ドル円見通し 大幅下落の半値を戻して反騰一服、149円割れは買われてしっかり(23/11/24)

日米が祝日となった23日は午後に148.87円まで下げたものの149円割れを買われて149.68円まで切り返したが、23日未明高値には届かなかった。

ドル円見通し 大幅下落の半値を戻して反騰一服、149円割れは買われてしっかり(23/11/24)

ドル円見通し 大幅下落の半値を戻して反騰一服、149円割れは買われてしっかり

〇ドル円、11/22早朝148.59へ反騰、夕刻149.34へ一段高、11/23未明に149.74まで高値を切り上げる
〇祝日の11/23は午後148.87まで下げたものの149.68まで切り返したが、11/23未明高値には届かず
〇11/21夕安値までが二段目の下げ、その後反騰一巡して下落再開ならば、三段下げへ向かう可能性も
〇新規失業保険申請件数は大幅減少、ミシガン大期待インフレ率は上昇、ドル高反応を招いた印象
〇148.87を割り込まないうちは上昇余地ありとし、149.74超えからは150円台序盤への上昇を想定する
〇148.87割れからは下落期入りとして、148円前後への下落を想定する

【概況】

ドル円は11月13日夜の年初来高値151.90円で昨年10月21日高値151.94円に迫ったところから下落に転じ、11月16日から20日まで3営業日連続の陰線となったが、11月21日に147.15円まで安値を切り下げたところから買い戻されて22日早朝に148.59円へ反騰し、22日午前に148円を試してから夕刻に149.34円へ一段高となり、その後に149円を割り込んだところも買われて23日未明には149.74円まで高値を切り上げた。
11月22日夜の米経済指標はまちまちだったものの新規失業保険申請件数が大幅に改善したことをきっかけにドル高が進行、24時発表の米ミシガン大消費者調査での期待インフレ率上昇後に一段高した。
日米が祝日となった23日は午後に148.87円まで下げたものの149円割れを買われて149.68円まで切り返したが、23日未明高値には届かなかった。
米国債券市場は休場だったが、10年債利回りは時間外取引で22日終盤の4.41%から4.45%へ上昇している。

【三段下げへ向かうか試される】

11月13日夜高値151.90円から11月21日夕安値147.15円までの下げ幅4.75円に対して11月23日未明高値149.74円までの上昇幅が2.59円となり、半値戻しの149.52円を上回ったが、150円には届かずにいる。23日午後安値への下げ幅は0.87円で、21日夕からの反騰幅に対して凡そ3分の1を削ったとこで買われている。
11月13日夜からの下落規模は6月30日高値145.06円から7月14日安値137.24円までの下落時(下げ幅7.82円)や3月8日高値137.91円から3月24日安値129.63円への下落時(下げ幅8.28円)に匹敵する動きと思われる。
11月15日夜安値までを一段目の下げとすれば、11月21日夕安値までが二段目の下げであり、その後の反騰が一巡して下落再開に入れば三段下げの三段目に入る可能性もある。ドル円の中勢レベルでの上昇基調が一巡して下落規模が深まるのか、148円割れを押し目底として反騰を継続してゆくのか、月末にかけて試される局面と思われる。

【新規失業保険申請件数の大幅減少、ミシガン大期待インフレ率の上昇】

11月22日夜に発表された新規失業保険申請件数は11月18日までの週間で前週比2万4000件減の20万9000件となり2週ぶりの大幅改善で市場予想の22万6000件を下回った。大幅な減少だったために労働需給ひっ迫感を意識させてドル高反応を招いたが、4週間平均では22万件となり前週比は750件の減少であり、翌週のデータにより継続的な改善だったのかどうか見定める必要がある。11月11日までの失業保険受給者総数は184万人で前週から2万2000人減少して市場予想の187.5万人を下回った。
米10月耐久財受注は前月比5.4%減となり9月の4.6%増から大幅に悪化して市場予想の3.1%減も下回り、輸送機器を除くと9月の0.4%増から0.0%へ鈍化して市場予想の0.1%増を下回った。

