ドル円小動き予想だが、荒っぽい変動にも一応要注意(12/22夕)

22日の東京市場は往来相場。142円挟みのレンジ取引で、明確な方向性は乏しかった。

ドル円小動き予想だが、荒っぽい変動にも一応要注意(12/22夕)

小動き予想だが荒っぽい変動にも一応要注意

〇本日のドル円、寄り付いた142.10レベルを中央にしたレンジ取引、明確な方向性は乏しい
〇昨晩発表の7-9月期GDP確報値の下方修正がネガティブサプライズとなり、ドル売りに繋がる
〇昨日欧米時間に142.05まで下落、本日東京時間には一時142円割れも、ドルの下値余地が拡大した感
〇市場はクリスマスモードで基本は小動きを予想するが、きっかけ次第で乱高下の展開となる危険性も
〇欧米時間の予想レンジは141.90-142.80、ドル高・円安方向は142.55レベルが目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は、141.85-90の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場は往来相場。142円挟みのレンジ取引で、明確な方向性は乏しかった。

ドル/円は寄り付いた142.10円レベルを中央にしたレンジ取引。141.85-142.55円といった値動きをたどっている。すでに年内の主要材料をほぼこなしたこともあり、手掛かり材料も乏しく動意は限定的だった。日経平均株価など株価指数も冴えない。16時現在では142.20-25円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、発表された米経済指標はまちまちの内容ながら、なかでも7-9月期GDP確報値の下方修正がネガティブサプライズとなり、嫌気したドル売りに繋がっていた。それもあり、薄商いのなかドルの下値リスクを懸念する向きも多く、クリスマス明けに140円割れをトライするといった声も聞かれていたようだ。一方、日本は日銀が10月末に実施した金融政策決定会合の要旨を公開したが、そのなかで「目標実現の確度高まる、最大限緩和から少しずつ調整が必要」との見解が示され、思惑を呼んでいた。

対して後者は、引き続き米中間による緊張感のあるやり取りが観測され、一部で話題に。たとえば、中国国防省は、同軍の劉統合参謀部参謀長が米軍側とのテレビ電話会談を行い、そのなかで南シナ海をめぐり「中国の領土主権と海洋権益を尊重し、言動を慎むべきだ」と求めたことを明らかにしている。台湾問題などで譲る意思のないことを改めて示したと言えよう。また中国は、レアアース(希土類)の抽出・分離技術の輸出禁止を発表。米国や日本が進める中国のレアアースに依存しないハイテク製品のサプライチェーン構築に対抗する狙いとされ、西側諸国からは影響を懸念する声もある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日欧米時間に142.05円まで下落。そして本日東京時間には一時142円割れも。予想以上のドル安進行で、昨日報じた年内もっとも狭く考えるなら「142-144円といったボックス相場」との見通しが早くも揺らいできた。ドルの下値余地が再び拡大した感もあり、先でも指摘したように、足もとはともかくとして、クリスマス明けに140円割れをトライするといった声も聞かれていたようだ。
市場は来年の日米欧による金融政策をめぐり、早くも思惑が交錯。発表される指標や発言などに一喜一憂する展開となっている。実際、昨日も発表された米GDP確報値がマーケットの波乱要因となった。市場は名実ともにクリスマスモードで商いが薄く、基本は小動きを予想。しかし、昨日のような何かきっかけがあれば「薄商い=乱高下」の展開をたどる危険性もあり注意を払っておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は14日などに一時下回るも、そののち回復してきた移動平均の200日線(142.70円前後)を再び割り込んできた。ドルブル派としては、今回もなるべく早い上抜きを期待したいところだが、超えられないようだと、今度は200日線が抵抗として寄与する可能性も否定できない。前述したように、しばらくは「142-144円のレンジ」を予想していたのだが、それが1円程度あるいはさらに下方へとレンジが修正された可能性もある。

本日は米経済指標として、11月のPCEデフレーターや12月のミシガン大学消費者信頼感指数確報などが発表される予定となっている。基本は小動き予想だが、昨日米経済指標の思わぬ結果を受けドル安が進行しているだけに、本日も予断を許さない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.90-142.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値にあたる142.55円レベルが目先の抵抗。超えれば200日線、さらに143円台乗せを目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、同じく本日安値にあたる141.85-90円の攻防にまずは注目。しっかり下回れば14日の140.95円が再びターゲットとなる。


小動き予想だが荒っぽい変動にも一応要注意

ドル円日足

*ご連絡:誠に恐れ入りますが、来週月曜日(25日・クリスマス)ならびに翌火曜日(26日・ボクシングデーなど)は、主要な欧米市場が休場になりますので、当レポートを休刊させていただきます。次回は来週水曜日(27日)付になります。よろしくお願い申し上げます。


注:ポイント要約は編集部

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