ドル円148円台で一時円売り強まる、日銀内田副総裁の講演受け
8日午前の東京市場でドル円はもみ合い後に小幅上昇。朝方148.18レベルで取引の始まったドル円は、序盤は弱含み、148円を挟んでもみ合う状況となりました。しかし、日銀内田副総裁の奈良県金融経済懇談会における挨拶の内容が伝わり、経済の先行きについて楽観的な見通しを示しつつも、「マイナス金利を解除してもその後にどんどん利上げしていくようなパスは考えにくい」「YCC修正後も前後で国債買い入れ額が不連続に変化したり、急激に金利が上昇したりしないよう丁寧に対応したい」などと政策修正後も緩和的な政策を継続することを強調する内容が確認されると、市場はこれをハト派的ととらえ、ドル円は一時148.40まで急上昇。その後はやや戻し、東京時間正午現在は148.34で取引されています。
日経平均株価は、昨晩米市場で主要株価指数が上昇した流れを受け買いが先行。傘下のアーム株が好業績で急騰したソフトバンクグループや、半導体銘柄が買われた他、上記の内田副総裁挨拶文の緩和継続姿勢も好感され、前場終盤にかけ上げが加速し、618円の大幅高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場ではFRB関係者の発言に一喜一憂する形で米長期金利が上下動。ドル円は深夜にかけ147.63まで下げる場面もありましたが、終盤米長期金利が反発したことで148円台を回復し、148.18で取引を終えています。
テクニカルにはドル円は、昨日21日移動平均線(本日147.50付近を上昇中)が90日移動平均線(本日147.30付近)をゴールデンクロスし、ドル買い地合いが強まっています。
午前中は、前回の講演内容を踏まえ、内田日銀副総裁が金融政策正常化を急ぐ姿勢を示すことが市場で警戒されていた中で、ややハト派姿勢を強調した形の講演内容に円売りが強まりましたが、午後には同氏への記者会見が予定されており、その内容に再び注目が集まります。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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