東京市場のドルは145円台半ばで推移、FOMC前で様子見姿勢が強まる
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、様子見ムードが強まるなか積極的な売買が手控えられ、145円台半ばでの落ち着いた動きとなった。
先週末の海外時間では、11月の米雇用統計は、失業率が3.7%と市場予想(3.9%)を下回ったほか、非農業部門雇用者数も19.9万人増とこちらも市場予想(18.3万人増)を上回る結果となった。また、ミシガン大学消費者信頼感指数速報値も市場予想を上回ったことから、米10年債利回りは4.2%台で推移。ドルは買戻しが優勢となり145円水準で推移した。
東京時間もこの流れを引き継ぎ、10時の値決めのタイミングでドルがやや買われた後も、145円台半ばでの落ち着いた動きとなった。朝方の買い一巡後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催が迫っていることから様子見ムードの強い地合いに。株式市場では、日経平均が買い一巡後、上値が重くなったものの、為替市場は静かな推移に終始した。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:145円03銭
高値:145円66銭
安値:144円81銭
終値:145円57銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:156円07銭
高値:156円79銭
安値:155円91銭
終値:156円74銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:95円34銭
高値:95円61銭
安値:95円31銭
終値:95円49銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円97銭
高値:182円71銭
安値:181円73銭
終値:182円56銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32665円09銭
高値:32933円08銭
安値:32650円10銭
終値:32791円80銭(前日比+483円94銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
特になし
※FRBブラックアウト期間中(金融政策に関する発言自粛期間)(14日まで)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、遅行スパンが実線を下回っているほか、雲下限も下放れておりトレンドは悪化している。一方、ボリンジャーバンドでは、−2σは拡大しているが、先週末の落着きと本日のドル上昇を受けて、「バンド・ウォーク」は回避された。
短期的には、142円前半で推移する200日移動平均線(MA)水準で長い下影(下ヒゲ)を二本残したことでリバウンド優勢の地合いとなった。
急落前の12月6日高値147円52銭からの下落幅は5.81円(12月7日の141円71銭)で、足元半値戻し水準(144円61銭)を上回っている。相場の有名な格言である「半値戻しは全値戻し」を推したいところだが、11月中旬の下げ局面でも達成できなかったことから、FOMC前に147円台回復を期待するのは酷な話だ。米10年債利回りが4.5%水準まで上昇すれば話は別だが、さすがに様子見ムードが強いことから米10年債利回りは横ばい推移となるだろう。
なお、植田和男日銀総裁は、先週、改めて市場との対話の難しさをかみしめたことだろう。植田日銀総裁が何気なく発した「チャレンジング」という言葉を、アルゴリズムトレードなど市場が先読みしたことで今回の乱高下は発生したと推測する。来週の日銀金融政策決定会合後の植田総裁の記者会見は、再びアルゴリズムトレードが暴走するきっかけとなるかもしれない。
先週の乱高下によって強制的にポジション調整が進んだことから、後はFOMCの結果とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見までじっくり待つ感じとなろう。今晩の海外時間は目立った要人発言や経済指標の発表が予定されていないことから、145円台半ばでの膠着相場を予想する。上値メドは145円80銭、下値メドは145円10銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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