ドル円:11月28日からの先週
ドル円は、米利上げ期待でドル高地合い継続の週でした。
30日のOPEC総会への警戒感からリスク・オフの円買いで111.36まで下落した後、OPEC総会ではまさかの減産合意となり、リスク・オンのドル高となり114.82まで上昇しました。
11月28日は、東京時間早朝は先週引けの113.06からギャップダウンの112.75ではじまり、そのままドル売りの勢いが強く28日安値の111.36まで売られました。背景は今月末開催のOPEC総会での減産合意への不透明感から原油安となり、日経平均株価も下落一時158円安、米国10年債利回りが2.34%台から2.31%台まで低下で、ドル売り・円買いが強まったためです。
海外時間に入り株価も持ち直し112.80付近まで反発した後、、111.95で引けました。
11月29日は、昨日引けの111.94ではじまり、直後に111.61まで下押ししましたが、昨日の安値111.35を下抜けられなかったことで、
一時113.34まで上昇後、112.27へ反落し112.39で引けました。今日の行って来いの動きには、さして大きなニュースがあったわけでもなのですが、安値・高値ともに徐々にレートを切り上げてきていました。
11月30日は、OPEC総会で減産が合意され、原油高・株高が進行、市場はリスク・オンの買い優勢になりました。
米長期金利が2.28%台から2.31%台へ大幅上昇で、一時114.54まで上伸し114.45で引けました。1日でみると東京朝方の112.05から114.54までの上昇でおよそ2.50もの円安でした。
1日は、前日の引け114.45で始まり、直後に一時1日の高値の114.82と2月16日以来の高値を更新。 昨日のOPEC減産合意で、原油高、欧米株高、米長期金利上昇、それでドル買い・円売りの流れが継続。しかし、日経平均株価が一時437円高なるも、その後その204円高まで縮小でいて引け、ドル売り・円買いになり113.83まで下落して114.11で引けました。
2日は、11月米雇用統計の発表後、荒い値動きでした。
前日引けの114.09で始まり、発表前東京時間は2日高値114.20から一時113.58まで下落した後、再び114絡みに戻して推移。
11月米雇用統計は失業率が4.6%と市場予想の4.9%より強かった一方で、非農業部門雇用者数が前月比17万8000人増と予想の前月比18万人増を下回り、平均時給も前月比0.1%減と予想の前月比0.2%増に反して減少で、発表直後は米長期金利の低下につれて113.42と本日安値を更新。引けにかけても戻りは鈍く113.53で引けました。
ドル円:12月5 日からの今週
ポイント:1.週明けイタリアでの国民投票の結果が明らかになるため要注意。
2.FOMCの利上げ観測背景にドル買い優勢の中、FOMCの追加利上げは織り込み済み、焦点は2017年の利上げ時期
CME通貨先物ポジション状況:11月29日時点
(11月29日) (11月22日) (11月15日)
円 ▲269 10900 20676
ユーロ ▲119240 ▲119348 ▲119182
ポンド ▲78135 ▲74318 ▲80313
シカゴIMM: 短期投機・投資家による円のネットポジションは、年初来で初めて売り持ちに転じました。一段の円の下落はより緩やかなペースになる可能性があります。
これまでのネット円い持ち最高水準は、2008年3月25日 +65,920、2004年2月6日 +64499、
過去最高ネット円売り持ち高は、2007年6月26日 -188,077
シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
14.12←14.07 VIX指数は上昇しての引け。前営業日終値を挟んでの推移で、方向感の見えにくい展開となった。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39
反対に「可決」となれば、リスク・オンへと作用するでしょう。材料出尽くしともなり、円安・株高の再開やユーロ買戻しとなるでしょう。同時に否決となっても短期的な市場混乱の後、ECB等の政策対応が期待されたり、改めてドルへの資金集中によるドル高となる展開も予想されます。
続いて週明けからは、米FRB幹部(ダドリーNY、エバンズCHI、ブラードSTL各連銀)による講演が相次ぎます。先週末の米雇用統計などを踏まえ、改めて12月米利上げの可能性が示唆されるとドルが下支えさますが、12月米利上げについては、すでにほぼ織り込み済です。今後は来年以降の利上げペースが焦点となっていて、市場予想以上の利上げ回数が意識されてくると、先行き一段のドルの先高余地が広がっていく流れです。
オーダー/ポジション状況
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