上値トライは仕切り直しか、ドルの頭重い
〇本日ドル円、149.45-85の狭いレンジ内での一進一退に終始
〇テクニカルにドル円はドル高トレンド継続だが、151円を目指す展開は一旦仕切り直しか
〇本日は米ダラス連銀製造業活動指数発表、FRBはブラックアウト期間で要人の発言予定なくやや材料難
〇今週は日米英の政策金利、日本の為替介入実績、米雇用統計発表を受け相場乱高下の可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.00-150.00、ドル高・円安方向は21日線をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる149.40-45が最初のサポートか
<< 東京市場の動き >>
週明け30日の東京市場はドルの上値が重い。149.80-85円まで一時値を上げたものの、150円にはとどかなかった。
先週末は、訪米している中国の王外相がバイデン米大統領らと会談。11月の米中首脳会談実現へ協力で合意したと伝えられている。イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザへの地上作戦を展開、それを受け「戦争は第2段階に入った」と同国首相が表明していた。
そうした状況下、ドル/円は149.60円レベルで寄り付いたものの、基本的に方向性は乏しい。実際、149.45-85円といった狭いレンジ内での一進一退に終始している。なお、150円を割り込んでいるとはいえ、なかなかの円安水準で推移していたように思うが、鈴木財務相など政府要人などによる口先介入は特別観測されなかった。16時現在では149.45-50円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「中国情勢」と「中東情勢」について。
前者は、訪米中の王外相はブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と2日間にわたり協議し、11月の米中首脳会談実現へ協力合意したと伝えられている。また、それに続き王氏はバイデン米大統領とも会談を実施したもよう。なお、先の「11月の米中首脳会談実現へ協力合意」との報道は、ロイターなど西側メディアによるもの。中国外務省は公式コメントとして、「米中首脳会談までの道のりは平たんでない」と引き続き強固なスタンスをうかがわせていた。一方、それとは別に李尚福氏が解任され国防相不在の中国で安保会議が実施され、中央軍事委員会の制服組トップである張副主席が異例の基調講演を行ったという。
対して後者は、国連総会が、イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに対し「人道的休戦」求める決議案を圧倒的多数で採択。しかし、そうしたなか前述したように、イスラエル首相が「戦争は第2段階に入った」と表明するなど、戦況はさらに悪化している感を否めない。それもあり、米国連大使は「イスラエルとハマス衝突は危険な瞬間に達した」、サリバン米補佐官(国家安全保障問題担当)も「紛争が中東地域に波及するリスクは高まっている」と発言するなど、改めて危機感を指摘していたようだ。明るい前途はなかなか見えてこない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は引き続きドル高基調が続いているものの、時間足など短期で見た場合先日高値150.77円まで上昇した際の起点24日の149.32円近くまで、本日東京で下落してきた。また、これまでも取り上げてきた移動平均の21日線(149円半ば)を、ザラ場ベースながらわずかに下回って推移するなど、気になる要因も幾つか観測されている。ドル強気一辺倒にも傾斜しきれないところだ。むしろ次なる材料を前にした、調整が目先はさらに続く可能性もある。
今週は日米そして英国の政策金利発表が予定されており、まずはそれらに注目。また、それ以外でも明日に予定されている日本の「為替介入実績(為替平衡操作の実施状況)」発表、そして週末には10月の米雇用統計発表など注目材料が連日相次ぐ。材料が多すぎて目移りし、逆に動意に欠ける展開を警戒する声も聞かれるが、基本的には明日以降週末に掛けては連日のように荒っぽい変動をたどる危険性もあり注意を要したい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は基本的なドル高トレンドが継続しているものの、先週高値150.77円あるいは151円を目指すような展開は一旦仕切り直しか。それどころか、本日夕方の本稿執筆段階で下回っている移動平均の21日線をNYクローズでも回復できなければ、トレンド転換を考える必要さえでてくるかもしれない。ちなみに、21日線をしっかり下回った場合のターゲットは148.77円となる。
本日は米経済指標として、10月のダラス連銀製造業活動指数が発表されるものの、名実ともにブラックアウト期間入りで米通貨当局者による講演などの発言予定はなし。やや材料難といった感もあり、基本的には動きにくそうな雰囲気も。ただ月末ゴトー日で、需給要因を警戒する声が一部で聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.00-150.00円。ドル高・円安方向は本稿執筆時に下回っている21日線をめぐる攻防に注目。NYクローズで回復できるかどうかも注視されている。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる149.40-45円が最初のサポートか。下回ると17日安値の148.77円が視界内に。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2023.10.31
ドル円、日経新聞の特報記事で大幅下落。本日は日銀金融政策決定会合がメインイベント(10/31朝)
週明け30日(月)のドル円相場は大幅下落。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2023.10.30
ドル円 イベント前後で円高へ振れる可能性大(週報10月第5週)
今週前半はドル材料よりも円材料で振れる可能性が高いと言えます。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。