目先高値から1.6円下落、ドル上値は重そう(11/2夕)

2日の東京市場はドルが続落。とは言え150円を割り込むには至らず、一抹の底堅さも醸していたようだ。

目先高値から1.6円下落、ドル上値は重そう(11/2夕)

目先高値から1.6円下落、ドル上値は重そう

〇本日のドル円、150.95レベルを日中高値にじり安で冴えず、16時現在150.35-40で推移
〇日米欧の金融政策発表はすべて金利据え置き、日銀がもっともハト派で基本的な円安傾向継続か
〇昨日の神田財務官による円安けん制発言受け、引き続き151円レベルからは頭の重い展開か
〇本日は米新規失業保険申請件数、9月製造業受注指数、英中銀の政策金利発表に注目
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.90-151.00、ドル高・円安方向は151円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値の150.15レベルの攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場はドルが続落。とは言え150円を割り込むには至らず、一抹の底堅さも醸していたようだ。

ドル/円は寄り付いた150.95円レベルを日中高値にじり安推移。日経平均株価が連日で堅調推移をたどるなか、低下傾向を示した米金利情勢が嫌気され、ドルは終日冴えなかった。一時150.15円前後まで下落したが、150円割れは今回も回避されている。16時現在では150.35-40円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「米金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、市場が注視していた米金融政策が、FOMCから「金利据え置き」として正式発表されている。大方が予想していた結論ながら、先行きである12月会合について利上げ見通しをややトーンダウンさせていた。そうした意味では、若干ハト派に傾斜した内容だったと言えそうだ。ただし、一部で取り沙汰されていた「利下げ」観測については、「利下げについて考えたり話したりしていない」と明確に否定している。なお、パウエルFRB議長は会見で、12月会合について「まだ判断に確信を持てない」と発言。今後発表される米経済指標の数字次第といったことを言外に示していた。

対して後者は、米紙WSJが中国経済について、「秋は波乱含み」と報じるなか、中国の国家金融監督管理総局が、金融リスク抑制に向け、来年1月1日からの銀行の資本規制強化策を発表している。一方、本日は上海で死去した李克強前首相の遺体の火葬が行われ、それとあわせた追悼式などが各地で開催された。景気低迷などを受けた政権への不満が高まっていることもあり、昨年の「白紙革命」のような暴動に繋がる動きも事前には懸念されていたが、取り敢えず目立った動きは観測されていないようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は10月31日におよそ1年ぶりとなる151円台、151.72円を示現したものの以降は冴えない。本日東京時間には前述したように150.15円レベルを示現し、目先高値から1.6円もの下落を記録していた。一連のドル高の起点をどこから取るのかによるが、取り敢えず7月14日の137.25円だとすれば、以降いまに至るドル下押しは最大でも4円程度まで。つまり、基本的なドル高基調に変化はないものの、下げ幅が3円を超えてくるようだと要注意。トレンド転換について、検討する必要が出てくるのかもしれない。
市場で注目されていた日米欧の金融政策がいずれも発表された。そのすべてが「金利据え置き」となっている。ただ、内容を細かく精査すると、やはり日銀がもっともハト派であり、米欧はそれよりも強気。よって日米などの金利差に着目した場合、基本的な円安傾向はまだしばらく続くことになりそう。とは言え、昨日神田財務官から最後通牒ともいえる「介入スタンバイ」発言が聞かれており、ドルの上値を積極には追い難い。引き続き151円レベルからは頭の重い展開か。

テクニカルに見た場合、ドル/円の基本リスクは依然としてドル高方向。しかし、当局の円買い介入警戒などもあり上値の重さは相変わらずだ。目先高値から1.6円ほど下落したこともあり基調は変わらないものの、再びドル高値トライは一旦仕切り直しになった感がある。むしろドル続落により150円割れ、149.70円レベルまで切り上がってきた移動平均の21日線を下回ると、さらなる深押しもありそうだ。

本日は米経済指標として、週間ベースの新規失業保険申請件数や9月の製造業受注指数などが発表されるほか、英中銀による政策金利発表が行われる予定だ。ちなみに、後者の事前予想は「金利据え置き」との見方が優勢となっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.90-151.00円。ドル高・円安方向は本日東京高値も近い151円レベルが最初の抵抗。上抜けると151.50円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、同じく本日東京安値の150.15円レベルの攻防にまずは注目。下回ると21日線が視界内に捉えられる可能性も。

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