ドル円は100日MA手前の147円前半で推移、米ADP雇用者数発表後ももみ合い継続か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、株高や米10年債利回りの小幅反発などを材料に147円台前半で推移した。
昨晩の海外時間では、JOLTS求人件数が873.3万人と市場予想(942.0万人)を下回った一方、ISM非製造業景気指数は52.7と市場予想(52.4)を上回るなど米経済指標はまちまちの結果に。米10年債利回りは4.1592%まで低下したが、ドルは146円台半ばで下げ止まった後は147円台を回復。その後は、100日移動平均線(MA)水準手前でのもみ合いとなった。
東京時間では、今晩のADP雇用者数を見極めたいとするムードが強く、100日MAを上回るような買いは手控えられた。ただ、時間外の米10年債利回りは4.18%とやや反発したほか、株式市場で日経平均が大幅反発となったことなどがドルの支援材料となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円11銭
高値:147円40銭
安値:147円09銭
終値:147円18銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円84銭
高値:159円09銭
安値:158円80銭
終値:158円96銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円41銭
高値:97円17銭
安値:96円37銭
終値:96円97銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:185円23銭
高値:185円80銭
安値:185円23銭
終値:185円61銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32928円92銭
高値:33452円13銭
安値:32914円09銭
終値:33445円90銭(前日比+670円08銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時00分、欧、ユーロ圏小売売上高(前月比):前回:−0.3%、市場予想:0.1%
19時00分、欧、ユーロ圏小売売上高(前年比):前回:−2.9%、市場予想:−1.0%
20時00分、英、ベイリー英中銀総裁が英中銀金融安定報告について会見
22時15分、米、ADP雇用者数(前月比)、前回:11.3万人、市場予想:12.0万人
22時30分、米、貿易収支、前回:−615.0億ドル、市場予想:−632.0億ドル
24時30分、米、原油在庫(前週比)、前回:161.0万バレル
※FRBブラックアウト期間中(金融政策に関する発言自粛期間)(14日まで)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、遅行スパンが実線を下回っているほか、雲下限も下放れておりトレンドは悪化している。一方、ボリンジャーバンドでは、拡大する−2σで下げ止まっており、147円40銭水準の100日MA手前で推移。短期的な反発狙いのドル買いが入った際は、雲下限が位置する148円10銭水準がターゲットとして意識されよう。
今晩は、22時15分に注目経済指標の米ADP雇用者数が発表される。前日のJOLTS求人件数が市場予想を下回ったものの、市場では週末の米雇用統計への期待感が残っており、ドルの下支えとなっている。米雇用統計の前哨戦ともいえる米ADP雇用者数が市場予想を下回った際、米雇用統計への期待感はさすがに剥落しそうだが、米ADP雇用者数と雇用統計の結果がまちまちとなることはよくあることから、雇用統計への期待感は残りそうだ。
そして、米ADP雇用者数が市場予想を上回る強い数字となったとしても、「週末の米雇用統計、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたい」というムードが強まり、足元の上値抵抗ラインである100日MAが位置する147円40銭水準を上放れるのは難しいと考える。結局は、ADP雇用者数が発表されても、ドルは動かずとなりそうだ。
なお、昨日、シュナーベル欧州中央銀行(ECB)理事が、「欧州のインフレは顕著な鈍化を示しており、追加利上げの可能性はかなり低い」と発言した。シュナーベル氏は、「追加利上げの可能性を排除するのは時期早々だ」と警告するなどECBでは代表的なタカ派である。
この発言を受けて、ECBが早い段階で「利下げ」を検討及び実施する可能性が浮上している。対ドルで1.10まで上昇していたユーロは足元1.08前後まで調整。ドルより早い利下げ観測が強まることで、ユーロは上昇前の水準である11月中旬の1.07前後まで下落が続くと考える。
今晩の海外時間では、ADP雇用者数に対する市場の反応は限定的と想定。上値メドは147円60銭、下値メドは146円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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