ドル円、日銀関連報道で再び急落。本日は米FOMCとパウエルFRB議長記者会見に注目(12/13朝)

12日(火)のドル円相場は急反落。

ドル円、日銀関連報道で再び急落。本日は米FOMCとパウエルFRB議長記者会見に注目(12/13朝)

ドル円、日銀関連報道で再び急落。本日は米FOMCとパウエルFRB議長記者会見に注目

〇ドル円、米国時間に一時144.74まで急落、その後は持ち直し145円台半ばでの推移
〇日経の観測報道からの日銀緩和政策修正期待、米長期金利の低下等が下落の背景
〇ユーロドル、独景況指数の良化、米金利低下等に一時1.08台乗せ
〇ドル円、主要テクニカルポイントの下で推移、21日線と90日線のデッドクロスも実現、地合い弱い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小の思惑等、ドル円下落材料揃う
〇本日はFOMCとパウエル議長会見に注目
〇本日の予想レンジ:143.50ー146.50

海外時間のレビュー

12日(火)のドル円相場は急反落。アジア時間朝方にかけて、高値146.18まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)日本経済新聞社による「市場には12月に解除を事前予告し、政策金利の先行き指針を同時に修正するとの見方もある」との観測報道や、(2)上記1を背景とした日銀による金融緩和の早期修正観測の再燃、(3)米11月消費者物価指数(結果+3.1%、予想+3.1%、前回+3.2%)の前月比鈍化、(4)イエレン米財務長官による「インフレ率がFRBの目標まで下がらない理由はない」「インフレは有意に低下している」とのハト派的な発言、(5)上記3、4を背景とした米長期金利の急低下が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値144.74まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/13午前5時30分現在)では、145.56前後で推移しております。

12日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0759まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)ドイツ12月ZEW景況感指数(結果12.8、予想8.1、前回9.8)の市場予想を上回る結果や、(2)欧州株の堅調推移、(3)米11月消費者物価指数の伸び率鈍化、(4)イエレン米財務長官によるハト派的な発言、(5)上記3、4を背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0829まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(6)重要イベント(米FOMC+ECB理事会)を控えたポジション調整が重石となり、本稿執筆時点(日本時間12/13午前5時30分現在)では、1.0796前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は12/7に記録した安値141.60をボトムに反発に転じると、週明け12/11に一時146.59まで急伸しましたが、昨日は一転再び144.74まで反落する冴えない動きとなりました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの下側で推移していることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」が成立していること、21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロスが実現したこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まりや、(2)日銀によるマイナス金利の早期解除観測(※植田日銀総裁・氷見野日銀副総裁は先週、マイナス金利の早期解除の可能性を滲ませる発言を実施→その後、米ブルームバーグが日銀関係者の話として「賃金と物価の好循環の実現に向けた十分な確証が得られていないため、マイナス金利やYCCの撤廃などを今月急ぐ必要はほとんどないとの認識」との火消しを行うも、昨日は一転、日本経済新聞社より「市場には12月に解除を事前予告し、政策金利の先行き指針を同時に修正するとの見方もある」との観測報道→日銀による金融緩和の早期修正観測再燃)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小とそれに伴う円キャリートレード解消の思惑など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記1を見極める目的で日本時間12/14早朝4:00に発表される米FOMC(含むSEP)と、同4:30のパウエルFRB議長記者会見に注目が集まります。今会合は政策金利の「据え置き」が見込まれているため、市場参加者の関心事は、(A)声明文から「追加的な金融引き締め」に言及する文言が削除されるか否か、(B)ドットチャートで年3回以上の利下げの可能性が示されるか否か、(C)パウエルFRB議長記者会見で予想よりハト派的な見解が示されるか否かに集まっています。

当方は、上記Aについて、声明文から「In determining the extent of additional policy firming that may be appropriate to return inflation to 2 percent over time(インフレ率を長期的に2%に戻すために、どの程度の追加的な政策引き締めが適切かを判断する)」との文言が削除され、上記Bについては、ドットチャートで年3回の利下げ(75bp)が示され、更に上記Cについては、パウエルFRB議長より「追加的な金融引き締め」を滲ませる発言が手控えられると予想しています。いずれも市場ではハト派的と解釈される可能性が高く、直後の反応は、米長期金利急低下→米ドル急落→ドル円急落となりそうです。以上を踏まえ、当方では引き続き、短期的なドル円下落をメインシナリオとして予想いたします(米FOMC通過後は市場の焦点が来週の日銀金融政策決定会合にシフト)。

本日の予想レンジ:143.50ー146.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、日銀関連報道で再び急落。本日は米FOMCとパウエルFRB議長記者会見に注目

ドル円日足

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