一目の雲の上限も割り込む、ドル続落に注意
〇ドル円、148.35-40で寄り付き、148.10レベルで下げ渋るも底割れすると、147.25レベルまで値を崩す
〇一目均衡表の先行帯の雲の上限も割り込み、ドルのリスクは下方向で続落にも要注意
〇単なる調整ではなく、ドル高ピークアウトについても留意する必要があるか
〇欧米時間のドル円予想レンジは146.90-148.00、ドル高・円安方向は148円レベルが目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値147.25レベルの攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場はドルがさらに続落。一時147円前半まで値を下げたが、これは9月半ば以来の安値だった。
ドル/円は148.35-40円で寄り付いたのち、しばらくは底堅く推移。148.10円レベルをボトムにドルは下げ渋るも、底割れすると、そのままズルズル日中安値の147.25円レベルまで値を崩している。対人民元でドル売りが散見されている、といった噂も聞かれ対円でもドル安進行の一因になっていたという。16時現在では、やや買い戻された147.60-65円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「アルゼンチン情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、19日に投開票されたアルゼンチン大統領選決選投票で、勝利を収めたミレイ次期大統領の態度そして発言が物議を醸している。と言うのも以前からロシア、中国、ブラジルを含む国々の政策に同意できないなどと指摘するなか、今回さらに「最初の外遊先は米国になる」との考えを示していたためだ。12月10日の就任前の訪問に意欲を示しており、米国に次いでイスラエルを訪れるという。それに対しロシアの報道官からは不満を示す「ミレイ氏のロシアに関する発言に留意している」との発表も聞かれるなど、今後の動きにも注目だ。
対して後者は、北朝鮮が今月22日から12月1日のあいだに「人工衛星」を黄海と東シナ海の方向に打ち上げる−−などと日本や韓国に通告。実施されれば今年3回目の試みとなる。これについて日本や韓国が反発。岸田首相は米韓両国と連携し北朝鮮に発射しないよう強く中止を求めることや、情報収集・分析、不測の事態に備えた態勢確保を関係省庁に指示したと発表したほか、韓国も国防省が「強行すれば国民の安全のため必要な措置を取る」と改めて警告していた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、強いサポートとして寄与してきた移動平均の21日線を、先週末NYクローズで「しっかり」と下抜けしたことに続き、本日東京時間には148.40円レベルに位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限も割り込んできた。後者はまだザラ場ベースの動きではあるものの、一度割り込んであとは回復できておらず、上値の重さが懸念されている。いずれにしても、ドルのリスクは下方向で続落にも要注意だ。
引き続き日米欧の金融政策会合が注目されており、本日も発表される米経済指標や米通貨当局者発言に基本は一喜一憂か。しかし、23日の米感謝祭を前にした需給要因や中国情勢(とくに人民元の動き)が波乱要因になっている感もあり、本日も予断許さず。なお、先で取り上げた北朝鮮による「人工衛星」打ち上げについて、韓国では「期間の初日、つまり22日の夜明けに強行する可能性がある」−−といった見方が取り沙汰されているという。事実とすれば、「人工衛星」打ち上げが為替や金融市場に影響を及ぼす可能性もある。
テクニカルに見た場合、過去に何度かレポートしたように、今年7月の安値137.25円をつけて以降のドル/円相場を見てみると、ある高値を示現したのちのドル下押しは最大で4円程度にとどまっており、そののちドルは反発すると高値を更新という値動きの繰り返しだった。しかし、今回の下げは本日東京現在で高値から4.7円ほどの下落となり、これまでのパターンが崩れてきたようだ。つまり、単なる調整ではなく、ドル高ピークアウトについても留意する必要が出てきたと思われる。
本日は米経済指標として、10月シカゴ連銀全米活動指数や同中古住宅販売件数が発表されるほか、1日に結果が公表された米FOMCの議事録要旨が公開される予定だ。また、欧州要人を中心とした講演などの発言機会もあり、こちらも引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは146.90-148.00円。ドル高・円安方向は本日東京で割り込んできた148円レベルが目先の抵抗。超えれば一目の雲の上限がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値147.25円レベルの攻防にまずは注目。近くに90日線も位置するなど、同レベルはなかなか強いサポートといった声も聞かれるが果たしてどうなるか。割り込んでくるようだと146円台も。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.25
東京市場のドルは157円台で推移、植田日銀総裁の余波は弱く一段の円安は回避か(24/12/25)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁の発言を受けて、やや円安ドル高に振れ一時157円50銭台まで上昇した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.25
ドル円157円台前半、主要市場のクリスマス休暇入りで市場閑散 (12/25午前)
25日午前の東京市場でドル円は小動きに終始。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.25
ドル円見通し 第一次トランプ政権における円高の教訓(24/12/25)
ドル円は、157円割れを買われつつ25日未明に157.37円まで高値を若干切り上げて確りしている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:中島 光牙
2023.11.21
東京市場のドルは147円台に突入、雲下限145円80銭水準が下値メドか(23/11/21)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米10年債利回り低下や円キャリートレード解消などが影響して、10月3日以来となる147円台まで下落した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2023.11.21
ドル円147円台に急落、米金利先高観後退とチャート形状の悪化が重石に (11/21午前)
21日午前の東京市場でドル円は急落。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。