ドル円、一時140.25まで急落するも米国時間午後にかけて急反発。節目140.00を辛うじて死守(12/29朝)

28日(木)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、一時140.25まで急落するも米国時間午後にかけて急反発。節目140.00を辛うじて死守(12/29朝)

一時140.25まで急落するも米国時間午後にかけて急反発。節目140.00を辛うじて死守

〇ドル円、米新規失業保険申請件数、中古住宅販売等の不冴えに米国時間朝方に140.25まで急落
〇その後は自律反発的なドル買い、米金利上昇等に急反発、141円台前半に戻す
〇ユーロドル、欧州時間に1.1140まで上昇するも株価軟調、米金利反発に1.1056まで反落
〇ドル円、地合いの悪化(上昇→下落へのトレンド転換)を強く印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小とそれに伴う円キャリートレードの解消懸念が重石
〇引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:140.00ー142.00

海外時間のレビュー

28日(木)のドル円相場は下落後に急反発。アジア時間朝方にかけて、高値141.66まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まりや、(2)日米金利差縮小を背景としたドル売り・円買い、(3)日経平均株価の冴えない動き、(4)米新規失業保険申請件数(結果21.8万件、予想21.0万件)の冴えない結果、(5)米11月中古住宅販売成約指数(結果±0.0%、予想+0.9%)の市場予想を下回る結果、(6)直近安値(12/14に記録した安値140.97)突破に伴う仕掛け的なドル売り・円買いが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値140.25(7/28以来の安値圏)まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、(7)急ピッチな下落に対する反動買い(自律反発)や、(8)心理的節目140.00を背にした押し目買い圧力(低流動性下でのショートカバー誘発)、(10)ロンドンフィキシングに絡むドル買い・円売り、(11)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間12/29午前6時00分現在)では、141.37前後まで持ち直す動きとなっております。

28日(木)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まりや、(2)ECBによる利下げ開始時期の後ずれ観測、(3)上記1、2を背景とした欧米金融政策の方向性の違い、(4)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「現時点で利下げを考慮するのは時期尚早」「2024年の利下げについて保証はできない」とのタカ派的な発言が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1140(7/27以来の高値圏)まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(6)欧州株の冴えない動き、(7)ロンドンフィキシングに絡むユーロ売り・ドル買い、(8)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1056まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/29午前6時00分現在)では、1.1068前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は11/13に記録した年初来高値151.91をトップに反落に転じると、昨日は一時140.25まで急落しました(僅か1カ月半で▲11.7円の急落劇)。この間、日足ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「ダウ理論の下落トレンド」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化(上昇→下落へのトレンド転換)を強く印象付けるチャート形状となっております。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まり(市場は来年3/20FOMCでの25bp利下げを74.1%織り込む動き→米金利の低下要因)や、(2)日銀による金融緩和の早期修正観測(円金利の上昇要因)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小とそれに伴う円キャリートレードの解消懸念など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています(通貨オプション市場でもリスクリバーサルの円コールオーバーが拡大するなど、ダウンサイドを織り込む動きが活発化)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(年末相場で流動性が著しく低下しているため、昨日同様、ボラタイルな相場展開に要注意)。尚、本日は日本時間23:45に発表予定の米12月シカゴ購買部協会景気指数に注目が集まります。

本日の予想レンジ:140.00ー142.00

※明日(12/30)はドル円日報を休刊とさせていただきます。次号は1/4を予定しております。本年も一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

一時140.25まで急落するも米国時間午後にかけて急反発。節目140.00を辛うじて死守

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る