東京市場のドルは145円台でのもみ合い、CPIへの警戒感ムードは強い
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、実需の円買いと思われる売買後は、様子見姿勢が強まり145円台半ばでのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、米消費者物価指数(CPI)発表や、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控えるなか、NY連銀の1年インフレ期待が低下したことからややドルが弱含むものの、146円台は維持。その後は、10年債入札結果がさえなかったことから、10年債利回りが4.28%台まで上昇し、ドルは146円台での推移となった。
東京時間は、10時の値決め前後で、実需筋の円買いが入ったとの観測から145円台半ばまでドルは売られた。ただ、今晩CPI発表を控えていることや、明日までFOMCが開催されることなどから、実需の売買一巡後は様子見姿勢が強まり145円半ばでのもみ合いとなった。なお、5年債の入札が順調に進んだことから10年物国債利回りは0.71%台まで低下したが、為替市場への影響は限定的。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:146円15銭
高値:146円22銭
安値:145円34銭
終値:145円38銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円33銭
高値:157円35銭
安値:156円50銭
終値:156円56銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円97銭
高値:96円02銭
安値:95円66銭
終値:95円89銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:183円52銭
高値:183円52銭
安値:182円77銭
終値:182円82銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33107円65銭
高値:33172円13銭
安値:32800円24銭
終値:32843円70銭(前日比+51円90銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時00分、欧、独ZEW景況感指数、前回:9.8、市場予想:8.1
19時00分、欧、ユーロ圏ZEW景況感指数、前回:13.8
☆22時30分、米、11月の消費者物価指数(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.1%
☆22時30分、米、11月の消費者物価指数(コア)(前月比)、前回:0.2%、市場予想:0.3%
☆22時30分、米、11月の消費者物価指数(前年比)、前回:3.2%、市場予想:3.1%
☆22時30分、米、11月の消費者物価指数(コア)(前年比)、前回:4.0%、市場予想:4.0%
26時00分、欧、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁がイベント講演
☆米FOMC開催(13日まで、発表は東京時間14日未明)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、遅行スパンが実線を下回っているほか、雲下限も下放れておりトレンドは悪化している。一方、ボリンジャーバンドでは、−2σは拡大しているが、足元の相場の落着きを受けて「バンド・ウォーク」は回避された。短期的には、142円前半で推移する200日移動平均線(MA)水準で長い下影(下ヒゲ)を二本残したことからリバウンドが入りやすい状況ではある。
一方、11月13日の年初来高値151円95銭を起点とした上値抵抗ラインを上抜けていないことから、調整は継続との見方もできよう。
今晩のCPIの結果内容がどこまで12−13日開催のFOMCに反映されるのか微妙なところだが、11月のイメージが色濃く残っていることから市場の関心は非常に高い。11月は、「10月のCPI予想下振れ→タカ派の政府要人から相次いで「ややハト派」」というなし崩し的な弱気トレンドが発生した。
2024年に4−5回の利下げを織り込む水準までFed Watchは弱気に傾いており、堅調な11月の雇用統計もさほど材料視しない状況は、過度な悲観論に覆われているようにも思える。今回のCPI(前年比)の市場予想は、前月を下回る水準だ。仮にこの市場予想を下回った場合、市場のモメンタムを考慮すると、もう一段の弱気に傾く可能性はある。CPIの結果によって、Fed Watchの2024年末の予想がもう一段下になる展開は想定しておきたい。
FOMCを控えていることから、CPI発表後にドルが上下に振れることはないと考えるが、東京時間終了後のドルのさえない動きを見ると、CPI通過後は下を意識しているように感じられる。145円水準に目立ったテクニカルポイントが無いことから、144円台突入の地合いを警戒しておきたい。上値メドは145円80銭、下値メドは144円50銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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