ドル円 ドル上値は重いか、米当局者発言に要注意(2/7夕)

東京市場は横這い推移。形成レンジはわずか30ポイント強で、方向性はほぼうかがえなかった。

ドル円 ドル上値は重いか、米当局者発言に要注意(2/7夕)

ドル上値は重いか、米当局者発言に要注意

〇東京時間のドル円、147円後半を中心とした一進一退
〇基本的リスクはドル高方向だが、年初来安値から8円超える上昇で当局円高牽制警戒感もあり、上値重い
〇NY時間の米通貨当局者の講演や、米長期金利に影響のある米10年債の入札に注目
〇ドル高円安方向、東京で超えられなかった148.20-30が最初の抵抗。抜ければ高値148.89が再び視界内
〇ドル安円高方向、東京安値147.70-75の攻防に注目。底堅いが21日・90日MA下回ると下値も波乱含み
〇欧米時間のドル円予想レンジ、147.20-148.30

<< 東京市場の動き >>

東京市場は横這い推移。形成レンジはわずか30ポイント強で、方向性はほぼうかがえなかった。

ドル/円は、147.95円レベルで寄り付いたものの、その後も積極的な動意は手控えられている。日経平均株価が一時300円を超える下落をたどったことで、為替市場でも材料視されると思われたが、のちに下げ幅を急縮小させたため結果的に影響は限定的だった。16時現在では148.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、早朝に発表された失業率などを好感し、NZドルが対円などで小高く推移している。89円台で推移していたものが、一時90.40円レベルへ上伸した。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「米金融政策」について。
前者は、当局である中国証監会などから力業とも言える株価対策や方針が相次ぎ聞かれていた。「空売り規制強化の一環として、株券転貸を抑制する」と公式発表されたことに続き、ロイターは「一部のヘッジファンドによる株式売却を制限していることがわかった」と伝えている。それもあり本日の上海総合指数は続伸、強含みに推移したが、そもそもの株安に繋がっていた根本的な要因の解決には至っていないとの見方が有力だ。したがって、足もとのような株高の継続性に疑問を抱く向きも少なくない。なお、中国側は6日に開催された米中が行っている経済協議において米国の関税、投資制限、中国企業を「抑圧」するための制裁について懸念を表明したことを明らかにしている。

対して後者は、クリーブランド連銀総裁が講演で「米経済が予想通りに推移すれば、利下げへの道が開かれる可能性がある」と述べたものの、反面で「利下げを急ぐ必要はない」、「インフレ率が目標を上回る水準にとどまれば、制約的なスタンスが長く維持される」とも発言した。また、ミネアポリス連銀総裁も「インフレに関して大きな進展を遂げた」としつつ、「最終地点にはまだ達していない」とコメント。ほぼ予想の範囲内ではあるものの、それでも強気の内容だったとの声もあるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は週明け5日に148.89円まで上昇し年初来高値を更新したものの、その後はやや冴えず。本日東京時間も147円後半を中心とした一進一退をたどっている。基本的なリスクはドル高方向で間違いないが、年初来安値からと考えてもすでに8円を超える上昇をたどっているうえ、当局の円高けん制警戒感などもあり、上値もかなり重くなってきた。150円はやはり近くて遠い存在か。
発表される米経済指標や要人発言を受け、市場筋の見方も二転三転している米金融政策だが、少なくとも早期利下げ期待が後退し、「早くても5月」といった見方が現段階では有力か。ただ、昨日に続き本日のNY時間の米通貨当局者の講演など発言機会が多く、その内容次第ではまたもや市場筋の見方に変化を及ぼしそうだ。一方、それとは別に米長期金利に直接的な影響を与えかねないという意味では、実施される米10年債の入札にも一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨日ドルが小反落。本日東京時間も147円台でやや冴えない。しかし、147.20-40円には移動平均の21日線と90日線が連続して位置しており、取り敢えずは底堅そう。少なくとも、NYクローズベースでしっかり下回るのは難しいか。とは言え、仮に下回った場合には時間を掛けつつ147円そして146円割れも。1日安値145.90円が再び視界内に。
本日は米経済指標として、12月の貿易収支などが発表されるうえ、本日はボウマンFRB理事をはじめ、米通貨当局者の講演など発言機会が非常に多い。前述したように、昨日聞かれた米地区連銀総裁発言は強気の内容だっただけに、整合性という意味も含めて注視している向きも多いようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.20-148.30円。ドル高・円安方向は本日東京でも超えられなかった148.20-30円が最初の抵抗。抜ければ高値148.89円が再び視界内に入ってくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の147.70-75円の攻防にまずは注目。底堅いイメージだが、21日線や90日線を下回ると下値も波乱含みに。

ドル上値は重いか、米当局者発言に要注意

ドル円日足


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