東京市場のドルはじりじりとしたドル安、緊張感のある地合いは継続(23/11/2)

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日米金利差の縮小が意識されて、じりじりとしたドル安の展開となった。

東京市場のドルはじりじりとしたドル安、緊張感のある地合いは継続(23/11/2)

東京市場のドルはじりじりとしたドル安、緊張感のある地合いは継続

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日米金利差の縮小が意識されて、じりじりとしたドル安の展開となった。

昨晩の海外時間では、10月の米ADP雇用統計が市場予想を下回ったほか、ISM製造業景況指数も予想を下振れたことから、ドルは上値の重い展開が継続した。注目の米連邦準備制度理事会(FRB)は、連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続の政策金利据え置きを発表。想定内の発表だったが、その後のパウエルFRB議長が、記者会見で、長期金利上昇に対して「FRBが期待する政策を反映するものではない」と発言したことから年内利上げの可能性が低下。米10年債利回りが4.70%台まで下落したことから、ドルは150円台半ばまで下落した。

東京時間もじりじりとしたドル安は継続し、150円台前半での推移となった。パウエルFRB議長の発言等を受けて、米金利のピークアウトが意識され、時間外の米10年債利回りも4.71%台と反発は限定的。政府・日銀による為替介入実施懸念や、明日の米雇用統計などが意識されて、積極的なドル買戻しは手控えられた。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:150円68銭
高値:150円69銭
安値:150円15銭
終値:150円46銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:159円39銭
高値:159円50銭
安値:159円07銭
終値:159円45銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円53銭
高値:96円77銭
安値:96円52銭
終値:96円62銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:183円32銭
高値:183円48銭
安値:183円06銭
終値:183円31銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:31987円02銭
高値:32087円13銭
安値:31878円36銭
終値:31949円89銭(前日比+348円24銭)

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

18時00分、欧、ノルウェー中銀政策金利、前回:4.25%
21時00分、英、英中銀政策金利、前回:5.25%、市場予想:5.25%
21時30分、米、新規失業保険申請件数、前回:21.0万件、市場予想:20.9万件
21時30分、英、ベイリー英中銀総裁が記者会見
23時00分、米、耐久財受注(前月比)、前回:4.7%、市場予想:4.7%
23時00分、米、耐久財受注(輸送除くコア)(前月比):前回:0.5%、市場予想:0.5%

3日
21時30分、米、非農業部門雇用者数(前月比)、前回:33.6万人、市場予想:19.0万人
21時30分、米、失業率、前回:3.8%、市場予想:3.8%
23時00分、米、ISM非製造業景気指数、前回:53.6、市場予想:53.0

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。20日MAでもみ合う場面も見られたが、昨日の日銀金融政策決定会合後、この水準を上放れた。ボリンジャーバンドでも、+2σを明確に上抜けるなど、強いトレンド発生が感じられる地合いとなっている。

昨晩のFOMCの結果は想定線だったが、パウエル議長の長期金利に対するコメントはやや想定外だった。パウエル議長は「経済成長が続き労働市場が再びひっ迫すれば、さらなる金融引き締めが正当化される可能性がある」と利上げ余地を残しているが、結局は「経済データ次第」というお決まりの発言に留まったことで、全体を通して長期金利に対するネガティブな発言が浮き彫りとなった印象だ。

一方、本日の日本の10年国債利回りは0.90%台で推移しており、日銀金融政策決定会合後、一気に1.0%を目指すような動きは見られない。結果として、10年物の日米金利差は4.7%−0.9%=3.8%と縮小していることから積極的なドル買いは難しい。

そして、昨日の二回にわたる神田財務官による口先介入の効果もドルの重しとなる。「スタンバイ」という表現が発せられたことで、151円台後半から昨年高値151円96銭突破を仕掛けるのは相当難しいと考える。今後は、151円96銭手前で「レートチェック」が行われ、その後、再びドル買いが強まったタイミングで、為替介入を実施するのではないかと思う。

ただ、日本は明日祝日だが、為替市場は動いている。明日の米雇用統計発表のタイミングは、日本の参加者減少で値が飛ぶかもしれない。そうなった場合は、政府・日銀は「レートチェック」を飛ばして、一気に為替介入を海外時間で行う可能性は十分ある。本日の海外時間から明日の海外時間まで目が離せない時間帯は続く。

今晩から明日の海外時間にかけても乱高下する可能性は非常に大きい。今晩の上値メドは昨年高値を上回る152円00銭、下値メドは149円00銭とする。

東京市場のドルはじりじりとしたドル安、緊張感のある地合いは継続

ドル円日足

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