小レンジ下限148円割れの有無に注目
〇本日のドル円、148.65-70で寄り付き、夕方には一時148円割れも、ドル続落の展開
〇148-150円の小レンジ下限を一時的に割り込み、再び下方向のリスクが強まってきたか
〇本日も発表される米経済指標と要人の発言に一喜一憂する展開か
〇ドル円予想レンジは147.80-149.00、ドル高・円安方向は149円レベルが最初の上値メド
〇ドル安・円高方向は、148円割れをめぐる攻防にまず注目
<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場はドルが続落。夕方には、一時148円割れをワンタッチする局面も。
ドル/円は148.65-70円で寄り付いたものの、ドルの上値は重く上げ渋り。寄り付きレベルを日中高値にドルは小安い展開をたどっている。しかし、148円レベルは底堅く下げ渋るも、夕方にかけて147円台をワンタッチ。結局大崩れすることはなかったが、16時現在では安値圏の148.30円前後で推移し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「中東情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、カタール外務省が、イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止の期限を、新たに2日間延長することで合意したと発表した。これを受け、バイデン米大統領や国連事務総長から歓迎のコメントも発せられている。しかしその一方、米国防総省のライダー報道官は、イエメンからアデン湾に弾道ミサイル2発が発射されたことを明らかにしたうえで、航行中の米ミサイル駆逐艦メイソンが標的にされた可能性があるとコメントしていた。中東の緊張に拍車がかかりかねない由々しき出来事で、続報などが気に掛かる。
対して後者は、北朝鮮が弾道ミサイル技術を使った軍事偵察衛星の発射を強行したことを受け、国連安保理が緊急会合を開催。そのなかで、北朝鮮の国連大使から「衛星打ち上げ正当化」の話が聞かれるなか、本題については米国を中心とした西側諸国と中露が激しい対立をみせ、結局今回も一致した対応を取れなかったようだ。なお、北朝鮮はそののち国営の朝鮮中央通信を通し、偵察衛星を打ち上げたことにより、米ホワイトハウス、国防総省、ノーフォーク海軍基地の米空母の写真を撮影することに成功したと伝えられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は大レンジとして147.15-151.92円というボックス圏を形成するなか、少し期間を狭くした場合には148-150円ほどの小レンジをたどってきた。しかし、先で指摘したように本日東京で小レンジ下限の148円を一時的に割り込む局面も観測されており、再び下方向のリスクが強まってきたのだろう。148円をしっかりと下回れば、大レンジの下限147.15円が再度意識されそうだ。
市場の関心は依然として日米欧の金融政策会合に高いなか、本日も発表される米経済指標と要人の発言にまずは一喜一憂する展開か。ただ、ウクライナやガザなどをめぐる地政学リスクの高まりが懸念要因として取り沙汰されており、とくに後者のガザ・中東情勢と絡めて米国に対する挑発行為ともいうべき動きがたびたび観測されていることが気になる。本気で米国が参戦するような事態になったら、金融市場も大荒れの展開は必須だろう。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は一目均衡表の先行帯の雲の上限(149円前後)を27日のNYクローズで再び割り込む展開。そして本日東京でドルはさらに続落している。ドル安方向へのリスクが再燃した感があるなか、147.60-70円までレベルを切り上げてきた移動平均の90日線をめぐる攻防にまずは注目か。下回ると21日安値の147.15円がターゲットに。
本日は米経済指標として、11月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表される予定となっている。また、ウォラーFRB理事の講演なども実施される見込みで、当局者の発言も一応要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは147.80-149.00円。ドル高・円安方向は昨日NYクローズでも下回った一目の雲の上限が位置する149円レベルが最初の上値メド。ただ、仮に上抜けても頭は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京でワンタッチした148円割れをめぐる攻防にまず注目。割り込むと90日線が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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