クリスマス明けたがまだ方向性に欠ける展開か
〇東京市場のドル円は動意薄。一時142.85レベルまで値を上げるも上値を抑制されると軟落
〇12/14の140.95を目先安値、12/20の144.10を同高値とした3円レンジ取引がしばらく続くか
〇市場は来年の日米欧金融政策巡り思惑交錯。本日は日銀「主な意見」で早期の政策修正観測が後退
〇テクニカルには先週末から超えられていない142.90前後に位置する200日MAを意識した展開
〇ドル高・円安方向はその200日MAをNYクローズで確り超えられるかに注目
〇ドル安・円高方向、142円前後がかなり強いサポート。その手前は東京安値142.30レベルの攻防を注視
〇欧米時間のドル円予想レンジは142.30-143.30
<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は動意薄。クリスマスも明けて、市場に活気が戻るかと思ったが引き続き手控えムードが強かった。
ドル/円は142.40円前後で寄り付いたのち、日中安値の142.30円レベルを示現。下値は堅かったが上値も重く、上げ渋った。一時142.85円レベルまで値を上げるも、同水準には移動平均の200日線が位置したこともあり、ドルは上値を抑制されると軟落。16時現在では小緩んだ142.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「ガザ情勢」について。
前者は、クリスマスでバイデン米大統領の短期休暇入りなども伝えられるなか、水面下における米中対立はさらにヒートアップ。中国が、米国による「国防権限法」の対中措置に噛み付き、同国外務省が「実施すれば断固対応する」としたコメントを発していたうえ、新華社通信によると習国家主席が「台湾の中国からの分裂を断固阻止する」などと表明。米国への対抗意識をさらに強めていた。
対して後者は、キリスト教の祝日クリスマス前後にも、イスラエル軍の攻撃によりガザ地区で多くの民間人の犠牲者が出たとの報道あり。これについて国連からは懸念も表明されていた。そうしたなか、イスラエル軍のハレビ参謀総長からは、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスに対する闘いは「何ヵ月も続く可能性がある」との発言が聞かれており、金融市場のみならず一般的にも憂慮を示す向きは少なくない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は14日の140.95円を目先安値、20日の144.10円を同高値としたレンジ取引。クリスマス要因などもあったとはいえ、概ね141-144円の3円レンジが2週間近く続いている計算だ。来年に向けたしっかりとした方向性を示すような動き、保ち合い放れにももちろん要注意だが基本的には、前述した3円レンジでの取引がいま少し続きそう。なお、短期的には、ここ数日の142-143円という足もと1円レンジ放れが注目されている。
市場は来年の日米欧による金融政策をめぐり、早くも思惑が交錯。ちなみに本日東京では、発表された「主な意見」をめぐり、見方が交錯するも最終的には早期の政策修正観測が後退していたようだ。このあとは発表される米経済指標などをめぐり、引き続き市場は一喜一憂か。また、クリスマスが明けたとはいえ、今度は年末を迎えることで薄商いはまだしばらく続く見込みで、思わぬ変動への備えは引き続きしっかりしておきたい。
テクニカルに見た場合、ここ最近のドル/円相場は移動平均の200日線を意識した展開。本日東京は同線が抵抗になっただけでなく昨日や一昨日、先週末も200日線を超えることが出来なかった。ドル強気派にとっては、なかなか嫌なムードだ。そんな200日線は緩やかな右肩上がりをたどっており、来年はじめにかけては143円台へと乗せてくることが予想される。一連の流れのなかで、攻防を注視している向きも多いようだ。
本日は米経済指標として、12月のリッチモンド連銀製造業指数などが発表される予定となっている。ほとんどの主要市場でクリスマス休暇は明けたが、新規材料も少なく基本的にはいましばらく手探りか。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.30-143.30円。ドル高・円安方向は142.90円前後に位置する200日線が最初の抵抗か。ザラ場だけでなく、NYクローズでしっかりと超えられるかにも注目だ。
対するドル安・円高方向は、142円前後がかなり強いサポートになっている。その手前でいえば、本日東京安値142.30円レベルの攻防がまずは注視されている。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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