年初来高値へ接近、ドル続伸期待も
〇本日ドル円、ドル売り先行後は右肩上がりの展開、148.70-75で推移して欧米市場を迎える
〇昨日NY時間の米当局者発言、利下げ実施の緊急性ないという見解、3月会合で利下げの可能性低下
〇本日東京時間の日銀関係者発言、ハト派的姿勢に市場は失望感も
〇日米金利差の早期縮小は予想しにくく、基本的にドルは底堅い値動きを辿りそう
〇フィボナッチでは149.15-20がテクニカルポイント、調整の動きが強まれば下落も早いか
〇本日は米新規失業保険申請件数、12月卸売売上高、米財務長官証言に要注目
〇予想レンジは148.00-149.20、ドル高・円安方向は前回高値148.89が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日上抜けてきた昨日高値148.26などの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが強含み。夕方には過去3週間ほど上値を抑制している148円後半、148.80-90円に接近する局面も観測されていた。
ドル/円は148.15-20円で寄り付いたのち、当初はドル売りが先行し一時148円割れ。しかし切り返すと、徐々に右肩上がり展開に。日経平均株価が終値ベースでバブル崩壊後最高値を更新するなか、ドル/円は148.75円近くまで値を上げる局面も。16時現在でもドルはそのまま高値圏、148.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「日本の金融政策」について。
前者は、昨7日のNY時間にはクーグラーFRB理事やボストン連銀総裁など、米通貨当局者4氏から米金融政策についての発言が聞かれたが、こぞって「利下げを実施する緊急性はない」といった見解だった。たとえば、ボストン連銀のコリンズ総裁は「利下げを検討にはさらなる証拠が必要」、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「利下げの前にデータを見極める時間が必要」などと述べたようだ。それら発言を受け、ブルームバーグでは「3月FOMC会合で利下げが決まる可能性は低くなった」と改めて指摘している。
対して後者は、本日東京時間に2人の日銀関係者から日本の金融政策に関する発言が聞かれていた。具体的には、清水理事から「マイナス金利を解除しても緩和的な環境が続く」、「政策修正は経済・物価・金融情勢次第」、内田副総裁からは「仮にマイナス金利を解除しても、どんどん利上げするパスは考えにくい」−−といったコメントが発せられていたという。市場ではもう少しタカ派なコメントを期待していた向きが多く、その後の為替の動きなどを見ると失望を抱く向きもあったようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場の基本的なリスクはドル高方向に高いものの、依然として上値は重い。5日に直近高値を更新したとはいえ、149円にもとどかず150円はやはり近くて遠い存在という気がしている。しかしながら、本日東京時間にドルはじり高推移。夕方には148.70円台まで値を上げてきたが、果たして149円乗せそして150円をうかがう展開がありうるのか注目したい。なお、これまでの経緯を勘案するとさらなるドル高進行局面では、本邦要人からの口先介入などが発せられる可能性もある。
1月末に目先の日米金融政策が発表されたばかりだが、すでに市場は次に目を向けている。そして、発表される米経済指標や要人発言などを受け、マーケットは一喜一憂を繰り返している感があるが、前述したように直近の日米要人発言を聞く限り、日米金利差が「早期」に縮小することは予想しにくい。このあとも思惑が交錯し、一喜一憂する展開は続きそうだが、基本的にドルは底堅い値動きをたどるとの見方が有力だ。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は本日東京で148.70円台まで上昇。過去3週間ほど接近するも超えられていない「149円の壁」をめぐる攻防に注目だ。なお、以前から何度もレポートしているように、フィボナッチでは149.15-20円がテクニカルポイントになる。
基本的なリスクはドル高方向ながら、ここ最近はドル高値追いが続いており、ポジションが少しずつ偏り始めているだけに調整の動きが強まれば下落も早いといった弱気派からの警告も聞かれていた。
本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や12月卸売売上高などが発表されるうえ、イエレン米財務長官が上院銀行委員会で証言を実施する見込みだ。場合によっては波乱含みか。また、昨日の10年債に続き実施される米30年債入札にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.00-149.20円。ドル高・円安方向は前回高値148.89円が最初の抵抗。抜ければいよいよ149円台乗せか。フィボナッチポイントを目指す。
対するドル安・円高方向は、本日上抜けてきた昨日高値148.26円などの攻防にまずは注目。下回ると東京安値147.95円レベルがターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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