ミシガン大による11月の消費者信頼感指数は61.3となり10月の60.4及び市場予想の60.6を上回った。同時に発表された消費者の期待インフレ率は1年先で4.5%となり10月の4.2%を上回って今年4月以来の高水準に達し、5年先では3.2%となり10月の3.0%を上回って2011年以来の高水準となった。
11月22日早朝に公開されたFRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(米連邦公開市場委員会、10月31−11月1日開催)議事要旨で「インフレ低下の進展が不十分なら追加利上げは適切となる」との姿勢が示されたことも併せて新規失業保険申請件数の大幅減少とミシガン大の期待インフレ率上昇が来年の早期利下げ期待を後退させてドル高反応を招いた印象だ。
米経済指標発表を通過して米金利先物市場での来年3月利上げ確率は発表前の31%から24%へ低下、5月利下げ確率は63%から53%へ低下した。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は11月13日深夜高値151.90円を起点とした下落が11月21日夕安値で一巡してリバウンドに入っているとして、22日午前時点では22日の日中から23日夕にかけての間への上昇余地ありとした。
11月23日未明高値から反落したものの149円割れを買われて切り返しているので上昇期がさらに伸びる可能性があるが、23日午後安値148.87円割れからは戻り一巡による下落期入りとして24日夕から28日夕にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では11月22日午後からの上昇で遅行スパンが好転し、その後の続伸で先行スパンを上抜いたが、149円台後半に抵抗感が出ているので遅行スパンは実線と交錯している。遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、23日午後安値148.87円割れからは下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。その際に先行スパン下限までにとどまって先行スパンを上抜き返す場合は上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合は11月13日夜からの下落が三段下げ型に発展する可能性が高まると注意する。

60分足の相対力指数は11月22日夕から23日未明への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため、45ポイント以上を維持するうちは一段高余地ありとするが、45ポイント割れからは下落期入りとみて30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、11月23日午後安値148.87円を下値支持線、11月23日未明高値149.74円を上値抵抗線とする。
(2)148.87円を割り込まないうちは上昇余地ありとし、149.74円超えからは150円台序盤への上昇を想定する。150円到達では売られやすいとみるが、148.87円割れを回避するうちは週明けも高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)148.87円割れからは下落期入りとして148円前後への下落を想定する。148円以下は反騰注意とするが、148.87円を割り込んでの推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の予定】

11/24(金)
米国は株式・債券・商品市場で短縮取引
14:00 (日) 9月 景気一致指数CI・改定値 (速報 114.7)
14:00 (日) 9月 景気先行指数CI・改定値 (速報 108.7)
16:00 (独) 7-9月期 GDP・改定値 前期比 (速報 -0.1%、予想 -0.1%)
16:00 (独) 7-9月期 GDP・改定値 前年同期比 (速報 -0.3%、予想 -0.3%)
16:00 (独) 7-9月期 GDP・改定値・季調前 前年同期比 (速報 -0.8%、予想 -0.8%)
18:00 (独) 11月 IFO企業景況感指数 (10月 86.9、予想 87.5)
19:00 (欧) ラガルド欧州中銀総裁、独連銀イベント参加
21:00 (欧) デギンドスECB副総裁、講演
23:45 (米) 11月 製造業PMI・速報値 (10月 50.0、予想 49.8)
23:45 (米) 11月 サービス業PMI・速報値 (10月 50.6、予想 50.4)

11/27(月)
08:50 (日) 10月 企業向けサービス価格指数 前年同月比 (9月 2.1%)
24:00 (米) 10月 新築住宅販売件数・年率換算 (9月 75.9万件、予想 72.5万件)
24:00 (米) 10月 新築住宅販売件数 前月比 (9月 12.3%、予想 -4.5%)



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