ドル円、米長期金利の急低下を背景に一時145円台後半へと急反落。本日は米雇用統計に注目(2/2朝)

1日(木)のドル円相場は冴えない動き。

ドル円、米長期金利の急低下を背景に一時145円台後半へと急反落。本日は米雇用統計に注目(2/2朝)

米長期金利の急低下を背景に一時145円台後半へと急反落。本日は米雇用統計に注目

〇ドル円、米国時間朝方にかけて安値145.90まで急落
〇米新規失業保険申請件数、米4Q単位労働コスト速報値の不冴えと米長期金利の急低下等が背景
〇売り一巡後はISM製造業景気指数の好結果や主要株価指数の堅調に146円台半ばに戻す
〇ユーロドル、欧州圏の指標好調、米金利低下等に米国時間午後に高値1.0875まで急伸
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも継続、地合い維持
〇ファンダメンタルズも日米金利差に着目したドル買い・円売りの継続がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの早期再開をメインシナリオとして予想
〇本日は米1月雇用統計に注目が集まる、米国時間のボラティリティ要注意
〇本日の予想レンジ:145.75ー147.50

海外時間のレビュー

1日(木)のドル円相場は冴えない動き。(1)米FOMC声明文への「2%の物価目標達成に向けてより確かな自信を得るまで利下げは適切ではない」との文言追加や、(2)パウエルFRB議長による「適切であれば金利を長期間維持する用意がある」「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」との早期利下げに慎重な発言が支援材料となり、アジア時間早朝にかけて、高値147.45まで上昇しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)日経平均株価の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)や、(4)米新規失業保険申請件数(結果22.4万件、予想20.9万件)の予想比悪化、(5)米10ー12月期単位労働コスト速報値(結果+0.5%、予想+1.2%)の市場予想を下回る結果、(6)米長期金利の急低下(米2年債利回りは1/12以来の低水準となる4.15%へ急低下。米10年債利回りは昨年12/28以来の低水準となる3.81%へ急低下)、(7)米地銀ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ株の大幅下落(リスク回避の円買い圧力)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値145.90まで急落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(8)米1月ISM製造業景況指数(結果49.1、予想47.0)の良好な結果や、(9)米長期金利の低下幅縮小、(10)米主要株価指数の底堅い動きが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/2午前6時25分現在)では、146.41前後まで持ち直す動きとなっております。

1日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0780まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ドイツ1月製造業PMI確報値(結果45.5、予想45.4)の市場予想を上回る結果や、(2)ユーロ圏1月消費者物価指数速報値(結果+2.8%、予想+2.7%)の市場予想を上回る結果、(3)ユーロ圏1月コア消費者物価指数速報値(結果+3.3%、予想+3.2%)の市場予想を上回る結果、(4)米経済指標の冴えない結果(米新規失業保険申請件数の予想比悪化+米10ー12月期単位労働コスト速報値の市場予想を下回る結果)、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0875まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/2午前6時25分現在)では、1.0870前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は1/19に記録した年初来高値148.82をトップに反落に転じると、昨日は一時145.90まで下落しました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいること(昨日も終値ベースで一目均衡表雲上限がサポートとして機能)や、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「EMAベースでの強気のパーフェクトオーダー」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは崩れていない(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目)と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(植田日銀総裁は1/23に「マイナス金利解除しても極めて緩和的な環境が続く」と発言。パウエルFRB議長は1/31に「適切であれば金利を長期間維持する用意がある」「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」と発言)や、それに伴う円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売りの継続)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

特に3月FOMCでの25bp利下げは依然として37.5%も織り込まれているため、ここから3/20に向かっては、織り込み度合の剥落を通じて、米金利上昇→ドル買いの流れが強まるものと推察されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの早期再開をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米1月雇用統計(22:30)に注目が集まります(市場予想を上回る場合には、米金利上昇→米ドル買いの経路でドル円が心理的節目147円や148円を突破する可能性あり→米国時間朝方のボラティリティ拡大に要注意)。

本日の予想レンジ:145.75ー147.50

注:ポイント要約は編集部

米長期金利の急低下を背景に一時145円台後半へと急反落。本日は米雇用統計に注目

ドル円日足

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