基本は明日の米FOMCにらみだが予断許さず
〇東京時間のドル円、146.10-15レベルで寄り付き145.35レベルまで下げるも、大崩れには至らず
〇ドル円は12/7に141.62まで下げたあとの戻りをうかがう展開、昨日NYでは一時146.59まで値を戻す
〇明日に米FOMC結果発表を控え基本はレンジ内か、目先は144.50-146.50程度の値動きの可能性も
〇基本的には明日の米FOMCにらみだが、本日の11月消費者物価指数にも要注意
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.70-146.10、ドル高・円安方向は146円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値144.81レベルの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場はドルが弱含み。前日回復した146円台を再び割り込んだものの、大崩れするには至らなかった。
ドル/円は146.10-15円レベルで寄り付いたのち、当初はレンジ取引。146円レベルで下げ止まるも、割り込むとそのまま夕方に掛けて145.35円レベルまで緩やかな右肩下がりをたどっていた。一時は300円以上も値を上げていた日経平均株価が、上げ幅を急縮小させたことなども嫌気されていたようだ。16時現在では145.40-45円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日本の政治ファクター」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、自民党最大派閥の安倍派を主とした、いわゆる「裏金疑惑」をめぐり政界は大混乱。松野官房長官に対する不信任決議案の採決が行われたものの、こちらは与党などの反対多数で否決されている。ただ、それで終了というわけではなく、共同通信は「岸田首相、14日にも松野官房長官など4閣僚交代させる人事実施へ」と報じていた。一方、その影響は国内だけでなく外交問題としても波及しているようで、毎日新聞では「来年1月上中旬に予定している南米訪問を見送る検討に入った」と伝えている。いずれにしても、引き続き続報などもしっかりと見極めたい。
対して後者は、ウクライナのゼレンスキー大統領が訪米し、演説などで支援の継続を要請している。国防大学での演説では、支援への懐疑論が強まっている米連邦議会に触れ、「支援が滞り、喜ぶのはプーチン氏とその一派だけだ」などと発言したという。それもあってか、米NSCのカービー調整官は、ウクライナへの追加軍事支援を月内に発表すると表明していた。その一方、プーチン大統領はロシアで開かれた原子力潜水艦の艦旗掲揚式に出席し、最新技術を搭載した海軍の艦船を増産していくと語り、海軍力を誇示したようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、7日に141.62円まで下押しが入ったあとの戻りをうかがう展開となっている。昨日NYでは高値151.92円を起点にした下げ幅の半値戻しに近い146.59円まで、一時値を戻していた。油断は禁物だが、明日に注目の米FOMC結果発表を控えていることからすると、乱高下などはあったとしても基本はレンジ内か。目先は144.50-146.50円程度の値動きをたどる可能性もある。
引き続き日米欧の金融政策が注目されるなか、明日はいよいよ米国の政策金利発表などが実施される予定だ。様々な思惑が交錯し、短期的にはやや荒っぽい展開もありそうだ。なお、国際情勢をめぐる動きとして、国連総会がガザ停戦決議案を採決する予定と見られるほか、訪米しているゼレンスキー氏がバイデン米大統領と会談するとも伝えられている。それら要因にも一応注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は151.92円で天井、141.62円で当面の底を打った感があり、大きな10円レンジを先日形成。以降、そのなかにはとどまっている。さすがにレンジが広すぎることは間違いないが、市場では明日の米FOMCなどを受けて、レンジ放れを試す展開となるのかが注視されているようだ。レンジブレークに失敗すれば、年内は143-147円といったなかでの一進一退にとどまる可能性もあるだろう。
本日は米経済指標として、11月の消費者物価指数が発表される予定となっている。基本的には明日の米FOMCにらみではあるものの、先週も「週末の米雇用統計発表にらみ」と言いつつ週半ばに先行して大きく動意づいただけに予断を許さない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.70-146.10円。ドル高・円安方向は本日東京で割り込んできた146円レベルが最初の抵抗。上抜けると昨日高値146.59円を目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の144.81円レベルの攻防にまずは注目。大きく崩れるイメージにも乏しいが、下回ると144円割れなどなかなかの深押しも否定できない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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