NY休場もあり基本はドル強保ち合い
〇本日ドル円、高値圏でのレンジ相場、円安けん制発言もなく16時現在150円前後で推移
〇円安けん制、実弾介入に向けたスタンス見極め、しばらくは149円台などで底固めの値動きか
〇今週は米2月製造業PMI速報値発表、中国情勢や日本株の動きにも要注目
〇本日はNY休場で新規材料難、ウクライナやガザ情勢をめぐる動きには一応要注意
〇テクニカルにはドル高基調継続だが上値重く、下値も堅そうで2/15安値149.53で一旦下げ止まるか
〇ドル高・円安方向、東京高値にあたる150.25レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、短期チャートでは149.80レベルをめぐる攻防にまずは注目
〇予想レンジ:149.60-150.40
<< 東京市場の動き >>
週明け東京市場は揉み合い。150円挟みのレンジ取引で、方向性は乏しかった。
週末は、「ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏が獄死した」ことを受け、暗殺などを取り沙汰する声が高まると同時に、ロシアを非難するコメントが相次いでいた。一方、それとは別にミュンヘン安全保障会議の場で、中国外相が積極的な外交を行っていたとして話題に。
そうした状況下、ドル/円は150.10-15円で寄り付いたものの、基本はレンジ取引。149.85-150.25円といった40ポイント程度の狭いなかで一進一退をたどっている。なお、ドルは高値圏で推移となったが、ほぼ横這いで動意が乏しかったこともあってか、本日は目立った要人からの円安けん制発言はうかがえず。16時現在では150円前後で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、前述したように「ロシアの反体制派指導者ナワリヌイ氏が獄死した」ことが伝えられたが、あまりのタイミングの良さに暗殺などを取り沙汰する声が高まっていた。ただし、ロシア当局の公式見解は「突然死症候群」とされている。とは言え、遺体の所在が不明とされるなど、不可解な点も多く、ロシアの公式発表を鵜呑みにする向きはまだ少ない。そんななか、G7外相会議から、「死亡の経緯を明らかにし、反体制派への弾圧を停止する」よう求めた議長声明が発表されたほか、米国のバイデン大統領は「間違いなくプーチン氏の責任だ」と非難したうえで、対抗措置を示唆するコメントも発していた。
対して後者は、ドイツで行われたミュンヘン安全保障会議に出席した王外相が積極的な外交、二国間会談を行ったとして話題に。一例を挙げると米中、英中のほか中加や中ウ会談などが開催されたという。そうしたなか、王外相はブリンケン米国務長官に、「『台湾独立』を支持しないという態度を確実に実行すべき」と直接伝達したほか、実施した先の安保会議の演説で、習政権が目指す台湾統一について「必ず実現する」と発言し物議を醸していたようだ。また、それとは別の話だが、中国海警局は中国漁船が転覆して2人が死亡した台湾が実効支配する金門島の周辺で、「秩序維持のため」巡視活動を強化すると公表していた。今後の動静に要注意かもしれない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、先週13日に150.88円の高値を示現後、ドルが上げ渋る展開。しかし、下値もかなり堅そうで149円後半からは買い遅れ筋のビッドなども厚い状況だ。基本的なドル高リスクを内包しつつ、日本当局の円安けん制、さらに実弾介入に向けたスタンスを見極めたいとの向きも多い。しばらくは149円台などで、時間調整ともいえる底堅めの値動きをたどりそうだ。
今週も引き続き発表される米経済指標や要人発言に一喜一憂する展開か。前者については22日に発表される2月の製造業PMI速報値が注視されており、予想値から乖離すれば今回も相場の波乱要因となりかねない。また、それとともに関心が高いのは中国情勢と、本日最高値更新は叶わなかった日経平均株価の動き。日本株については、海外勢の為替ヘッジにともなう円売りなど、需給要因と絡めて警戒している向きもある。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は引き続きドル高基調にあるとみられるものの、上値は重く上げ渋り。先週高値150.88円あるいは151円を超えていけば、151.92円が名実ともに視界内に捉えられそうだが、そう簡単に到達するとも思われない。
むしろ、シカゴIMMの投機ポジション状況などを参考に円ショートの積み上がりを懸念する声もあるが、それでも下値は堅そうだ。15日安値149.53円では取り敢えず下げ止まる公算が大きいと見込まれている。
本日はプレジデンツデーの祝日のため米金融市場が休場となるうえ、経済指標の発表なども予定されていない。そうした意味では新規材料難。動きにくそうな雰囲気だ。ただウクライナやガザ情勢をめぐる動きには一応要注意かもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.60-150.40円。ドル高・円安方向は東京高値にあたる150.25円レベルが最初の抵抗。抜ければ150.65円、そして150.88円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期チャートでは本日東京安値も近い149.80円レベルをめぐる攻防にまずは注目。下回ると149.53円がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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