ドル円見通し 欧米休場で小動きだが円高バイアスのかかった状況続く(23/12/26)

12月25日は欧米等がクリスマス休場で手掛かりにかけドル円は小動きだった。

ドル円見通し 欧米休場で小動きだが円高バイアスのかかった状況続く(23/12/26)

ドル円見通し 欧米休場で小動きだが円高バイアスのかかった状況続く

〇ドル円、12/25は欧米等クリスマス休場で小動き、昼過ぎに142.08まで下げてから夕刻142.52まで戻す
〇その後は軟調推移、12/26午前序盤は142.10台へ下げて再び142円割れを試しつつある
〇昨日の日銀総裁発言、まだ慎重姿勢だが春闘次第では出口へ向かう可能性
〇142円以上での推移中は戻りを試す余地ありとし、142.65超えからは143円試しを想定する
〇141.87割れから下落期入りとみて、141.50、141.00前後を順次試す下落を想定する

【概況】

12月25日は欧米等がクリスマス休場で手掛かりにかけドル円は小動きだった。
ドル円は12月19日の日銀政策決定会合で金融緩和の維持とされたことで直前安値142.24円から19日夜高値144.95円まで上昇して12月14日早朝のFOMC後のドル安局面での下げ幅をほぼ解消したが145円には届かず、12月6日高値147.49円から12月12日未明高値146.58円へと高値ラインを切り下げていた上値抵抗線に抑えられて下落に転じた。
12月22日午前に141.87円を付けて日銀会合後の上昇幅を吐き出したが、その後は142円割れを買われつつ142円台中盤で売られる横ばい型の持ち合いとなっている。
12月25日は昼過ぎに142.08円まで下げてから夕刻に142.52円まで戻した後は軟調推移となり、26日午前序盤は142.10円台へ下げて再び142円割れを試しつつあるところだ。

【日銀はまだ慎重姿勢だが春闘次第では出口へ向かう流れ】

12月25日に日銀の植田総裁は経団連で講演したが、「2%の物価目標を持続的・安定的に実現する確度が少しずつ高まっている」「十分な確度になれば政策変更を検討する」と述べたものの、「政策変更の時期については決め打ちできない」として慎重さを保ち、「物価目標実現に向けた動きを確たるものとするために粘り強く金融緩和を継続し、賃金が上昇しやすい環境を整えているところだ」、「春闘ではっきりとした賃上げが続くかが重要なポイント」であり、実現への確度は「十分に高いわけではない」とした。
日銀は今年10月にYCC(長短金利操作)の長期金利変動許容上限を1%とし、1%を超えることを容認する柔軟な運用へと修正し、12月7日には総裁が国会答弁で金融政策運営は「チャレンジングな状況が続いているが、年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と述べたことで出口戦略への前傾姿勢と市場は受けとめてドル円は12月7日午前の147円台序盤から12月8日未明安値141.67円へ急落した経緯がある。

12月19日の日銀金融政策決定会合では金融緩和政策の現状維持とし、チャレンジング発言については仕事を取り組む姿勢の説明だったと弁明したため、出口への具体的な動きはまだ鈍いとしてドル円は12月19日夜高値144.95円まで上昇していたが、円売り一巡後は下落に転じ、米国のインフレ鈍化が顕著となる中で為替市場全般がドル安へ進んだことで22日には142円を割り込むところまで下げ、その後は下げ渋って持ち合いの状況に入っているところだ。
来年の春闘が物価目標実現への確度を高めればマイナス金利解除等へ進む可能性が継続しているため、12月7日の急落時のような円の独歩高へ急変する可能性は今のところ低いものの、米国の利下げ見通しと日銀の出口へ向けた姿勢を踏まえれば年末から年明けにかけて円高のバイアスがかかった状況が続くと思われる。
日銀が春闘の結果を見る前に出口へ向けてより前傾姿勢を強める場合には、年末年始のインタビュー記事等で市場反応への探りを入れてくるかもしれないが、総裁としては12月7日の発言が急激な円高変動を招いた後だけに、市場に手がかりを示すような発言は避けたいところかもしれない。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は日銀会合後の円安が一巡して12月19日夜高値144.95円を目先のピークとして下落期に入ったが、12月22日午前安値141.87円からは下げ渋って持ち合いの様相だが、上値が重く持ち合い下放れへ進みやすい状況と思われる。
12月22日午前安値割れを回避するうちは143円前後への上昇余地ありとみるが、12月22日午前安値割れからは新たな下落期入りとして27日午前から29日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月22日午前安値から下げ渋りの持ち合いに入ったために遅行スパンは実線と交錯して方向感に欠けるが、先行スパンから転落した状況が続いている。12月22日午前安値割れを回避するうちは先行スパンへ潜り込むところからその上限を試す可能性があるとみるが、先行スパンからの転落が続くうちは下向きとし、12月22日午前安値割れからは下げ足が速まるとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は12月23日未明に50ポイント台後半へ戻してから40ポイントへ下げ、その後は50ポイント近辺にとどまっている。60ポイントを超えれば戻りを継続しやすくなるとみるが、次の40ポイント割れからは下向きとし、30ポイント割れからは20ポイント以下を試す下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12月22日午前安値141.87円を下値支持線、12月23日未明高値142.65円を上値抵抗線とする。
(2)142円以上での推移中は戻りを試す余地ありとし、142.65円超えからは143円試しを想定する。143円手前は反落警戒とするが、142円台を維持しての推移なら27日も高値を試す余地が残るとみる。
(3)141.87円割れから持ち合い下放れによる下落期入りとみて141.50円、141.00円前後を順次試す下落を想定する。141円以下は反騰注意とするが、141.87円以下での推移なら27日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

12/26(火)
休場、英、独、カナダ、スイス、南ア、豪、NZ、香港
23:00 (米) 10月 連邦住宅金融局住宅価格指数 前月比 (9月 0.6%、予想 0.5%)
23:00 (米) 10月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (9月 3.9%、予想 5.0%)

12/27(水)
14:00 (日) 11月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (10月 -6.3%、予想 -4.3%)
24:00 (米) 12月 リッチモンド連銀製造業指数 (11月 -5)
27:00 (米) 財務省5年債入札



注:ポイント要約は編集部

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