ドル強保ち合い、151円台定着うかがう(11/9夕)

9日の東京市場は終盤に値を崩す。一時151円台に乗せるも維持できず、終盤は逆にドル売りに押されていた。

ドル強保ち合い、151円台定着うかがう(11/9夕)

ドル強保ち合い、151円台定着うかがう

〇本日ドル円、一時151.10レベルをつける以外は動意薄、16時現在150.80-85で推移
〇フィボナッチでは、東京高値151.10レベルを超えてくれば、先日高値151.72が視界内に入りそう
〇12月の日米欧金融政策会合をにらみつつ、低金利の円売り安心感は変わらず
〇本日は米新規失業保険申請件数、各国当局者の発言に要注目
〇欧米時間のドル円予想レンジは150.30-151.30
〇ドル高・円安方向は東京高値151.10レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は本日東京安値を含めた150.70-75の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場は終盤に値を崩す。一時151円台に乗せるも維持できず、終盤は逆にドル売りに押されていた。

ドル/円は150.95-00円で寄り付いたものの、全般的に動意に欠ける。ただ、一時151.10円レベルを付け、前日記録した戻り高値をわずかながら更新する局面も。そうしたなか、植田日銀総裁から「マイナス金利とイールドカーブ・コントロール(YCC)を外す順序を表明できない」などとした発言が聞かれたが、目立った影響は見られなかった。終盤にかけてはドルが値を崩すなか、16時現在のドル/円は150.80-85円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「日本の政治情勢」と「ガザ情勢」について。
前者は、朝日新聞などが、「岸田首相が年内の衆院解散を見送る意向を固めた」と報じ、金融市場でも話題に。また、そうした状況下、当の岸田首相は取り巻きの記者団に対し、「まずは経済対策、先送りできない課題ひとつひとつに一意専心取り組む。それ以外のことは考えていない」と述べたという。一方、共同通信が「秋葉国家安全保障局長が9日にも中国を訪問し、中国高官と会談」と報道。日中首脳会談の開催を探ると目されるなか、産経新聞は「日中、APEC首脳会談に合わせ首脳会談実施で最終調整」と伝えていた。実現すれば、昨年11月以来約1年ぶりの出来事だ。

対して後者は、東京で開催されていたG7外相会合が終了し、ガザ地区の人道危機に対処するため戦闘休止を支持するなどとした共同声明が発表されている。また、参加者のひとりである米国務長官からは、「人道的休止」の要求で一致したことは「G7の真の結束を示すことができた」と自画自賛のコメントが発せられていた。ただ、現実的にはロイターが「ガザでは、トンネルを使って待ち伏せするイスラム組織ハマス戦闘員とイスラエル軍との市街戦が繰り広げられた」と報じるなど、激しい戦闘が続いているもよう。実現はなかなか難しいと言わざるを得ない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、目先高値151.72円から149.18円まで下押しが入ったが、昨日欧米時間に151円台まで反発。また本日東京では151.10円レベルを一時示現している。これは、昨日もレポートしたフィボナッチで見た場合、前述下げ幅の61.8%戻しもすでに突破しており、ちょうど76.4%戻し(151.10-15円)で上げ止まった格好だ。したがって、ドルの上値が重いことは改めて指摘するまでもないが、東京高値を超えてくれば名実ともに先日高値151.72円が視界内に。

12月の日米欧の金融政策会合をにらみつつ、市場では思惑が交錯している。米国については利上げ打ち止め見通しも取り沙汰されるが、発表される米経済指標などの内容次第といった慎重な見方をする向きもある。ただ、いずれにしても低金利の続きそうな日本円売り安心感は変わっておらず、そのターゲットが対ドルから対ユーロなどへとシフトしつつある感もある。実際、ユーロ/円は昨日161.73円まで一気に値を上げていた。ドル/円と比べて、円買い介入警戒感の弱さなどもあり、さらなる円安進行にも要注意か。

テクニカルに見た場合、ドル/円は基本的に再びドル高基調へと回帰した感がある。フィボナッチでは、東京高値151.10円レベルを超えてくれば、名実ともに先日高値151.72円が視界内に入りそうだ。
ただし、一昨日から指摘している「ヘッド&ショルダーを形成中のようにもみえる」という日足以下のチャート形状は、いまだ辛うじて維持されている状態。油断は禁物で、いま少し情勢を見極めたい。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定となっている。また、各国通貨当局者の発言機会も数多く見込まれており、そちらが場合によっては市場の波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは150.30-151.30円。ドル高・円安方向は東京高値151.10円レベルが最初の抵抗。超えれば名実とも151.72円がターゲットになる。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた150.70-75円の攻防にまずは注目だ。下回ると昨日安値の150.36円、ついに150円台までレベルを切り上げてきた移動平均の21日線が意識されそう。

ドル強保ち合い、151円台定着うかがう

ドル円日足


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