戻り高値更新、基調は強くドル続伸期待も
〇ドル円、148.10-15で寄り付き一時148円を割り込むも、夕方には148.80レベルへ上昇
〇早くもドル高の動きが再燃した感、次のターゲットは149.15-20、超えると150円台乗せの可能性も
〇来週は日銀の金融政策決定会合、大規模な緩和スタンスを変化させると予想する向きはほとんどない
〇さらなるドルの上昇も否定できないが、急ピッチであるため一時的な下押しにも一応要注意
〇予想レンジは147.70-148.90、ドル高・円安方向は本日東京高値の148.80レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、東京安値にあたる147.95レベルをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが再上昇。夕方には148.80円レベルまで上昇し、直近の戻り高値を更新している。
ドル/円は148.10-15円で寄り付いたのち、しばらくは冴えない。一時148円を割り込む局面も観測されている。しかし、ジワリとドルが買われ始めると、夕方にかけてドルは一段高の様相に。途中、久しぶりに鈴木財務相から口先介入と思しき発言も聞かれたが効果は限られ、結局日中安値から1円近い上昇をたどると148.80円レベルへと達していた。16時現在でも、ドルはそのまま日中高値圏で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米つなぎ予算」と「米金融政策など」について。
前者は、政府機関の一部閉鎖などが予想されたことで、ドル高の足かせ要因になりかねないとして懸念されていた米つなぎ予算だが、米上院に次いで同下院も賛成多数で現地時間18日に可決した。19日に暴風雪が予想されたことで採決が早まったと伝えられている。いずれにしても、これを受け3月までの政府資金が手当てされ、懸念はしばらく遠のいた感を否めない。不安感の後退が、本日東京時間におけるドル高進行の一助になっていた面もありそうだ。
対して後者は、発表された米経済指標は好悪混在ながらも、週間ベースの新規失業保険申請件数が改善したことを市場は好感。またアトランタ連銀総裁から3月の利下げはないことを示唆した発言、「私の見通しは7-9月のどこかで最初の利下げを行うというもの」が聞かれ、こちらもドル高を支援していたという。ちなみに、同総裁は今年のFOMCにおける投票権を保有しており、ほかの地区連銀総裁より発言に重みを感じる参加者も多い。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、早くもドル高の動きが再燃した感があり、実際本日東京時間には148.80円レベルまで値を上げて戻り高値を更新してきた。以前にもレポートしたように、高値151.92円を起点とした下げ幅のフィボナッチでいうと、61.8%戻しも上抜けており次のターゲットは76.4%戻しの149.15-20円か。そして、同レベルも超えるといよいよ150円台乗せも否定できないだろう。
先でも取り上げたように、米早期利下げシナリオはさらに後退している感があるなか、周知のように日銀は来週22-23日に金融政策決定会合を行い、23日にその結果を公表する予定となっている。しかし、これまでの「大規模な緩和スタンス」を変化させると予想する向きはほとんどない。日米金利差の観点からすると、引き続きドルは対円で底堅く推移する見込みだ。懸念されていた週末からの米政府機関閉鎖の解消や中東における地政学リスクの高まりなども引き続きドル買いに寄与しそう。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は本日東京時間に148.80円台まで値を上げ、昨年11月28日以来の高値を示現。リスクは引き続きドル高方向に高く、フィボナッチポイントの149.15円を超えれば150円がターゲットに。さらなるドルの上昇も否定できないが、短期的には急ピッチ過ぎるスピードはやはり気掛かりだ。今週だけで約4円も上昇しており、飽くまでも調整ではあるが、一時的な下押しにも一応注意を払っておきたい。
本日は米経済指標として、1月のミシガン大学消費者信頼感指数速報などが発表される。先でも取り上げたように、ここ最近は米経済指標が相場の波乱要因となっており、昨日も週間の雇用データで相場が動いているだけに本日も予断を許さない。また開催中のダボス会議出席者など、各国要人による発言にも引き続き要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.70-148.90円。ドル高・円安方向は本日東京高値の148.80円レベルが最初の抵抗。抜ければ149.15円そして150円を目指す。
対するドル安・円高方向は、同じく東京安値にあたる147.95円レベルをめぐる攻防にまずは注目。昨日安値である147.70円前後では底堅いイメージだが、一旦崩れると下げが加速する危険性もある。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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