上値も重いがドルは底堅く推移か(12/11夕)

週明け11日の東京市場はドル買い優勢。先週末には回復したのか微妙だった145円台へしっかり乗せるなど、ドルは底堅い。

上値も重いがドルは底堅く推移か(12/11夕)

上値も重いがドルは底堅く推移か

〇東京時間のドル円、ドルのじり高推移で145円台回復、16時現在145.50-55で推移し欧米市場迎える
〇今週は米英欧の金融政策が発表予定。市場の関心は「ドットチャート」など来年に掛けての見通しに
〇今週レンジブレークに失敗すれば、クリスマスモードで年内は143-147円の一進一退に留まる可能性も
〇ドル高・円安方向は東京高値145.70レベルが最初の抵抗か。上抜けると146円台乗せも
〇ドル安・円高方向は、東京安値144.80レベルの攻防に注目。底堅いが下回ると144円割れもあるか
〇欧米時間のドル円予想レンジは144.60-146.00

<< 東京市場の動き >>

週明け11日の東京市場はドル買い優勢。先週末には回復したのか微妙だった145円台へしっかり乗せるなど、ドルは底堅い。

先週末は、自民党安倍派を中心とした「裏金」問題がさらに広がりを見せる。それを受け、産経新聞は「岸田首相、政務三役から『安倍派』の全員交代検討」などと報じていた。一方、中国が日本やフィリピンと領土問題をめぐり小競り合いを起こしていたようだ。
そうした状況下、ドル/円は144.90円レベルで寄り付いたのち、当初は冴えない。日中安値の144.80円レベルへと小緩むも大崩れはせず。むしろ、目先の底値を確認後はドルのじり高推移となり、反騰高へ。145円台を回復したあともさらに値を上げ145.70円レベルへ。16時現在では145.50-55円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の政治ファクター」と「中国情勢」について。
前者は、自民党最大派閥の安倍派において、政治資金パーティー収入の一部を還流させるなどして裏金化していた疑惑が伝えられ、それが拡大の様相を呈している。政権の要であり、ナンバー2ポストとも言われる松野官房長官への疑惑が伝えられただけでなく、西村経産相、萩生田党政調会長、高木党国会対策委員長らにも飛び火。朝日新聞では前述4氏について「岸田首相は交代させる意向を固めた」と報じていた。ただでさえ、支持率の低空飛行をたどる岸田内閣にとって、致命的な打撃になる可能性もありそうだ。なお、この件について、野党第一党の立憲民主党は、12日衆院本会議で岸田内閣に対する不信任決議案を提出する方針を固めたと伝えられている。日本の政治情勢からも目が離せない。

対して後者は、領土・領海をめぐり日本そしてフィリピンとそれぞれ小競り合い。日本に対しては、今年41日目となる尖閣諸島近海での中国船の領海侵入が観測されたが、当の中国側は逆に「日本の漁船が、中国が領有権を主張する海域に侵入したことで警告した」などと発表していた。またフィリピンに対しては、中国船が南シナ海でフィリピン船に再び放水銃発射したうえ、南沙諸島ではフィリピン船と衝突事故を起こしたことが明らかになっている。国内経済の低迷などが取り沙汰されるなか、日本などに対しての軍事的脅威は依然として健在であるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は依然として荒っぽくはあるものの、先週7日に一日で5円強も動いたことからすると、徐々に落ち着きを取り戻しつつある。そしてやはり同日、ドルが一時141.62円まで下押ししたのは、いささかやり過ぎだったようだ。ともかく、以降ドルは本日東京に掛けても底堅く推移している。ちなみに、151.92円を起点に141.62円まで下落したことに対するフィボナッチは38.2%戻しが145.55円レベルで、半値戻しは146.75-80円だ。もう一段のドルの戻しも否定できない。
引き続き日米欧の金融政策が注目されるなか、今週は米英欧の金融政策が発表される予定だ。政策金利そのものは、いずれも「据え置き」が予想されているが、市場の関心はそこではなく米国でいえば「ドットチャート」、英欧についても来年に掛けての見通しになる。個人的には、それほど弱気に傾斜することはないとみているのだが、失望を誘う内容となれば再びドル売りが強まる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場は7日安値141.62円で当面の底を打った感を強めており、ドルに底堅さがうかがえる。とは言え上値も重そうで、今週予定されている米FOMCなどの材料を経て、新たに形成しつつある足もとのボックス圏を放れられるか否かに注目だ。今週レンジブレークに失敗すれば、今後クリスマスモードを強めることもあり、年内は143-147円といったなかでの一進一退にとどまるといった声も聞かれていた。
本日はとくに目立った米経済指標の発表などはなし。明日以降に予定されている11月の消費者物価指数発表や米FOMCにらみの展開が基本的には続く見込みだ。ただ、12月に入り商いが薄い環境になってきたことから、予想を超える激しい変動にも一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.60-146.00円。ドル高・円安方向は東京高値の145.70円レベルが最初の抵抗か。上抜けると146円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の144.80円レベルの攻防にまずは注目。底堅さはうかがえるものの、下回ると144円割れも否定はできない。

上値も重いがドルは底堅く推移か

ドル円日足



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