ドル円 金利差縮小せず、米雇用統計に関心移行か(2/1夕)

東京市場はレンジ内で一進一退。146円台後半を中心とした揉み合いで、方向性は乏しかった。

ドル円 金利差縮小せず、米雇用統計に関心移行か(2/1夕)

金利差縮小せず、米雇用統計に関心移行か

〇本日ドル円、146.45-147.10のレンジ取引で積極的な動意に欠ける
〇FOMC、声明は将来的な利下げ期待が高まる内容、議長会見で早期利下げ期待が一気に萎む結果に
〇主要日米欧諸国の金融政策発表を終え、日米金利差の観点からは積極的な円買いは目先予想しにくい
〇本日は米新規失業保険申請件数、1月ISM製造業景況指数等、週末は米雇用統計発表に注目
〇テクニカルには、NYクローズレベルで21日移動平均線を大きく下回れるか否か注視
〇予想レンジは146.40-147.60、ドル高・円安方向は本日東京高値147.10レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値146円半ばの攻防にまず注目

<< 東京市場の動き >>

東京市場はレンジ内で一進一退。146円台後半を中心とした揉み合いで、方向性は乏しかった。

ドル/円は、146.90-95円で寄り付いたものの積極的な動意に欠ける。前日に注目の米FOMCを終え、市場はすでに次の材料、週末の米雇用統計発表に移行した模様。146.45-147.10円といったレンジ取引をたどるなか、16時現在では146.85-90円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「中東情勢」について。
前者は、注視されていた米FOMCの結果が発表され、現行金利は4会合連続の「据え置き」に。そうしたなか、発表された声明においてインフレ懸念に関する文言が和らいだうえ、金利引き上げの可能性をめぐる言及が削除され、将来的な利下げ期待が高まる内容となっていた。しかし、パウエル議長は終了後の記者会見で、インフレとの闘いは終わっていないと発言。さらに、「3月利下げはもっとも可能性の高いケース、ないし基本シナリオと呼ばれるものでは恐らくない」と述べたことで、膨らんでいた早期利下げ期待が一気に萎む結果に転じた様相だ。なお、ブルームバーグによると米国の金融大手ゴールドマンサックスは、上記のような内容を踏まえ、FRBの利下げ開始時期見通しを「3月から5月に変更した」という。

対して後者は、米政府当局者が、ブリンケン国務長官は数日中に中東を訪問すると発表していた。昨年10月7日に起きたパレスチナのイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲以降、中東地域への訪問はこれで5回目。如何に米国が中東情勢に懸念を抱いていることの証左と言えるかもしれない。一方、国連安保理は、国際司法裁判所(ICJ)が1月26日にイスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう命じたことを受け、緊急の公開会合を開催。日本を含む各理事国からICJの命令順守を求める意見が相次いだが、イスラエルからは反発の声が挙がったという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、昨日ザラ場ベースで直近安値を更新。過去2週間ほど維持してきた146.65円を下回った。NYクローズでは多少持ち直したが、ややドル安方向のリスクを感じる足形だ。移動平均では147円半ばに位置する90日線に上値を抑制されると同時に、146円半ばの21日線をしっかり下回ってくるようだと、ドルの続落リスクが高まることになりかねない。取り敢えずは調整の範囲内だが、さらなる下押しにも一応要注意だ。
関心を集めていた主要日米欧諸国の金融政策がすべて発表された。事前予想のとおり、日米金利差は縮小せず、さらに今後についても縮小観測が後ズレ、あるいは縮小ペースの鈍さが見込まれているようだ。したがって金利差の観点からすれば、為替市場において少なくとも積極的な円買いは目先予想しにくいとも考えられる。いずれにしても、まずは発表される米経済指標の内容に要注意。しばらくは、米指標内容に一喜一憂する展開か。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は過去2週間程度形成していたレンジ下限の146.65を一時底割れ。しかし、NYクローズでは元のレンジに回帰しており、しっかり割り込んだとは言えない状況だ。つまり、「レンジを下方向に拡大させただけ」であるのかもしれない。ザラ場ベースの動きもさることながら、NYクローズレベルで21日線を大きく下回れるか否かもテクニカル面では注視されているようだ。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や1月のISM製造業景況指数などが発表される予定となっている。週末の米雇用統計発表に関心が移行するなか、昨日発表されたADP雇用統計は予想よりかなり悪かっただけに、本日も雇用データの内容をとくに警戒する向きが多く注意を払いたい。

金利差縮小せず、米雇用統計に関心移行か

ドル円日足


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