ドル円 上値重い状況に変化見られず
〇本日のドル円、150.10-15で寄り付き、積極的な動意はないが150.45レベルまで緩やかに値を上げる
〇ややドル高優勢だが基本はレンジ内、ドルの上値は依然として重い
〇今週発表される米FOMC議事録公開や米製造業PMIに注目が集まり、それまでは大きく動きにくいか
〇欧米時間の予想レンジは149.80-150.80、ドル高・円安方向は150.45レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、149.80-90をめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小高い。大きな値動きは観測されなかったが、それでも非常に緩やかな右肩上がりだった。
ドル/円は150.10-15円で寄り付いたのち、新規材料も乏しく積極的な動意が見送られるなか、緩やかな右肩上がり。途中、鈴木財務相から「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視する」との発言が聞かれたものの、効果は限定的だった。徐々に150.45円レベルまで値を上げ、16時現在ではそのまま高値圏を維持し、欧米市場を迎えている。
なお、先週末には38800円台まで達し、1989年につけた高値に迫った日経平均株価だが、その後は上げ渋り。本日も大引けベースでは続落し、小安いレベルで取引を終えた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「日本の金融政策」について。
前者は、週末に伝えられた「ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏が獄死した」ことが引き続き思惑を呼ぶ。ナワリヌイ氏の妻ユリヤさんは動画を投稿し、夫の遺志を引き継ぎ、自由への戦いを続けると表明するなか、ロシア当局は「遺体を14日間かけ検査する見通し」と公表し、神経剤「ノビチョク」の痕跡が体から消えるのを待っているなどといった非難も聞かれていた。まだまだ一波乱も二波乱もありそう。なお、西側諸国から発せられている暗殺説などについて、ロシアのペスコフ報道官は「西側の反応は不快」と強い不満を表明していたようだ。
対して後者は、本日東京時間に清水日銀理事から「マイナス金利を解除しても緩和的環境が当面続く」、「物価目標実現が見通せれば大規模緩和継続の是非検討」といった発言が聞かれていた。これまでの植田総裁らの発言を踏襲した内容で、とくに新味はなかったものの、市場では潜在的な円売り要因として認識する向きがあったようだ。やはり日米金利差という観点に着目すると、円を積極的には買いにくいと言わざるを得ない。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は、NY休場も影響したのか終日を通してわずか40ポイントにも満たない凪相場。150円挟みの一進一退に終始している。それを踏まえた本日東京はややドル高優勢となっているが、それでも基本はレンジ内。150円半ばにもとどいておらず、ドルの上値は依然として重い雰囲気だ。このあと仮に150.88円を超えていくにしても、そのスピードはかなりゆっくりとしたものにとどまる可能性がある。
市場は引き続き日米金融政策を注視するなか、短期的には発表される米経済指標や要人発言に一喜一憂する展開か。そうした意味では明日発表される米FOMCの議事録公開や22日の2月の米製造業PMI発表が注目を集めており、それまでは大きく動きにくいだろう。ただ、中東や台湾などにおける地政学リスクがさらに高まりつつあることが気掛かりで、状況次第では為替市場にとっても波乱要因に。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は短期的に149.50-150.70円といった1.2円ほどのレンジを形成しているようだ。ただし、基本的なリスクは上方向で、時間をかけつつレンジの上抜けとともに150.88円や151円を抜けていく展開が見込まれている。
とは言え、シカゴIMMの投機ポジション状況などを参考に円ショートの積み上がりを懸念、一時的なドル安進行を予想する向きもある。
本日は米経済指標として、1月の景気先行指数が発表される予定だが、材料そのものはやや少なめか。ただ、日本時間では明日の東京にずれ込む可能性もあるが、安保理がガザ即時停戦を求める決議案を採決する見込みとされ、その動静も注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.80-150.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値にあたる150.45円レベルが最初の抵抗。抜ければ150.88円が意識されそうだが、それでも上値は重いか。
対するドル安・円高方向は、先週末そして昨日とドルが下げ止まった149.80-90円をめぐる攻防にまずは注目。下回ると15日安値149.53円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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