ドルは9月以来の146円台に突入、タカ派のメスター氏の発言次第で更なるドル売りか(23/11/29)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、要人発言に伴う早期の米利下げ観測の高まりを背景に、一時146円台に突入する場面が見られた。

ドルは9月以来の146円台に突入、タカ派のメスター氏の発言次第で更なるドル売りか(23/11/29)

ドルは9月以来の146円台に突入、タカ派のメスター氏の発言次第で更なるドル売りか

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、要人発言に伴う早期の米利下げ観測の高まりを背景に、一時146円台に突入する場面が見られた。

昨晩の海外時間では、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が「今後数か月後の利下げの可能性」に言及したことや、グールズビー・シカゴ連銀総裁が「長期に渡る高金利は何らかの懸念となる可能性がある」と発言したことなどから、来年早期の利下げ観測が高まり、ドルは下落。東京時間の147円99銭を割り込み147円台半ばまで売られた。

東京時間でも、ドルの下値模索は継続。10時の値決めのタイミングで月末の円買い需要が発生したことや、消費者物価指数下振れで豪ドルが売られたことなども加わり、ドルは9月11日以来となる146円台に突入した。売り一巡後は147円台を回復したが、時間外で米10年債利回りは4.28%と低迷。米10年債利回りの低下が重しとなり、ドルは短期的なリバウンドに留まった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:147円44銭
高値:147円44銭
安値:146円68銭
終値:147円15銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:162円09銭
高値:162円10銭
安値:161円55銭
終値:161円89銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:98円00銭
高値:98円03銭
安値:97円64銭
終値:97円77銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:187円19銭
高値:187円27銭
安値:186円63銭
終値:187円07銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:33244円43銭
高値:33516円23銭
安値:33179円07銭
終値:33321円22銭(前日比−87円17銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

19時00分、欧、景況感指数、前回:93.3、市場予想:93.4
22時00分、欧、独消費者物価指数(前月比)、前回:0.0%、市場予想:−0.2%
22時00分、欧、独消費者物価指数(前年比)、前回:3.8%、市場予想:3.5%
22時30分、米、実質GDP(前期比年率)、前回:4.9%、市場予想:4.9%
24時30分、米、原油在庫(前週比)、前回:870.0万バレル、市場予想:−165.0万バレル
27時45分、米、メスター・クリーブランド連銀総裁が講演
28時00分、米、地区連銀経済報告(ベージュブック)

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表では、遅行スパンが実線を下回っているほか、147円前半の雲下限も割り込むなど下向きのバイアスが強まっている。雲下限をサポートとした展開を期待していたが、短期的なトレンド悪化に伴うドル売り圧力は強い。

ボリンジャーバンドでも拡大する−2σを下放れる「バンドウォーク」が発生しており、下値模索といった状況だ。11月21日に残した下影(下ヒゲ)を下回ったことから、8月中旬から9月上旬にかけてもみあった145円台後半レベルを意識した展開となろう。

今晩の米実質GDPや、ベージュブックへの関心が高まっているほか、12月12日から13日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)ブラックアウト期間(開催前2週間は関係者が金融政策に関して発言できなくる)入りが近づいていることもあり、メスター・クリーブランド連銀総裁の講演に注目が集まっている。
メスター氏は、ウォラー氏に並ぶ「タカ派(金融引き締めに積極的)」と市場で見られていることから、発言次第では、ドルが一気に146円台割れを試す展開もある。

一方、メスター氏から「タカ派」な発言が確認できた際、市場はドル買戻しの反応を示すだろう。

メスター氏は、10月20日に「米金融当局による積極的な利上げは終わりに近づいている」「経済の動向次第では年内にあと1回金利を引き上げることが、なお望ましい」「金利はピーク圏内にあり、その後は当面据え置くことができる」と述べた。この時既に、10月上旬の「11月利上げの可能性を支持する」という発言のトーンから一段下げた印象の発言だった。

「経済の動向次第」という前提を考慮すると、14日の消費者物価指数など弱い米経済指標を受けて、発言のトーンはより下がる可能性がある。つまり、今の米経済情勢を考えると、メスター氏が「タカ派」を維持するのは厳しいだろう。

上記を考慮すると、「タカ派」だった政府要人による「ハト派」もしくは「ややハト派」な発言を受けて、今晩の海外時間でもドルが下向きのバイアスを強めると想定する。上値メドは147円50銭、下値メドは146円00銭とする。

ドルは9月以来の146円台に突入、タカ派のメスター氏の発言次第で更なるドル売りか

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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