ドル円、一時再び142円台まで下落、荒い値動き続く
8日午前の東京市場で、ドル円は急反落後に値を戻す荒い値動き。朝方143.72レベルで取引の始まったドル円は、序盤144円を挟んでもみ合った後、仲値公表にかけて急速に値を下げ一時142.50の安値をつけました。その後は買い戻しも入り一旦143.62まで反発した後もみ合いとなり、東京時間正午現在は143.45付近で取引されています。
日経平均株価は、急激に進行した円高を嫌気して、輸出関連株を中心にほぼ全面安の展開となっており、552円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、一昨日の日銀氷見野副総裁の大分県での金融経済懇談会における金融緩和政策転換への道均しともとれる講演内容に加え、昨日の植田日銀総裁の参議院財政金融委員会での「(金融政策運営が)年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」との発言から、本邦での金融緩和政策早期修正観測が急速に台頭したことの余波が続き、ドル売りが継続。ストップロスを巻き込んで、深夜2時台に一時141.71まで急落し、東京時間の147円台前半からは5円超の暴落相場となりました。ただ、その後の返しも急で144.14まで戻してNY時間を終えています。
テクニカルにはドル円は、昨晩の急落で中期サポートラインを明確に下抜けたばかりか、一時200日移動平均線(昨日142.30)をも割り込む予想外の展開となりました。200日線や昨年1月安値127.23から11月高値151.91までの上昇の38.2%戻し142.48をクリアに下方ブレイクした場合には、同半値戻しの139.57が視野に入って来ます。一方上方向は転換線が145.27付近に降りてきており、節目の145円ということもあり、145円台前半が一旦のレジスタンスの目安になりそうです。
今晩は注目の米雇用統計の発表が予定されています。市場予想は、「非農業部門雇用者数」が前回15万人よりやや改善する18.3万人増となっており、今週米国の雇用関連指標がどれも弱く出ていることを考えると、一段の悪化からのドル売りとなることも考えられる反面、雇用統計前に一相場終わった感じもあり、結果如何にかかわらず、一旦調整の買い戻しが入る可能性にも注意が必要です。
ドル円日足
ドル円週足
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