日銀会合を受けて荒れ模様、予断許さず
〇本日のドル円、一時148円半ばへ上昇するも続かず、徐々に値を崩し148円を割り込み147円ワンタッチ
〇日銀は金融政策の現状維持を発表、その後の総裁会見発言が東京終盤の円急伸の一因に
〇ドル円の基本的なリスクは引き続きドル高と思われるが、本日は1円を超える大きな下押しが入る展開
〇流れそのものは変わっておらず調整の範囲内か、146.80レベルを割り込むとトレンド転換の可能性も
〇予想レンジは147.10-148.30、ドル高・円安方向は心理抵抗でもある148円が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、147円レベルが最初のサポート
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが弱含み。一時ドル高が進行するも、そのレベルを維持できず終盤は売りに押されていた。
ドル/円は148.10円前後で寄り付いたものの、通常昼ごろに発表される日銀会合の結果発表待ちで当初は小動き。そうしたなか、日銀が昼過ぎに「金融政策の現状維持」を発表。ドルも一時148円半ばまで吹き上がったが続かず。徐々に値を崩す展開で148円を割り込んだにとどまらず最終盤には147円ワンタッチも。16時現在では147.15円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、2日間の日程で開催された会合の結果として、日銀が「金融政策の現状維持」を本日発表している。これそのものは予想通りの結果ながら、金融政策のフォワードガイダンスにも変更はなく、こちらについてはやや意外感を抱く向きもあった。ただ、そののち植田総裁は会見で「目標見通せれば、マイナス金利含む緩和策の継続の是非を検討」などと発言。特筆するほど目新しい発言だとも思われないが、市場では政策修正期待を抱く向きもあり、東京終盤の円急伸の一因に。
対して後者は、中国の上海総合指数が昨22日に5年ぶりの安値を示現。それを受けて、李首相が議長を務める閣議が「市場の信認を支えるためにより強力で効果的な措置を講じるとの方針を示した」−−と中国国営メディアを通じて伝えられている。またブルームバーグが本日になり、「中国が株式市場の下支えを検討、2兆元(約2780億ドル)規模」などと報道。そのため本23日の上海総合指数など中国株価は全般的に底堅いものの、それほど積極的に買われている雰囲気でもなく嫌なムードは払拭し切れなかった。
<< 欧米市場の見通し >>
基本的なリスクは引き続きドル高方向に高いと見ているが、ドル/円相場は本日東京の最終盤に1円を超えるなかなか大きな下押しが入る展開だった。一時147円割れをワンタッチしたほか、本稿執筆時では移動平均の90日線(147円半ば)を下回っての推移となっている。ちなみに、このままドルが続落した場合の下値メドは146.80円レベル。対して、このあとドルが再び買われたとしても、上値はかなり重いだろう。いずれにしても、余韻ともいえる荒っぽい変動に要注意だ。
まだ完全に消化し切ったわけではなく、このあと海外勢が日銀会合結果ならびに植田総裁発言をどう解釈するのかにまずは注目だ。日経新聞などの一部メディアが「早期修正」期待を折につけ煽っているが、結果として外し続けており、次回会合以降についても果たしてどうか。そうしたなか、市場の関心は日本から欧州や米国の金融政策へと移行しつつあり、25日に予定されているECB理事会を注視している向きも多いようだ。あわせてしばらくはユーロの動きにも注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は昨年末140.26円を起点に8円以上も大きな調整らしい動きがないなか、本日東京で久しぶりに1円を超えるドル安進行。ただ、流れそのものは変わっておらず、まだ調整の範囲内といった見方が有力か。経験則からすれば、少なくとも目先高値から2円を超える下げが必要と言えるだろう。したがって、フィボナッチポイントにも合致する146.80円レベルを割り込んできた場合には、トレンド転換を疑う必要が出てきそうだ。
本日は米経済指標として、1月のリッチモンド連銀製造業指数が発表されるものの、材料は昨日に続きそれほど多くない。FOMC前のいわゆるブラックアウト期間入りで通貨当局者からの発言も期待出来ず、手掛かり材料難の状態が続くといった声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.10-148.30円。ドル高・円安方向は心理抵抗でもある148円が最初の抵抗。抜ければ前回高値148.80円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値にあたる147円レベルが最初のサポートで、割り込むと重要とされる146.80円をめぐる攻防に注目だ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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