ドル円、良好な米小売売上高を受けて大幅上昇。90日移動平均線も上方ブレイク(1/18朝)

ドル円は昨年12/28に記録した安値140.25をボトムに切り返すと、昨日は一時148.53まで急伸しました。

ドル円、良好な米小売売上高を受けて大幅上昇。90日移動平均線も上方ブレイク(1/18朝)

ドル円、良好な米小売売上高を受けて大幅上昇。90日移動平均線も上方ブレイク

〇ドル円、米国時間朝方にかけて、高値148.53まで急伸後148円台前半で推移
〇米12月小売売上高等の米指標の市場予想を上回る結果を受けた米長期金利の急上昇等が背景
〇ユーロドル、米金利上昇に伴うドル買いに1.0844まで下落するも1.0882前後に持ち直す
〇ドル円、「雲」上限および90日移動平均線を上抜け、昨年11/13高値151.91からの61.8%戻しも達成
〇米国と日本の金利差拡大、新NISAに絡むドル買い・円売り需要等もドル円をサポート
〇ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:147.50ー149.00

海外時間のレビュー

17日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値147.08まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)円金利低下に伴う円売り圧力や、(2)テクニカル的な地合いの強さ(一目均衡表雲上限および90日移動平均線を上方ブレイク)、(3)米12月小売売上高(結果+0.6%、予想+0.4%)および、除く自動車(結果+0.4%、予想+0.2%)の市場予想を上回る結果、(4)米12月鉱工業生産(結果+0.1%、予想▲0.1%)の市場予想を上回る結果、(5)米1月NAHB住宅市場指数(結果44、予想39)の市場予想を上回る結果、(6)米長期金利の急上昇(米2年債利回りは4.20%から4.37%へ急上昇。米10年債利回りも4.03%から昨年12/13以来の高水準となる4.13%まで急上昇)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値148.53まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/18午前6時00分現在)では、148.20前後で推移しております。

17日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。アジア時間午前にかけて、高値1.0885まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米経済指標(米12月小売売上高、米12月鉱工業生産、米1月NAHB住宅市場指数)の市場予想を上回る結果や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(3)欧州株の冴えない動きが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0844まで下落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(4)急ピッチな下落に対する反動買いや、(5)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力(ラガルドECB総裁や、オランダ中銀クノット総裁、フランス中銀ビルロワドガロー総裁、スロベニア中銀ヴァスレ総裁は、市場で高まる早期利下げ観測を牽制)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間1/18午前6時00分現在)では、1.0882前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は昨年12/28に記録した安値140.25をボトムに切り返すと、昨日は一時148.53まで急伸しました。日足ローソク足が市場参加者に注目されていた一目均衡表雲上限および90日移動平均線を上抜けしたことや、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ半値戻し(146.08)および61.8%戻し(147.46)を上抜けしたこと、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」が成立したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(CMEが提供するFedWatchツールによると、3月FOMCでの25bp利下げ確率は一昨日の76.9%から足元57.6%まで急低下)や、(2)日銀によるマイナス金利解除時期の後ずれ観測、(3)上記1、2を背景とした米国と日本の金利差拡大(日米10年債利回り格差は昨年末時点の325bpから足元351bpへ急拡大)、(4)本邦個人投資家による新NISAに絡むドル買い・円売り需要(米株投資活発化に伴う本邦個人投資家主導の外貨転需要)など、ドル円相場の上昇に繋る材料が揃っています。

本日予定されている米12月住宅着工件数や、米12月建設許可件数、米1月フィラデルフィア連銀景況指数、米新規失業保険申請件数が良好な結果を示す場合や、アトランタ連銀ボスティック総裁よりタカ派的な見解が示される場合には、米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測→米長期金利上昇→米ドル全面高の経路で、もう一段ドル円相場に強い上昇圧力が加わる恐れもあるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(昨年11/13に記録した高値151.91に向けて比較的早いタイミングで全値戻しを達成するシナリオ)をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:147.50ー149.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、良好な米小売売上高を受けて大幅上昇。90日移動平均線も上方ブレイク

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