ドル下落も一旦落ち着き、目先はレンジか
〇ドル円、東京休場の中、ドル売り優勢、149.55を高値に一時149円割れも
〇下値リスクが高まりつつあるが、ドル下押しの第一波も終了か
〇ドル円、147.15-151.92円という新たなボックス圏を形成か
〇本日米国が感謝祭の休日のため、米経済指標の発表や地区連銀総裁の講演などは予定されていない
〇欧米時間のドル円予想レンジ148.60-149.60
<< アジア市場の動き >>
23日のアジア市場はドルが冴えない。東京が休場となるなか、ドル売りに押される展開をたどっている。
ドル/円は、寄り付いた149.55円レベルを日中高値にドルは緩やかな右肩下がり。途中下げ渋る局面も見られたが、おおむね「寄り付き高・大引け安」と言ってもよい値動きだった。終盤にかけて149円を一時割り込む展開も見られるなか、16時現在では小戻した149.00-05円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「北朝鮮情勢」と「G20サミット」について。
前者は、21日の午後10時40分ころ「人工衛星」と称するミサイルを発射した北朝鮮が、昨22日再度ミサイルを発射。韓国の聯合ニュースは「午後11時5分ごろ、弾道ミサイルを東方の海上に向け発射したものの、失敗に終わったもよう」と報じていた。そうした状況下、韓国が一歩先んじて「南北軍事合意を一部停止する」ことを明らかにしたことに北朝鮮も対抗。朝鮮中央通信を通じ、南北軍事合意によって停止していたすべての軍事的措置を再開するとともに、軍事境界線付近に「強力な武力と新型軍事装備を配置する」と宣言していた。俄かに情勢がキナ臭さを増してきた。
対して後者は、オンライン形式でG20サミットが開催され、日米首脳などとともに中国からは李強首相が参加、またロシアのプーチン大統領も出席している。そのなか、ドイツのショルツ首相はプーチン氏に「ウクライナ侵攻をやめろ」と直言したほか、日本の岸田首相も「各国が非難してきているにもかかわらずいまも続いており、世界の持続可能な発展の基盤を揺るがしている」とロシアを批判したという。その一方、プーチン氏は演説を行い、「わたしたちはこの悲劇を止める方法を考えなければならない」と一方的に主張するとともに、厚顔無恥にも「ウクライナとの和平交渉を拒否していない」と強弁していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は21日に一時147.15円まで下落するなど、依然とは基調が一変し下値リスクが高まりつつあるが、前述安値でドル下押しの第一波も終了か。それを受け、ややレンジは広いものの147.15-151.92円というボックス圏を形成したようだ。しばらくは148-150円あたりをコアレンジにした往来相場で次の方向性を探る動きか。
引き続き日米欧の金融政策会合を注視する向きが多く、潜在的な材料に。しかし、短期的には北朝鮮情勢、そして同国のミサイル発射に端を発した地政学リスクの高まりが警戒されている。ロシアによるウクライナ侵攻が依然として続くなか、パレスチナ対イスラレルという中東での紛争、さらに朝鮮情勢不安−−と懸念が世界各地に飛び火、広がりつつある。場合によっては、朝鮮情勢不安もしくはアジアの地政学リスクが為替市場においても材料視され、相場の波乱要因となりかねない。
テクニカルに見た場合、ドル/円相場は微妙なところだが、ドルの上値トライに続き短期の下値トライも終了した可能性がある。つまり、147.15-151.92円というボックス圏を形成したわけで、短期的にはボックス内で次の方向性を探るような値動きか。ただ、これまで上向き傾向だった移動平均の21日線がいよいよ下降に転じ始めており、これに上値を抑えられる格好でドルの上値は少しずつ重くなる、といった見方をする向きもあるようだ。
本日は米国が感謝祭の休日に当たるため、米経済指標の発表や地区連銀総裁らの講演などはとくに予定されていない。ただ、欧州で11月のユーロ圏製造業PMI速報発表や、10月開催分ECB議事要旨公表などが予定されている。内容次第だがユーロ主導の展開には一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは148.60-149.60円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる149.60円レベルが目先の抵抗。超えれば昨日高値149.75円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する148.80円レベルの攻防にまずは注目。割り込むと、昨日安値148.03円が視界内に捉えられそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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