一気にドル下値リスク拡大、続落にも注意
〇本日ドル円、概ね「寄り付き高・大引け安」の様相、16時現在は安値圏141.10-15で推移
〇日米金利差縮小観測を背景に、市場はドル売り・円買いムード
〇足元は年末年始相場の様相、思わぬ価格変動などには引き続き注意
〇欧米時間の予想レンジは140.20-141.50
〇ドル高・円安方向は141円台に強い抵抗がうかがえず、戻り始めれば142円近くで戻る可能性も
〇ドル安・円高方向は、140.95ならびに140.70の攻防にまずは注目、下回ると140円割れが視界内に
<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場はドルが弱含み。一時141円割れをうかがう展開をたどり、そのまま安値圏で大引けている。
ドル/円は、寄り付いた141.80-85円を日中高値に右肩下がり。概ね「寄り付き高・大引け安」の様相だった。14日安値である140.95円をうかがう日中安値141.05-10円まで一時下落する局面も。16時現在、ドル/円はそのまま安値圏141.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、年末年始相場で商いが薄いなか、日銀の植田総裁がNHKのインタビューに応じ、来年にマイナス金利が解除される可能性が「結論的にはゼロではない」などと述べたとしてマーケットで思惑を呼ぶ。142円台から、本日東京の141円割れ手前までドル安・円高が進行する一因となっていたことは間違いない。市場は日経新聞の観測報道などを受け、日銀の政策金利修正期待を強めては裏切られるということの繰り返しだが、再び修正観測を強めている格好だ。日経新聞が19日付けで報じていたような、「1月論と4月論、賃上げ見極め判断」が果たして現実のものとなるのか注目だ。
対して後者は、西側諸国の制裁が強化され、ロシアの国内情勢がますます苦しくなるなか、中国やイランに擦り寄るスタンスが鮮明になってきた。昨日はイラン国営メディアが「イランとロシアが米ドルの代わりに自国通貨で取引することで最終合意」と報道。また、ロシアのノバク副首相が、今年のロシア産原油輸出のほぼ全量が中国とインド向けだったと明らかにしたほか、ラブロフ外相からは「ロシアとインドは軍用装備品の共同生産計画について具体的な進展があった」との発言が聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は昨日NY時間、米金利の低下などもあり急速にドル安・円高が進行。前述したように、本日東京でドルは続落すると14日安値140.95円を視界内に捉えた動きとなっている。まずは同レベルの攻防に注目で、割り込んできた場合には7月安値137.25円を起点とした上げ幅のフィボナッチ76.4%戻しにあたる140.70円レベルがターゲット。そのレベルも下回ると、いよいよ140円割れが現実味を増してきそうだ。
市場は来年の日米欧による金融政策をめぐり、早くも思惑が交錯。ただ、市場は取り敢えず「米の利下げ・日本は政策修正」といった期待感、日米金利差縮小観測を背景に、ドル売り・円買いムードが醸成されつつあるようだ。ドル/円の短期リスクは下向きで、ドルの続落を懸念する声も少なくないようだ。いずれにしても、足もとは典型的な年末年始相場の様相で、商いそのものは少なめ。どちらの方向にせよ、思わぬ価格変動などには引き続き注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場はドルのサポートとして寄与してきた移動平均の200日線(142.90円前後)をしっかり下回ったうえで大幅続落。141円割れをうかがう様相を呈しており、200日線はかなり遠のいた感があるなか、今度は逆に抵抗として寄与する可能性もある。
それに対するドルのサポートは140.95円ならびに140.70円。それらを下回ると140円割れがいよいよ意識されそうだ。
本日は米経済指標として、11月の小売在庫や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表される予定となっている。通常であれば、それほど注目度の高い指標ではないが、来年の米利下げ観測が高まっている状況だけに悪化した数字などが出ればドル売り材料となる可能性も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは140.20-141.50円。ドル高・円安方向は141円台に強い抵抗がうかがえない。よって戻り始めればドル反発の速度も速く、142円近くで戻っても不思議はない。
対するドル安・円高方向は、140.95円ならびに140.70円の攻防にまずは注目。それらを下回ると140円割れが名実とも視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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