東京市場のドルは143円台を回復、ドル買戻し継続で9日MA突破なるか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀金融政策決定会合で「金融政策の維持」が発表されたことからドルは上昇、143円台半ばで推移した。
昨晩の海外時間では、日本製鉄による米企業買収発表を材料にドルが買われたほか、二人の米連邦準備制度理事会(FRB)関係者が、市場の早期利下げ観測に懐疑的見方を表明したことが引き続きドルの支えとなった。ドルは143円台を挟んでのもみ合いとなったが、しっかりとした動き。
東京時間では、11時49分に「大規模緩和の維持」「先行きの政策指針でもあるフォワードガイダンスの変更も無し」という日銀会合の結果がつたわると、ドルは143円78銭まで上昇。株式市場では、日経平均が33000円台を回復するなど、日銀の「現状維持」を受けて、大型株を中心に買い優勢の地合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:142円81銭
高値:143円78銭
安値:142円32銭
終値:143円49銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円00銭
高値:157円02銭
安値:155円39銭
終値:156円81銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円72銭
高値:96円61銭
安値:95円48銭
終値:96円39銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:180円64銭
高値:181円97銭
安値:180円04銭
終値:181円64銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32774円21銭
高値:33219円39銭
安値:32654円43銭
終値:33219円39銭(前日比+460円41銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、シムカス・リトアニア中銀総裁が経済予測公表
18時00分、欧、カジミール・スロバキア中銀総裁が会見
19時00分、欧、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁が年末記者会見
22時00分、欧、ハンガリー中銀政策金利、前回:11.5%、市場予想:10.75%
22時30分、米、住宅着工件数、前回:137.2万件、市場予想:136.2万件
22時30分、米、住宅建築許可件数、前回:148.7万件、市場予想:146.4万件
23時30分、米、バーキン・リッチモンド連銀総裁がYahoo ファイナンスに出演
26時30分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会にて講演
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、遅行スパンが実線を大きく下回っているほか、雲下限も下放れているなど三役逆転が示現しており、トレンドは大幅に悪化している。一方、ボリンジャーバンドでは、本日のドル上昇を受けて、拡大する−2σ水準から反発。
142円50銭水準で推移する200日移動平均線(MA)が上値抵抗ラインとして意識されていたが、東京時間の上昇で目線は、143円80銭水準の9日MAに移っている。短期的には9日MAが上値抵抗ラインのような格好となっているが、米10年債利回りが4.0%台に戻せば、9日MA突破は十分視野に入ろう。
15時30分からスタートした植田和男日銀総裁の記者会見では「2%物価目標の安定的持続に必要な時点まで現行緩和を継続」「必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる」といった無難な入り方の後、「マイナス金利は金融機関収益や金融仲介にマイナスの影響もある」と発言したことで一時142円台半ばまでドルは売られた。
ただ、その後「出口の対応、確度の高い姿を示すことは困難」「出口の政策手段の順序とスピードは発信できる状態にない」と続けて発言。「金融政策の正常化」はまだ先である、と市場
は理解し、ドルは買戻しが加速。一時144円台に乗せる場面も見られた。
今晩の海外時間で、目先の懸念材料だった日銀会合および植田日銀総裁の記者会見をクリアしたことから、ドル買戻しの流れは継続すると考える。米10年債利回りの4.0%台回復が見られれば、9日MAを明確に上抜き、145円台手前までのリバウンドも期待できよう。上値メドは144円90銭、下値メドは143円30銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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