次々にサポート割り込む、ドル続落要注意(11/29夕)

29日の東京市場はドルが弱含み。一時147円割れを記録し、9月半ば以来の安値を示現したが終盤にかけてはやや下げ渋った。

次々にサポート割り込む、ドル続落要注意(11/29夕)

次々にサポート割り込む、ドル続落要注意

〇本日のドル円、昼前に147円を割り込み日中安値146.65-70まで値を崩す
〇その後は持ち直しの動きが優勢。147円台を回復、16時現在147.20-25で推移し欧米市場を迎える
〇NZドル一時急騰、対円で91円台まで1円近く上昇。同国中銀の追加利上げ言及を好感
〇7月安値137.25を起点とした上昇に対するフィボナッチの38.2%押し146.30-35の攻防に注目
〇テクニカルポイントを次々割り込みドル安リスクが急速に強まっているため続落に要注意
〇ドル高円安方向は本日東京高値圏147円半ば巡る攻防に注目。上抜けると90日線がターゲット
〇ドル安円高方向、146.65-70が最初の下値メド。欧米時間のドル円予想レンジは146.40-147.70

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場はドルが弱含み。一時147円割れを記録し、9月半ば以来の安値を示現したが終盤にかけてはやや下げ渋った。

ドル/円は寄り付いた147円半ばを日中高値にドルは軟調裡。徐々に値を下げ、昼前には147円を割り込み、日中安値の146.65-70円まで値を崩している。しかし、その後は逆に持ち直しの動きが優勢で、147円台を回復。16時現在では147.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、NZドルが一時急騰。対円では90円台前半から91円台まで1円近い上昇を見せた。同国中銀が予想通りながら金利の据え置きを発表するなか、追加利上げの可能性に言及したことなどが好感されていたもよう。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策など」と「ロシア情勢」について。
前者は、発表された11月の米消費者信頼感指数が改善する反面、同リッチモンド連銀製造業指数は逆に悪化するなど好悪が混在。そうしたなか、シカゴ連銀総裁からは「インフレは低下しているが目標に戻っていない」としたやや強気な発言が聞かれていた。しかし、ウォラーFRB理事から「景気回復などとは無関係に、インフレ率が低下したという理由のみで政策金利を引き下げ始めることができる」とのコメントが発せられたことで、一気に米利下げ機運が強まると、実際の米金利も低下。ドル/円などでドル売りが進行した一因になっていた。

対して後者は、北欧フィンランドがロシアと接する国境を2週間全面閉鎖すると発表し話題に。そうしたなかプーチン氏は参加したオンラインイベントで、「我々はいま全世界の自由のために戦っている」などとウクライナ侵攻を改めて正当化したほか、来年のロシア大統領選について触れ、「外国の干渉があれば侵略行為と見なす」と西側諸国を恫喝するようなコメントを発していたようだ。なおロイターは、米国務省高官が「プーチン氏は来年11月の米大統領選の結果を確認するまではウクライナと和平で合意することはない」と述べたと報じている。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、短期で形成していた小レンジ148-150円の下限だけでなく、期間を長くした大レンジ147.15-151.92円の下限も、本日東京時間に一時割り込んできた。やや売られ過ぎの域に入ってきたことは気になるが、リスクはドル安方向にバイアスで続落にも要注意。7月安値137.25円を起点とした上昇に対するフィボナッチでは、間近に迫った38.2%押し146.30-35円の攻防にまずは注目だ。
市場の関心は依然として日米欧の金融政策会合に高いなか、先でも取り上げたように、昨日は「米早期利下げ思惑」が台頭。ドルの弱材料となっていた。本日も、発表される米経済指標ならびに通貨当局などによる発言にまずは要注意だ。一方、それとは別にウクライナやガザ、北朝鮮などをめぐる地政学リスクの高まりも、波乱要因として注意しておきたい。ちなみに、北朝鮮は「12月1日午前0時のあいだに人工衛星を発射する」と事前に通報しており、期限までにもう一度ミサイル発射に動く可能性もある−−などと警戒感を抱く声も一部で散見されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円相場の下落は止まらず。移動平均では21日線に続き90日線を下回ってきたほか、一目均衡表では先行帯の雲の上限を下回ったことに続き同下限(147.30円レベル)も本稿執筆段階ではわずかに割り込んで推移している。移動平均などの複数チャートにおけるテクニカルポイントを次々割り込んでおり、ドル安リスクが急速に強まっていることは否めず、続落にも要注意だ。
本日は米経済指標として、7-9月期GDP統計改定値などが発表されるほか、米地区連銀経済報告も公表される予定だ。またクリーブランド連銀総裁による「金融安定化について」の講演も実施される。昨日に続き当局者の発言が波乱の要因にもなることも。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.40-147.70円。ドル高・円安方向は本日東京高値圏の147円半ばをめぐる攻防に注目。上抜けると90日線がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる146.65-70円が最初の下値メド。割り込むとフィボナッチポイントの146.30-35円を目指す。

次々にサポート割り込む、ドル続落要注意

ドル円日足


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