ドル円 ドル続伸期待強いがスピード調整にも注意(1/17夕)

東京市場はドルが続伸。「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、ドルは日中高値圏で大引けている。

ドル円 ドル続伸期待強いがスピード調整にも注意(1/17夕)

ドル続伸期待強いがスピード調整にも注意

〇ドル円、147.15-20レベルで寄付き、夕方にかけてさらに続伸。日中高値147.90レベルまで値を上げる
〇「早期の日米金利差縮小観測」の後退が潜在的なドル高・円安要因。引き続きドルの支援要因に
〇ドル高の進行スピードは予想よりもかなり早く、そろそろ調整にも要注意
〇本日は12月小売売上高や鉱工業生産等の米経済指標が発表予定。米地区連銀経済報告も公表される
〇ドル高円安方向、心理的抵抗の148円が最初の抵抗、抜ければ目立った抵抗なくさらなるドル高進行も
〇ドル安円高方向、本日東京安値147.10レベル巡る攻防に注目。割り込むと146円後半がターゲット
〇欧米時間のドル円予想レンジは147.10-148.40

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが続伸。「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、ドルは日中高値圏で大引けている。

ドル/円は147.15-20円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。底堅いが上値も重く上げ渋りの展開となった。しかし、上値を抑えていた147円半ばを超えると、夕方に掛けてドルはさらに続伸。日中高値147.90円レベルまで値を上げ、16時現在でもそのままドルは高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策など」と「ダボス会議」について。
前者は、発表された1月のNY連銀製造業景況指数は衝撃の内容。予想のマイナス5.0対し、マイナス43.7となり強いネガティブサプライズだった。為替市場ではドル売り支援要因に。しかし、米長期金利が思ったほど下げなかったうえ、ウォラーFRB理事が「年内の利下げは可能」としつつも、「急いで利下げを行う理由はない」「利下げは秩序立った慎重なペースで進めるべき」などと述べたことで、ドル売りの流れが一変する格好となった。なお、ブルームバーグはコラムで先のウォラー発言に触れ、「今後数週間のドル回復基調を後押しする新たな材料となりそう」と報じている。

対して後者は、ダボスで開催中の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)は、地政学リスクが主要議題となったようだ。なかでも、ウクライナとパレスチナという2つの戦乱について話し合われたとされている。そうしたなか、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア勝利の阻止と西側に自国支援訴えるとともに、講演では日米欧などが凍結している「ロシア資産をウクライナに引き渡すように呼びかけ」たことが話題になっていた。一方、後者はイスラエル軍が、ガザ北部に対する攻撃を再び強化すると同時に北隣レバノンの南部に対する激しい空爆を実施したことを明らかにしている。和平への道のりはまだまだ長そうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日筆者は、ドル/円の11日高値146.41円を超えられるかがポイントで、超えた場合には中期メドとして「フィボナッチポイントにあたる147円半ば」を挙げていたが、ご承知のとおり前者だけでなく後者レベルも本日東京時間に上抜けてきた。方向性はともかく、ドル高の進行スピードは予想よりもかなり早い。基本的には150円方向に向けたドルの続伸が期待されるものの、ドル高進行スピードからすると、そろそろ調整にも注意すべきという気がしないでもない。
後退している「早期の日米金利差縮小観測」が潜在的なドル高・円安要因。来週の日銀会合やその後の米FOMCなどをにらみつつ、引き続きドルの支援要因となることは間違いない。また、懸念されていた今週末からの米政府機関閉鎖観測の後退、中東における地政学リスクの高まりなどもドル買いに寄与している感がある。そうしたなか、本日は昨日同様発表される米経済指標に注意する必要があるほか、バイデン氏と議会指導部が補正予算案めぐり協議を行うとされることで、その協議内容にも注意を払いたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は当面のドルの上値と考えていた146.41円を簡単に上回り147円台へ。そして、さらなる上値トライも視界内に捉えられている。ちなみに、これまでもレポートしたように本日東京時間に超えた147円半ばは、高値151.92円を起点とした下げ幅の61.8%戻しだったが、これを超えたことで次のターゲットは76.4%戻しの149.15-20円か。ただ、上昇スピードの速さから、146円程度までの調整を見込む声も一部で聞かれていた。

本日は米経済指標として、12月の小売売上高や同鉱工業生産などが発表されるうえ、米地区連銀経済報告の公表も予定されている。先で指摘したように、昨日は発表された米経済指標が市場の波乱要因となっただけに、本日も要注意だ。また開催中のダボス会議出席者など、各国要人による発言にも合わせて注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.10-148.40円。ドル高・円安方向は心理的抵抗の148円が最初の抵抗で、抜ければ目立った抵抗もなく、さらなるドル高進行も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である147.10円レベルをめぐる攻防に注目。割り込むと一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する146円後半がターゲットに。

ドル続伸期待強いがスピード調整にも注意

ドル円日足



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