一時140.25まで急落するも米国時間午後にかけて急反発。節目140.00を辛うじて死守
〇ドル円、米新規失業保険申請件数、中古住宅販売等の不冴えに米国時間朝方に140.25まで急落
〇その後は自律反発的なドル買い、米金利上昇等に急反発、141円台前半に戻す
〇ユーロドル、欧州時間に1.1140まで上昇するも株価軟調、米金利反発に1.1056まで反落
〇ドル円、地合いの悪化(上昇→下落へのトレンド転換)を強く印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小とそれに伴う円キャリートレードの解消懸念が重石
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:140.00ー142.00
海外時間のレビュー
28日(木)のドル円相場は下落後に急反発。アジア時間朝方にかけて、高値141.66まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まりや、(2)日米金利差縮小を背景としたドル売り・円買い、(3)日経平均株価の冴えない動き、(4)米新規失業保険申請件数(結果21.8万件、予想21.0万件)の冴えない結果、(5)米11月中古住宅販売成約指数(結果±0.0%、予想+0.9%)の市場予想を下回る結果、(6)直近安値(12/14に記録した安値140.97)突破に伴う仕掛け的なドル売り・円買いが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値140.25(7/28以来の安値圏)まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)急ピッチな下落に対する反動買い(自律反発)や、(8)心理的節目140.00を背にした押し目買い圧力(低流動性下でのショートカバー誘発)、(10)ロンドンフィキシングに絡むドル買い・円売り、(11)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間12/29午前6時00分現在)では、141.37前後まで持ち直す動きとなっております。
28日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まりや、(2)ECBによる利下げ開始時期の後ずれ観測、(3)上記1、2を背景とした欧米金融政策の方向性の違い、(4)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「現時点で利下げを考慮するのは時期尚早」「2024年の利下げについて保証はできない」とのタカ派的な発言が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1140(7/27以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(6)欧州株の冴えない動き、(7)ロンドンフィキシングに絡むユーロ売り・ドル買い、(8)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1056まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/29午前6時00分現在)では、1.1068前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は11/13に記録した年初来高値151.91をトップに反落に転じると、昨日は一時140.25まで急落しました(僅か1カ月半で▲11.7円の急落劇)。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化(上昇→下落へのトレンド転換)を強く印象付けるチャート形状となっております。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まり(市場は来年3/20FOMCでの25bp利下げを74.1%織り込む動き→米金利の低下要因)や、(2)日銀による金融緩和の早期修正観測(円金利の上昇要因)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小とそれに伴う円キャリートレードの解消懸念など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています(通貨オプション市場でもリスクリバーサルの円コールオーバーが拡大するなど、ダウンサイドを織り込む動きが活発化)。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(年末相場で流動性が著しく低下しているため、昨日同様、ボラタイルな相場展開に要注意)。尚、本日は日本時間23:45に発表予定の米12月シカゴ購買部協会景気指数に注目が集まります。
本日の予想レンジ:140.00ー142.00
※明日(12/30)はドル円日報を休刊とさせていただきます。次号は1/4を予定しております。本年も一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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