日本の介入実績指標にまずは要注意か(10/31夕)

31日の東京市場はドルが逆行高。前日NY時間に149円割れまで下押しが入っていたものの、一転してドル高が進展するとそのまま150円台へ。

日本の介入実績指標にまずは要注意か(10/31夕)

日本の介入実績指標にまずは要注意か

〇本日のドル円、149.05レベルで寄り付き、日銀会合の結果発表をきっかけに150.30近くまで値を上げる
〇日銀、長期金利が上限の1%を一定程度超えることを容認、ドル買い・円売りとなる
〇昨日NY時間に149円割れまで下押しが入ったが、東京時間に150円台へ乗せドルの弱気ムードは一旦解消
〇今晩発表される為替介入実績次第では円続落を懸念する声も
〇市場の関心は明日予定されている米国金融政策発表に、今回は利上げ見送りとの見方が優勢か
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.60-150.80、ドル高・円安方向は150.30レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、移動平均の21日線が位置する149円半ばをめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

31日の東京市場はドルが逆行高。前日NY時間に149円割れまで下押しが入っていたものの、一転してドル高が進展するとそのまま150円台へ。

ドル/円は、寄り付いた149.05円レベルを日中安値にドルは大幅高。東京だけで1円を超える価格変動と、なかなか大きな値動きを記録している。きっかけとなったのは、注目されていた日銀会合の結果発表。また、そののち日経平均株価が堅調さを維持したことも好感され、ドル買い・円売りに拍車がかかった面もあるという。150.30円近くまで値を上げ、16時現在ではそのまま高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「日銀金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、日銀が注目の金融政策会合の結果として、金融緩和策の再修正を決めた。長期金利が上限の1%を一定程度超えることを容認するという。修正は長期金利の上限引き上げを決めた7月以来のこと。しかし、一部で期待されていた「大規模修正」というほどではなく、またその後の植田総裁会見で「粘り強く金融緩和を継続する方針」、「現時点で物価目標実現、十分な確度では見通せない」などといった従来のハト派スタンス維持が改めて示されたことも昨日の反動を誘い、ドル買い・円売りを支援していたという。

対して後者は、中国軍制服組トップから台湾情勢をめぐり米への宣戦布告ともいえる「中国軍は決して手加減しない」との発言が聞かれるなか、フィリピンとの軋轢が鮮明化しつつあるようだ。中国軍は、フィリピン軍の艦船が中国の領有権を主張する海域に「不法に侵入した」とし、フィリピンに対し挑発行為を直ちにやめるよう求めた反面、フィリピンは中国の主張に反論。同国の艦船は中国の主権下にあるいかなる場所にも不法に侵入していないと述べたうえで、中国に対し「フィリピン海域での攻撃的な行動」をやめるよう呼びかけていた。今後の動静にも注目だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は昨日のNYクローズで、移動平均の21日線をしっかり下抜け。いよいよドル高基調の転換も否定できない状況になったと考えていたのだが、先で指摘したように驚異的な粘り腰でドルは反発に転じると、再び150円台へと乗せてきた。それにともない、ドルの弱気ムードも一旦解消したようだ。むしろ、今晩発表される「為替介入実績(為替平衡操作の実施状況)」次第では円続落を懸念する声も聞かれており、26日高値の150.77円を試す局面もありそうだ。
市場で注目されていた日米金融政策発表のうち、日本については本日東京で決着がつき、関心は早くも明日予定されている米国の金融政策発表に。年内に少なくともあと一回の利上げを見込むFOMCだが、今回は見送り12月に持ち越すとの見方が優勢なようだが果たしてどうなるのか。仮に金利引き上げとなった場合には、為替市場は素直にドル買いで反応する可能性もある。なお、それとは別に本日は月末最終日ということで、材料面以上に駆け込み的な需給要因を気にする声も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円は目先高値から2円程度の下押しが入り、一時は調整色をかなり強めていたが、本日東京で1円を超えるドル反転高。再びドル高機運が強まってきたように思われる。26日高値150.77円が視界内に捉えられおり、場合によっては接近するような展開も。
それに対するサポートは、昨日NYクローズで下回っていた移動平均の21日線の攻防に再び注目。下回ると昨日安値148.81円を目指す。

本日は米経済指標として、10月のシカゴ購買部協会景気指数や同消費者信頼感指数などが発表されるほか、米企業の決算発表も予定されている。また、前記した日本の「為替介入実績(為替平衡操作の実施状況)」発表にも一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.60-150.80円。ドル高・円安方向は東京高値である150.30円レベルが最初の抵抗。上抜けると150.77円が名実ともにターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線が位置する149円半ばをめぐる攻防に注目。しっかり下回ると再び149円割れもありそうだ。

日本の介入実績指標にまずは要注意か

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る