日銀会合の結果受け、再びドルに上昇余地(12/19夕)

19日の東京市場はドルが堅調裡。13日以来の高値圏、143円後半まで一時値を上げている。

日銀会合の結果受け、再びドルに上昇余地(12/19夕)

日銀会合の結果受け、再びドルに上昇余地

〇本日のドル円、142.25レベルまで下げるも、日銀会合結果を受け143円台後半までドルが急騰
〇日銀金融政策決定会合の結果、「金利の据え置き」「先行きの金融政策指針も変更せず」を発表
〇ドル円相場はドルが再び戻り歩調をうかがわせる、米FOMCを受けたドル急落の下げを取り戻す動き
〇次の明確な上値メドは145円前後、下げ足が早かっただけにドルの戻りも早いといった警戒感も
〇材料的に年内の主要材料をこなしたことで、今後徐々にクリスマスモード入りする可能性
〇予想レンジは143.00-144.50、ドル高・円安方向は144円台にそれほど強い抵抗が見当たらない
〇ドル安・円高方向は、143円レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場はドルが堅調裡。13日以来の高値圏、143円後半まで一時値を上げている。

ドル/円は142.80円前後で寄り付いたのち、注目の日銀会合の結果発表をにらみつつ円買い優勢。142.25円レベルまでじり安推移となった。しかし、昼ごろ日銀が会合結果として「金利の据え置き」などを発表すると流れが一変。一気にドル買い・円売りに傾斜し、143円台後半までドルが急騰している。その後も一喜一憂しなかなか激しい上下動をたどるなか、16時現在では143.60-65円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「M&A発表」について。
前者は、本日昼ごろ日銀が金融政策決定会合の結果として「金利の据え置き」と発表。また、「先行きの金融政策指針も変更せず」と伝えられていた。市場では先日の植田総裁発言もあり、「早期正常化に向けてフォワードガイダンスが修正される」といった見方も事前には取り沙汰されており、ネガティブサプライズとの捉えられ方が優勢。実際、ドル/円相場は失望したとの見方から、1円以上もドルが急騰する結果に。また、そののち夕方になり、植田総裁が会見を実施し、それにより一喜一憂する展開ながら、すでに143円台でドルは底堅い雰囲気だ。

対して後者は、年末も押し迫るなか、ここ最近は企業のM&A発表が目に付く。18日には日本製鉄が米鉄鋼大手USスチールを総額141億ドルで買収すると発表し話題を集めていたが、先日も東京ガスがシェールガス開発を手掛ける米ロッククリフ・エナジーを約27億ドルで買収すると発表したばかり。もちろん、それらすべてに為替取引が発生するわけではないが、場合によっては買収資金の手当て買いがドルなど外貨の下支え要因となる可能性もあり注意しておきたい。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は本日東京で一時143円台後半を示現。ドルは再び戻り歩調をうかがわせている。現地時間13日の米FOMCを受けたドル急落の下げを取り戻す動きと言えそうだ。ちなみに、151.92円を起点にした下げ幅の38.2%戻しは145.10-15円となるなど、テクニカルポイントで見た次の明確な上値メドは145円前後。「1ヵ月で11円の下落」と下げ足もかなり早かっただけに、ドルの戻りも早いといった警戒感を抱く向きもある。
注目を集めていた日米欧金融政策の掉尾を飾る格好で、本日日銀が政策金利の発表を行った。具体的な内容については先で取り上げた通りながら、期待先行し過ぎた向きがハシゴを外され、それを受け足もとはドルが逆行高をたどっているようだ。いま少しドルは戻りを試す展開となる可能性もあるが、徐々に落ち着きを取り戻し、その後はクリスマスモードを強めるといった見方も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は先週14日以降形成していた141.00-142.50円の小レンジを上放れ。それもあり、短期的なリスクは再び上方向にバイアスか。チャート的には145円程度までの戻りがあっても不思議はないが、それ以上はなかなか難しそう。材料的にも年内の主要材料をこなしたことで、今後徐々にクリスマスモード入りすることを考えると、しばらくは142-145円といったレンジを形成することになるだろう。

本日は米経済指標として、11月の住宅着工件数などが発表されるほか、欧州要人を中心にした発言機会も多く、そちらも引き続き要注意。また、北朝鮮情勢について安全保障理緊急会合が開催されるほか、オンライン方式でG7財務相・中銀総裁会議も実施される予定だ。併せて注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは143.00-144.50円。ドル高・円安方向は144円台にそれほど強い抵抗が見当たらない。よって144円をクリアに超えれば、予想以上のドル戻りの可能性もある。
対するドル安・円高方向は、心理的な意味も込め143円レベルの攻防にまずは注目。下回ると本日安値142.25円レベルが意識されるが、すでにかなり遠いイメージか。

日銀会合の結果受け、再びドルに上昇余地

ドル円日足


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