上下とも攻めにくく、目先はレンジ継続か
〇本日ドル円、積極的な動意は手控えられる展開、147.05-40のレンジ取引に終始
〇氷見野日銀副総裁の発言、為替市場への影響は限定的、16時現在147.20前後で推移
〇今週末の米雇用統計を前に、短期的には147円挟みのレンジ取引が続く可能性も
〇テクニカルには、基本的なリスクはドル安方向だが、12/4の146.24で短期的には底入れか
〇本日は米11月ADP雇用統計や10月貿易収支の発表に要注意
〇予想レンジは146.50-147.50、ドル高・円安方向は12/4高値の147.44が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値146.57レベルをめぐる攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場はレンジ取引。147円前半での一進一退にとどまり、方向性も乏しかった。
ドル/円は147.15-20円で寄り付いたものの、積極的な動意は手控えられる展開。147.05-40円といったレンジ取引に終始している。途中、氷見野日銀副総裁から「出口にスケジュールはない、状況を虚心坦懐に判断する」といった発言が聞かれたものの、為替市場への影響は限られた。16時現在では147.20円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「露ウクライナ情勢」について。
前者は、幾つか興味深い話が聞かれたが、その最たるものはムーディーズによる中国の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更するとの発表。理由については、債務問題を懸念した結果だと指摘していた。ただ、この話には追加情報があり、それは「ムーディーズが発表した数時間前に、中国の対話アプリ『微信(ウィーチャット)』でそうした憶測が流れていた」−−ことである。ロイターでは、「憶測」とマイルドに表現していたが、タイミングの良さから「情報漏洩」などとやや煽情的に取り上げるメディアもあり、今後別の意味で思惑を呼ぶ可能性もありそうだ。
対して後者は、ロシアの日刊紙が、同国高官の話として、「ロシアがウクライナとの停戦交渉を西側諸国の領土内で行う可能性がある」と報じ、物議を醸す。そうしたなか、ウクライナのイェルマーク大統領府長官から、米国の対ウクライナ支援が遅延されれば「戦争敗北リスクが生まれる」などとした懸念コメントが発せられていた。一方、それとは別にロシア最大のモスクワ取引所は、米制裁の対象となった場合、ドル取引を停止すると発表していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は小康。4日に146.24円の直近安値を示現したが、昨日そして本日と同レベルを下回れずにいる。もちろん、ドルは大底を付けたとまでは言わないが、151.92円を起点に5円を大きく超える下げを記録しており、いわゆる下げの「第一波」は終了か。今週末に重要な米経済指標の発表を控えていることもあり、短期的には147円挟みのレンジ取引が続く可能性も否定できない。
引き続き日米欧の金融政策にまずは注目。とくに米金利情勢が注視されており、そうした意味では発表される米経済指標などに本日も注意を払いたい。ただし、昨日欧米時間にはシュナーベルECB専務理事による「追加利上げの可能性低い」発言が波乱要因になった感があり、欧州金利情勢も予断を許さず。なお、それとは別に米ホワイトハウスは、「バイデン氏が6日にG7首脳とオンライン会合開催をする」と発表しており、こちらを警戒している向きは少なくない。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場の基本的なリスクはドル安方向に高いものの、4日の146.24円で短期的には底入れか。しかし、移動平均の21日線や90日線、一目均衡表の先行帯の雲などがドルの戻りを抑制しそう。したがって米雇用統計の発表をにらみつつ、目先は146.50-147.50円をコアにしたレンジ取引が続く可能性もある。また、ドルが再下落に転じた場合、145円割れまで一気にドル安が進む展開も。
本日は米経済指標として、11月のADP雇用統計や10月の貿易収支などが発表される予定となっている。週間を通してもっとも注視されている週末の米雇用統計を前にし、昨日も発表された米雇用データが相場のかく乱要因となっただけに、本日も同様の展開に一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.50-147.50円。ドル高・円安方向は昨日そして本日も超えられていない4日高値の147.44円が最初の抵抗。上抜けると一目の雲の下限が位置する148円前後を目指す。
対するドル安・円高方向は、昨日安値146.57円レベルをめぐる攻防に注目。割り込むと4日安値146.24円がターゲットとなる。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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