ドル円、膠着相場が継続中。市場はイベント待ち
〇ドル円147円台前半、米国時間朝方に147.52まで反発後方向感を失う
〇ADP雇用統計は市場予想下回り、米10年債利回りは9/1以来の4.10%台へ下落
〇ユーロドル、域内経済指標の不冴え、ECBの早期利下げ観測に一時1.0772まで下落
〇ドル円、今週初の安値146.23をボトムに下値を切り上げ、短期の地合い改善
〇ファンダメンタルズも円キャリーの継続期待、米早期利下げ織り込みの行き過ぎ感がサポート
〇米雇用統計や、来週の日米欧英の金融政策イベントを前に、本日も方向感を見出しづらい時間帯続く
〇本日の予想レンジ:146.75ー147.75
海外時間のレビュー
6日(水)のドル円相場は方向感に欠ける展開。欧州時間朝方にかけて、安値146.90まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)株式市場の堅調推移(日経平均株価や欧米株の堅調推移→リスク選好の円売り圧力)や、(2)米長期金利の低下幅縮小、(3)短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値147.52まで反発しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米11月ADP雇用統計(結果+10.3万人、予想+13.0万人)の市場予想を下回る結果や、(5)米10月貿易収支(結果643億ドル赤字、予想642億ドル)の市場予想を上回る赤字幅拡大、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが9/1以来の低水準となる4.10%へ急低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間12/7午前5時40分現在)では、147.39前後で推移しております。
6日(水)のユーロドル相場は冴えない動き。(1)ドイツ10月製造業受注(結果▲7.3%、予想▲3.9%)の市場予想を下回る結果や、(2)ユーロ圏10月小売売上高(結果▲1.2%、予想▲1.1%)の市場予想を下回る結果、(3)格付け会社ムーディーズによる中国の格付け見通しの引き下げ発表(安定的→ネガティブ)、(4)ECBによる早期利下げ観測(短期金融市場は来年末までの150bp利下げを完全に織り込む状態。利下げ開始時期は来年3月頃に前倒し)が重石となり、米国時間朝方にかけて、一時1.0772まで下落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(5)ラトビア中銀カザークス総裁による「2024年上期に利下げする必要はない」とのタカ派的な発言や、(6)スロバキア中銀カジミール総裁による「来年1ー3月の利下げ期待は非現実的」とのタカ派的な発言、(7)米経済指標(米11月ADP雇用統計や米10月貿易収支)の冴えない結果、(8)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、日本時間23時過ぎに、高値1.0804まで反発しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(9)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「利下げに関する議論は2024年に浮上する可能性がある」とのハト派的な発言や、(10)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0758まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間12/7午前5時40分現在)では、1.0762前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は方向感に欠ける値動きが続いていますが、今週初に記録した安値146.23をボトムに下値を切り上げてきているため(146.23→146.55→146.90)、短期的な地合いの改善が期待されます(60分足ベースで一目均衡表三役好転が成立)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策格差に着目した円キャリートレードの継続期待など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料も揃っています(米FRBによる早期利下げの織り込みには行き過ぎ感がみられるため、早晩市場の織り込みが是正される恐れあり。
また、昨日は氷見野日銀副総裁より「物価目標実現見通せるまで粘り強く緩和継続」との発言が見られるなど、日銀による金融緩和の長期化スタンスを強調する一幕あり)。今週末金曜日に予定されている米雇用統計や、来週予定されている日米欧英の金融政策イベントを前に、本日も方向感を見出しづらい時間帯が続くと考えられますが、当方では引き続き、年末にかけて、ドル円相場が持ち直す展開をメインシナリオとして予想いたします(来週の金融政策イベント通過後にドル高・円安トレンドが再開するシナリオを想定)。尚、本日は米11月チャレンジャーレイオフ調査や、米新規失業保険申請件数、米10月卸売売上高などが予定されております。
本日の予想レンジ:146.75ー147.75
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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