レンジ内だが、上抜け期待が早くも再燃
〇本日のドル円、前日超えられなかった146円台へ乗せ、一時146.25-30まで値を上げる
〇1/11高値146.41は超えられず、引き続きレンジ内での値動きだが、ドルの上放れ期待再燃
〇欧米時間に146.41を抜けるかにまずは注目、超えた場合は147円半ばが強い抵抗となる可能性
〇欧米時間のドル円予想レンジは145.60-146.80、ドル高・円安方向は1/11高値146.41が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の145.60レベルをめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場はドルが小高い。前日超えられなかった146円台へと乗せてきたが、11日高値である146.41円にはとどかなかった。
ドル/円は145.75円レベルで寄り付いたのち、日中安値である145.60円レベルへと軟化。しかし、その後ドルはじり高に推移し、前日超えられなかった146円台へ。一時146.25-30円まで値を上げている。16時現在ではやや小緩んだものの辛うじて146円台を維持し、欧米市場を迎えていた。
なお、前日36000円台の高値を示現する局面も観測された日経平均株価は、本日7日ぶりの反落。
一方、材料的に注視されていたものは「フーシ派情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、米英軍は先週、紅海で相次ぐフーシ派による商船攻撃を受け、イエメン領内の支配地域を攻撃したが、フーシ派の立場は変わっていないとして警戒感を抱く向きがある。実際、フーシ派の交渉責任者からは、紅海でイスラエルに向かう船舶への攻撃は継続するとの警告コメントが発せられていたほか、米軍によるとフーシ派が発射した対艦弾道ミサイルが、軍所有・運航を手掛けるマーシャル諸島船籍のコンテナ船に直撃したと発表されている。米国はウクライナと北朝鮮(中国・台湾)、そして紅海と3方面作戦を余儀なくされており、軍事的な疲弊も目に付く。気掛かりな情勢だ。
対して後者は、「ダボス会議」を開催するスイスは、ゼレンスキー大統領の要請を受け、ウクライナに関する「世界平和サミット」を開催することに合意したと発表し一部で話題に。こうした動きを警戒してか、ロシアのペスコフ報道官からは「ダボス会議のウクライナ協議は何も達成できない」といった負け惜しみともとれるコメントが発せられていたようだ。一方、それとは別にウクライナ軍が、侵攻を続けるロシア軍のA50早期警戒管制機を撃墜したと明らかにしたことも物議を醸す。実際、時事通信では「ウクライナ軍にとっては大きな戦果で、こう着する戦況に影響を与える可能性がある」と伝えていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、本日東京時間に11日高値146.41円に接近するも超えられず。大きな意味では引き続きレンジ内での値動きだ。ただ、一旦は潰えた感のあったドルの上放れ期待が再燃しており、このあとの欧米タイムに146.41円を抜けていくことが出来るのかにまずは注目したい。ちなみに、超えた場合は少し遠いがフィボナッチポイントにあたる147円半ばが強い抵抗となる可能性がある。
日米などの金利情勢が依然として注目されるなか、日米金利差縮小観測は後退。足もとについても、引き続きドル買い材料となっていることは間違いなさそう。また、懸念されていた今週末からの米政府機関閉鎖観測の後退、中東における地政学リスクの高まりなどもドル買いに寄与しているとの指摘が聞かれていた。ドルがさらに買い上げられるか否かは別にして、崩れても下値は限られるといった声が有力だ。
テクニカルに見た場合、昨日ドル/円相場は「しばらく143.43円と146.41円、約3円のレンジ取引か」とレポートしたが、早くも上抜けの機運が感じられる展開だ。もちろん、このあとの欧米時間以降でそうなる可能性も否定できず、その場合は147円台への続伸も一応頭に入れておきたい。
ただし年明け以降はというと、レンジを抜けても一度は元のレンジに回帰するという展開が多い。ドルの追随買いには慎重さが必要だろう。
本日は米経済指標として、1月のNY連銀製造業景況指数が発表されるうえ、ゴールドマン・サックスなど米金融大手の決算発表も予定されている。また、引き続きダボス会議も開催中で、出席者による発言などこちらもあわせて注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは145.60-146.80円。ドル高・円安方向は11日高値146.41円が最初の抵抗で、抜ければ147円乗せも否定できない。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である145.60円レベルをめぐる攻防に注目。割り込んでも基本は底堅そうだが、145円前半や145円を下回ると波乱もありそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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