ドル高基調継続するも介入警戒で上値は重い
〇東京市場のドル円、寄付き150.80前後を日中高値に小安い。150.40レベルまで小幅に弱含む局面も
〇神田財務官からは「強め」の円安けん制発言。ドルの上昇スピードは非常に緩やかになるか
〇年初来安値から上昇幅10円超え、150円しっかり下回ると149円前半ターゲット。1円強の深押しも
〇ドル高円安方向、昨日高値150.88が最初の抵抗。抜ければ151円台乗せ、そして151.92なども視界内
〇ドル安円高方向、150円レベル巡る攻防に注目。一時的に下回っても基本的にドルは底堅く推移か
〇欧米時間のドル円予想レンジ、149.80-150.90
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小安い。早朝から円安けん制発言が聞かれるなか、調整と思しきドル売りに押されている。
ドル/円は寄り付いた150.80円前後を日中高値にドルは小安い。大きく崩れることはなく下値も堅かったが、それでも150.40円レベルまで小幅に弱含む局面も観測されていた。利益確定売りに加え、久しぶりの150円台ということで実需筋による売りも散発的に観測されていたもようだ。16時現在、150.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、前日終値ベースでも1000円以上の上昇を記録した日経平均株価も冴えない。260円安と反落して大引けた。
一方、材料的に注視されていたものは「円安けん制発言」と「米政治情勢」について。
前者は、注目されていた1月の米消費者物価が予想を上回る伸びを示し、米早期利下げ観測がさらに遠のいた。それもあり、ドル/円は150円を超え150.88円まで1円を超える上昇を達成したわけだが、「ドル/円相場の変動が急激すぎる」として本日早朝から、神田財務官による「強め」の円安けん制発言が相次いでいた。一例を挙げると、「投機的な動きはいかがなものか」、「特定の為替水準を考えて行動していない」、「24時間365日対応できる準備を整えている」などとなり、またそれに続き鈴木財務相からも「強い緊張感をもって相場を注視している」との発言が聞かれていた。
対して後者は、とくに興味深い要因が2つ観測され思惑を呼んでいた。ひとつは、ロイターがイプソスとの合同調査の結果として、「米大統領選挙でバイデン大統領とトランプ前大統領の対戦となった場合は接戦となる可能性が依然として高い」と報じたこと。実際、支持率はトランプ氏が37%でバイデン氏は34%。引き続きトランプ氏有利ながら、差は前月から3ポイント縮んだという。一方、それとは別に米上院において、遅れていたウクライナなどへ対する950億ドルの支援法案が承認されていた。ただ、このあと審議される米下院を通過するのは難しいとの見方が有力視されており、動静に注目だ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、3週間程度接近するも超えられなかった「149円の壁」を超えたのち、もう少し手こずるかと思っていた150円の壁も一気に超えてきた。以降、本日東京時間も150円を一度も割ることなく推移している。リスクは間違いなくドル高ながら、ここから先は牛歩でドルの上昇スピードも非常に緩やかか。ただ、昨年11月高値の151.92円などが視界内には捉えられており、それに向けた動きが基本的には続きそう。
市場では昨日発表された米消費者物価を「衝撃の数字」と捉える向きが多く、早期利下げ期待が遠のいたばかりか、場合によっては「再利上げに動く」可能性すら一部で取り沙汰されていたほどだ。このあとも発表される米経済指標や要人発言などに一喜一憂する展開は続きそうだが、それでも日本当局の円買い介入などが観測されなければ、ドルの大崩れは予想しにくい。このあとも底堅い値動きをたどりそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は強い米消費者物価もあり、ついに150円台を回復。リスクはドル高方向に高いものの、年初来安値からでも上昇幅は10円を超えており、本格的な調整への懸念も根強い。下がったら、そのスピードも速いということだけは、頭に入れておいて損はない。目先的にも昨日150円台を回復後、一度も下回っていない150円をしっかり下回るとターゲットは149円前半。1円強という深押しが入っても不思議はないだろう。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数が発表される予定ながら、正直注目度はそれほど高くない。ただ、それでも欧米要人の講演などが幾つか予定されているだけに、そちらには一応要注意かもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.80-150.90円。ドル高・円安方向は昨日高値にあたる150.88円が最初の抵抗。抜ければ151円台乗せ、そして151.92円なども視界内に。
対するドル安・円高方向は、150円レベルをめぐる攻防に注目。ただ一時的に下回っても基本的にドルは底堅く推移か。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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