上値トライは仕切り直しか、ドルの頭重い(10/30夕)

週明け30日の東京市場はドルの上値が重い。149.80-85円まで一時値を上げたものの、150円にはとどかなかった。

上値トライは仕切り直しか、ドルの頭重い(10/30夕)

上値トライは仕切り直しか、ドルの頭重い

〇本日ドル円、149.45-85の狭いレンジ内での一進一退に終始
〇テクニカルにドル円はドル高トレンド継続だが、151円を目指す展開は一旦仕切り直しか
〇本日は米ダラス連銀製造業活動指数発表、FRBはブラックアウト期間で要人の発言予定なくやや材料難
〇今週は日米英の政策金利、日本の為替介入実績、米雇用統計発表を受け相場乱高下の可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.00-150.00、ドル高・円安方向は21日線をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる149.40-45が最初のサポートか

<< 東京市場の動き >>

週明け30日の東京市場はドルの上値が重い。149.80-85円まで一時値を上げたものの、150円にはとどかなかった。

先週末は、訪米している中国の王外相がバイデン米大統領らと会談。11月の米中首脳会談実現へ協力で合意したと伝えられている。イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を展開、それを受け「戦争は第2段階に入った」と同国首相が表明していた。
そうした状況下、ドル/円は149.60円レベルで寄り付いたものの、基本的に方向性は乏しい。実際、149.45-85円といった狭いレンジ内での一進一退に終始している。なお、150円を割り込んでいるとはいえ、なかなかの円安水準で推移していたように思うが、鈴木財務相など政府要人などによる口先介入は特別観測されなかった。16時現在では149.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「中東情勢」について。
前者は、訪米中の王外相はブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と2日間にわたり協議し、11月の米中首脳会談実現へ協力合意したと伝えられている。また、それに続き王氏はバイデン米大統領とも会談を実施したもよう。なお、先の「11月の米中首脳会談実現へ協力合意」との報道は、ロイターなど西側メディアによるもの。中国外務省は公式コメントとして、「米中首脳会談までの道のりは平たんでない」と引き続き強固なスタンスをうかがわせていた。一方、それとは別に李尚福氏が解任され国防相不在の中国で安保会議が実施され、中央軍事委員会の制服組トップである張副主席が異例の基調講演を行ったという。

対して後者は、国連総会が、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに対し「人道的休戦」求める決議案を圧倒的多数で採択。しかし、そうしたなか前述したように、イスラエル首相が「戦争は第2段階に入った」と表明するなど、戦況はさらに悪化している感を否めない。それもあり、米国連大使は「イスラエルとハマス衝突は危険な瞬間に達した」、サリバン米補佐官(国家安全保障問題担当)も「紛争が中東地域に波及するリスクは高まっている」と発言するなど、改めて危機感を指摘していたようだ。明るい前途はなかなか見えてこない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は引き続きドル高基調が続いているものの、時間足など短期で見た場合先日高値150.77円まで上昇した際の起点24日の149.32円近くまで、本日東京で下落してきた。また、これまでも取り上げてきた移動平均の21日線(149円半ば)を、ザラ場ベースながらわずかに下回って推移するなど、気になる要因も幾つか観測されている。ドル強気一辺倒にも傾斜しきれないところだ。むしろ次なる材料を前にした、調整が目先はさらに続く可能性もある。
今週は日米そして英国の政策金利発表が予定されており、まずはそれらに注目。また、それ以外でも明日に予定されている日本の「為替介入実績(為替平衡操作の実施状況)」発表、そして週末には10月の米雇用統計発表など注目材料が連日相次ぐ。材料が多すぎて目移りし、逆に動意に欠ける展開を警戒する声も聞かれるが、基本的には明日以降週末に掛けては連日のように荒っぽい変動をたどる危険性もあり注意を要したい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は基本的なドル高トレンドが継続しているものの、先週高値150.77円あるいは151円を目指すような展開は一旦仕切り直しか。それどころか、本日夕方の本稿執筆段階で下回っている移動平均の21日線をNYクローズでも回復できなければ、トレンド転換を考える必要さえでてくるかもしれない。ちなみに、21日線をしっかり下回った場合のターゲットは148.77円となる。

本日は米経済指標として、10月のダラス連銀製造業活動指数が発表されるものの、名実ともにブラックアウト期間入りで米通貨当局者による講演などの発言予定はなし。やや材料難といった感もあり、基本的には動きにくそうな雰囲気も。ただ月末ゴトー日で、需給要因を警戒する声が一部で聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.00-150.00円。ドル高・円安方向は本稿執筆時に下回っている21日線をめぐる攻防に注目。NYクローズで回復できるかどうかも注視されている。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる149.40-45円が最初のサポートか。下回ると17日安値の148.77円が視界内に。

上値トライは仕切り直しか、ドルの頭重い

ドル円日足

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