一方、それとは別に、台湾に対する外国の干渉を「封じ込め」、台湾の正式独立に向けたいかなる取り組みにも「断固として対抗」する方針を改めて示していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

先週のドル/円相場は、週間を通してわずか1.08円レンジ(149.69-150.77円)。上値は重いが下値も堅いという状況下、明らかな膠着の様相を呈している。いずれにしても、まずは足もとを推移する150円台を中心としたレンジをしっかり放れることが出来るかが注視されていることに間違いはない。基本的なリスクはドル高方向だと思われるものの、ついに149円台まで達してきた移動平均の21日線を下回ると下方向も波乱含みか。
市場は依然として日米金融政策に注目。ただ、早期の日米金利差縮小は予想しにくいとの見方に変化はみられず、そこに着目すればドルはまだしばらく底堅い値動きを続けそうだが、おおむね織り込まれているようだ。次の材料待ちといった様相で、日経平均株価が高値更新をしたこともあり、NYダウなど欧米株価の動きを注視する向きがあるようだ。また、一部の米政府機関閉鎖が3月1日に迫っていることで、米政府資金の手当ても再び関心を集めているという。

テクニカルに見た場合、足もとのドル/円相場は膠着相場で方向性を欠いている。基本的なリスクはドル高方向に高そうだが、すでに仕切り直しとなっている感があり、ポジションの偏りなどもあり相場観は一旦ニュートラルに戻しておきたい。改めて指摘するまでもなくドルは底堅いものの、15日安値の149.53円や21日線などを下回ると、その限りではなさそうだ。

本日は米経済指標として、2月のダラス連銀製造業活動指数や1月の新築住宅販売件数が発表される予定となっている。もちろん数字次第だが、ここしばらく発表される米経済指標が相場の波乱要因となることも少なくないだけに、一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.90-150.80円。ドル高・円安方向は先週末高値150.77円が最初の抵抗。抜ければ150.88円が意識されるが、それでも上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、時間足ベースなどで再び底堅さを醸しつつある150円レベルをめぐる攻防にまずは注目。下回ると149.53円がターゲットに。

レンジ長期化でドル高見通しは一旦白紙に

ドル円日足



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