東京市場のドルは151円台、パウエルFRB議長への期待感と介入警戒が交錯
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、パウエル米準備制度理事会(FRB)議長コメントへの期待感から、151 円台に乗せた。
昨晩の海外時間では、9月の米卸売在庫改定値が予想以上の伸びとなったほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、9日28時に予定されている世界通貨基金(IMF)年次会議にて、「インフレ目標達成を再公約する」との見方が強まっていることからドルはじりじりと上昇。一時、151円台に乗せる場面も見られた。
東京時間も引き続きドルしっかりの地合いとなり、151円台に乗せてきた。10年物の日米国債利回り差は3.6%台前半まで縮小しているが、今晩のパウエルFRB議長のコメントへの期待感が、主なドル買いの要因となっている様子。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円90銭
高値:151円04銭
安値:150円82銭
終値:151円04銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:161円58銭
高値:161円69銭
安値:161円50銭
終値:161円63銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円59銭
高値:96円84銭
安値:96円57銭
終値:96円80銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:185円37銭
高値:185円51銭
安値:185円26銭
終値:185円45銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32316円39銭
高値:32723円71銭
安値:32193円20銭
終値:32646円46銭(前日比+479円98銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ビルロワドガロー・フランス中銀総裁が会議に出席
17時35分、日、植田日銀総裁がFT主催イベントのインタビューに応じる
22時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:21.7万件、市場予想:21.9万件
23時30分、米、ボスティック・アトランタ連銀総裁とバーキン・リッチモンド連銀総裁が会議に出席
26時00分、米、キャスリーン・セントルイス連銀暫定総裁が講演
26時30分、欧、ラガルドECB総裁がイベント開会式に出席
28時00分、米、パウエルFRB議長がIMF年次会議に出席
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いままである。ただ、ドルの上値が重くなっていることから、遅行スパンと実線の差は縮まっており勢いは弱まっている。下を警戒するムードはさほどない一方、151円台では、政府・日銀による為替介入警戒が高まることから積極的なドル買いには動けない状況にある。
日米金利差は縮小傾向が続いており、米10年債利回りは4.4%台と11月3日の雇用統計発表直後の水準を割り込んでいる。これまでのドル上昇の要因は、この日米金利差拡大への期待感だったにも関わらず、足元のドルは強いままだ。それだけ、今晩のパウエルFRB議長発言への期待感が高まっているのだろう。年内利上げの可能性が再燃するような市場のムードとなった際、ドルは対円で大きな局面を迎える。10月31日の151円76銭、そして、昨年10月の151円96銭という水準を上抜けるかどうかである。
為替介入の陣頭指揮を執る神田財務官が「スタンバイ」と発言していることから151円96銭水準で、政府・日銀が「ドル売り・円買い」の実弾介入を実施する公算が大きい。まだ「レートチェック」や「財務省、日銀、金融庁の三者会合の開催」は観測されていないが、国際的な根回しを含め事前準備は済んでいると見ておいた方がいいだろう。
植田日銀総裁のコメントに対する反応が限定的であることを考慮すると、今晩のパウエルFRB議長発言にのみ注目が集まっているようだ。少々極端なモメンタムになっている感もあるが、今晩の海外時間はパウエルFRB議長発言を材料視したドル買いと、政府・日銀による為替介入実施の可能性を意識しておきたい。上値メドは151円90銭、下値メドは148円00銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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