東京市場のドルは150円台回復、日銀会合結果は想定の範囲内との見方
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本銀行の金融政策決定会合の発表後は、前日の買戻しが先行し、150円台を回復した。
昨晩の海外時間では、一部報道で、日銀が今回の金融政策決定会合にて、「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)」の再修正を議論すると伝わったことから、ドル売りが先行。一時、149円を割り込む場面も見られた。
東京時間では、午前中は様子見ムードが強まったが、12時過ぎに日銀金融政策決定会合の内容が伝わるとドル買戻しが先行した。日銀は、YCCの再修正を決めたが、これまで長期金利の事実上の上限としていた1%を「めど」として一定程度超えることの容認に留まったことから、想定の範囲内と市場は捉え、ドル優勢の地合いとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円12銭
高値:150円26銭
安値:149円07銭
終値:150円23銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:158円26銭
高値:159円23銭
安値:158円24銭
終値:159円23銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円92銭
高値:95円38銭
安値:94円84銭
終値:95円36銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円42銭
高値:182円51銭
安値:181円33銭
終値:182円50銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:30694円96銭
高値:30973円66銭
安値:30552円65銭
終値:30858円85銭(前日比+161円89銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
19時00分、欧、ユーロ圏消費者物価指数(前年比)、前回:4.3%、市場予想:3.0%
19時00分、欧、ユーロ圏GDP(前期比)、前回:0.1%、市場予想:0.0%
19時00分、欧、ユーロ圏GDP(前年比)、前回:0.5%、市場予想:0.3%
21時30分、米、雇用コスト指数(前期比)、前回:1.0%、市場予想:1.0%
22時00分、米、S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、前回:0.13%、市場予想:1.5%
22時45分、米、シカゴ購買部協会景気指数、前回:44.1、市場予想:44.9
23時00分、米、コンファレンスボード消費者信頼感指数、前回:103.0、市場予想:100.0
11月1日まで、米連邦公開市場委員会(FOMC)開催
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。ただ、10月3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能していたが、足元、この20MAを挟んでのもみ合いとなっている。やや上値の重さも意識される状況である。
昨晩の海外時間では、一時148円台に突入していたドルだが、日銀会合の結果は、YCC再修正及び2023年度、24年度、25年度の物価見通しを上方修正という内容だったが、いずれも事前に伝わっていた想定の範囲内の内容だったことから、買戻し優勢の地合いとなっている。日銀会合の結果発表直後、0.90%まで下落した日本の10年国債利回りはじりじりと値を戻し、朝方の水準である0.95%を回復した。
ただ、ドルは今年の年初来高値である10月26日の150円79銭を上回るような強い上昇はまだ見られない。15時30分から行われている植田日銀総裁の記者会見を見極めたいとするムードも強いが、市場の関心は本日19時の財務省による月次介入実績に向かっていると推測する。
10月3日の海外時間で見られた2円超の乱高下の正体が、政府・日銀による為替介入なのかどうかが見極めポイントである。「介入実施であればドル売り、介入未実施であればドル買い」がコンセンサスとなっており、注目度は高い。明日1日までFOMCが開催される(発表は日本時間2日未明)が、「無風」がコンセンサスとなっていることから、明日のFOMCより今晩の財務省発表の方が売買イベントとしては大きいとの見方だ。
今晩の海外時間は乱高下する可能性が大きく、上下に2円ぐらい動く地合いは考えておきたい。今晩の上値メドは年初来高値を上回る151円00銭、下値メドは149円00銭とする。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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